7月の日経平均は、AI・半導体株の選別や中東情勢の緊迫化を受け、月間で4カ月ぶりの下落となりました。2,235名の個人投資家に聞いた本アンケートでは、短期の警戒感が強まる一方、中期的な強気姿勢は維持されています。為替や債券投資への関心も高まる中、8月相場の展望と投資家心理を分析します。
はじめに
今回のアンケート調査は2026年7月27日(月)から29日(水)にかけて実施、2,200名を超える個人投資家からの回答を頂きました。
2026年7月末の日経平均株価は6万4,362円で取引を終えました。前月末の終値(7万0,062円)からは5,700円安と下げ幅が大きくなったほか、月間ベースでも4カ月ぶりの下落に転じています。
あらためて、7月相場を振り返ると、前月からのAI・半導体株が主導する流れが続き、月初の1日に日経平均が7万2,000円近くまで値を伸ばしたものの、結局はこの時につけた7万1,962円が月間の高値となりました。以降は銀行株やバリュー株を物色する動きが相場を支えましたが、全体的には下落基調をたどる展開となりました。
不安定な中東情勢や、日米の金融政策への思惑により、日米の金利(国債利回り)が高止まり傾向だったことが相場の重しとなりました。
さらに、AI投資拡大に伴う収益性や財務面への不安が高まり、企業決算を通じてAI・半導体関連銘柄内でのローテーションや選別が進んだこと、そして、中国からAIのコモディティ化(一般化)を想起させる動きなどが材料視され、一時6万0,448円まで下落しました。
また、日々の値動きについても株価の上下の振れ幅の大きい展開が目立ち、韓国の株価指数であるKOSPIに日経平均が連動する場面が多く見られました。
日経平均のDIについては、1カ月先・3カ月先で明暗が分かれました。一方、為替の見通し(米ドル円)については、前回調査に続き、債券市場で金利(利回り)があまり低下しなかったことや、米国の早期利上げ観測の後退、高市政権の財政政策の思惑などが絡んで、円安見通しがさらに加速する結果となりました。
次回もぜひ、本アンケートにご協力をお願いいたします。
日経平均の見通し「短期的な調整意識も中期的な強気は継続」
今回調査における日経平均の見通しDIは、1カ月先がマイナス12.49、3カ月先はプラス16.47となりました。
前回調査の結果がそれぞれプラス13.41とプラス17.64でしたので、DIの値はともに低下しましたが、1カ月先DIがマイナスに沈むなど悪化が目立っています。
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある
実際に1カ月先の回答の内訳グラフを見ると、強気派の割合は前回調査の30.95%から17.58%に縮小し、弱気派の割合は17.53%から30.07%に拡大していることが読み取れます。ちょうど前回調査の強気と弱気の割合が入れ替わった格好になっています。
こうした1カ月先DIの悪化の背景には、今回の調査期間中の日経平均が急落していたことが影響したと思われます。その一方で、3カ月先DIの強気派と弱気派の割合はあまり変化しておらず、目先の相場に対しては警戒しているものの、中期的な強気の見通しは崩れていない印象となっています。
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある
こうした中で迎えた8月相場ですが、5日(水)の取引終了時点で6万6,300円と反発、戻り基調となっています。まだ3営業日を通過したばかりで確信できる段階ではないものの、7月相場の急落がひとまず一服して反発している状況です。
もっとも、気になるのは「株価が底打ちした後に、これまでの過去最高値を更新して再び強気相場に戻れるかどうか」ですが、言い換えればAI・半導体相場が再び息を吹き返せるかになります。
米国株市場では、8月に入ってダウ工業株30種平均やS&P500種指数などの主要株価指数が最高値を更新しています。これは「AI・半導体関連銘柄の買い戻し」と「非AI・半導体関連銘柄の物色」の合わせ技によるところが大きく、ナスダック総合指数や半導体銘柄で構成されるSOX指数が直近の高値に届くにはまだ距離を残しています。
東証株価指数(TOPIX)も同様に4,000pを意識した最高値圏でのもみ合いが2カ月近く継続しています。
目先は急落した分を埋める動きを中心に、AI・半導体関連銘柄の株価も復調していくことが見込まれますが、AI・半導体関連銘柄の多くは、6月までの上昇局面で旺盛なAI需要を背景とする業績期待をかなり先取りして織り込んでいた可能性があります。「さらに買い上がれるか」については、引き続き高い業績期待が求められることになります。
また、先週までに出そろった米ハイパースケーラー(マイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOG、GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドット・コム(AMZN))の決算では、これまで買い材料となっていた「AI投資の拡大」が、収益化や財務面でのリスクを意識させる売り材料として反応し、株価が下落する場面もみられました。
同じ材料でも市場の受け止め方が変わってきていることを踏まえると、今後の株価上昇はこれまでのような上昇ではなく、様子をうかがいながら高値を目指していくことになるでしょう。また、旺盛なAI需要に対して、企業の財務面やコスト面、収益面で投資が追い付かなくなって、再び売りに転じてしまうことなどもシナリオの一つとして想定しておく必要があるのかもしれません。
日経平均株価は一時6万0,488円まで下落…この先は?個人投資家2,235人が予想した「1カ月後の日経平均・為替」の見通し
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