金相場は上昇。

しっかりと1,250ドルでサポートされて反発している。これで再び1,260-65ドルを目指す動きに入ったといえる。材料がないものの、現在のドル高は一服しつつある。今後のFRBによる利上げに対する懸念が強まることで、徐々にドルの上値が重くなり、金相場にはポジティブに作用することになりそうである。

原油安はインフレ低下を想起させ、金相場にはネガティブだが、今後は反発に転じることで、金相場も支えられやすくなりそうである。米国金利のイールドカーブのフラット化は金相場にはポジティブに作用しやすい点も念頭に入れておきたい。

銀とプラチナもようやく底打ちの動きにある。一方で、パラジウムは高値を更新しており、引き続き堅調な動きにある。

非鉄相場は堅調に推移。

アルミは辛うじて1,870ドルでサポートされている。銅は続伸したが、5,780ドルのレジスタンスで打たれている。これを超えるかが、目先のきわめて重要なポイントになる。超えると一気に霧が晴れるように上昇するだろうが、今の時点で上値を超える可能性は低そうである。ニッケルは底打ちから徐々に下値を切り上げつつある。9,000ドルの節目を超えており、上昇に転じることになりそうである。亜鉛はさらに続伸し、2,700ドル目前まで上げている。しかし、これを上抜けないと、次の動きには入れない。超えられないと、利食い売りが出ることで再び下げる可能性もあろう。鉛も同様に節目の2,220ドルまで上げており、状況は亜鉛と同じである。2,220ドルを超えられるかがポイントになる。

全般的にようやく反発基調に入ってきただけに、一段高になれば、大相場に発展する可能性が高まろう。

原油は10カ月ぶりの安値から反発した。

ただし、OPEC主導の協調減産にもかかわらず、世界的な原油余剰が続いているとの見方が上値を抑えている。OPEC加盟国と非加盟国による協調減産の実施状況を点検する閣僚級の監視委員会によると、5月の減産達成度は106%となり、前月の102%から上昇している。100%を超えたのは2カ月連続で、減産を開始した1月以降では最高水準となっている。同委員会は声明で満足の意を表明した上で、「原油市場は減産の目的の達成という正しい方向に向けて進んでいる」と自信を示し、参加国に一層の努力を促している。

しかし、市場ではこの数値を半ば無視する動きを見せており、これまでのOPEC減産への対応とは全く違う値動きになっているところに違和感がある。市場参加者の多くは、減産を免除されているリビアやナイジェリアに増産の動きがあることを嫌気していると思われる。また、米国の産油量も増加していることも、強気になれない理由であろう。

一部のシェールオイル生産者は原油価格が40ドルを割り込んでも採算が取れるとみられており、これも上値を抑える要因になっているようである。しかし、多くの産油国が採算割れとなっており、現状の原油価格の水準は持続不可能である。

一方、アムステルダム、ロッテルダム、アントワープ(ARA)地区の備蓄基地の在庫が、16日までの週に今年最高水準となる6,420万バレルを記録したもようであり、これらも弱材料としてとらえられやすいだろう。

いずれにしても、いまは弱材料に目が向きやすい地合いにある。在庫が減少したとの明確な確証を得られるまで、市場は弱気なスタンスを変えないだろう。もっとも、01年以降の原油相場の動向をみると、この時期に年初来で2割を超える下落となったのは今年が初めてである。それだけ、異常なことが起きていることを理解しておく必要がある。

ちなみに、WTI原油は直近高値から20%超の下落となったが、1983年のNYMEX・WTI原油上場以来のデータによると、このようなケースでは、下落率は平均で34%に達している。これを今回のケースに当てはめると、35.78ドルまで下げる計算になる。ちなみに、このような下落のケースの後には大幅に反発していることも忘れてはならない。過去のデータでは平均64%の上昇となっており、今回のケースでは58.66ドルまで反発することになる。今回の安値が21日の42ドルだったとすれば、戻りは平均で見ても69ドルとなる。また、金/原油レシオの過去平均でみた、現在の金価格を基準にした原油価格の適正値は75ドルである。このような過去データもぜひ念頭にいれておきたい。