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メモリー・半導体株相場の崩落…「超」がつくほど好業績でも株価が下げ止まらない理由【AI銘柄の仕込み時はいつ?】

2026/7/31 7:30

 メモリー・半導体相場が崩落しています。市況解説では、AI需要の先行き懸念などと理由付けされがちですが、AI企業は依然として好業績であり、未来に前向きです。では、いったいなぜメモリー・半導体株の下落が止まらないのか。好業績株を手放す投資家の動機と、この状況から導かれる投資対応をご案内します。

目次
  1. 7月に急落した米・韓・日のメモリー株
  2. 相場反落の異常な力学
  3. メモリー株崩落の行方
  4. 相場崩落、そしてその後

サマリー

●メモリー・半導体相場は、ファンダメンタルな評価からは、すでに割安な買い場水準と判断
●しかし、現状の下落は、ファンダメンタルではなく、行動学的にまだ長引くリスクがある
●ファンダメンタルには買い場、タイミング的にはまだ要注意という見方に基づく対応は?

7月に急落した米・韓・日のメモリー株

 米国、韓国、日本のメモリー株は、関連する業種の銘柄を巻き込み、4~6月の相場に強烈なラリーを形成しました。しかし、7月には劇的な自律調整に見舞われています。

 速く高い相場には、相応の反落リスクを伴うもの。筆者は日ごろから、このことを相場の波動力学の基本として解説してきました。ただし、今回の反落は、通常の自律調整を超える力が働いています。

 このレポートでは、その力とは何か、通常ではない力が発揮された相場はどうなるか、そして、この自律調整が一巡した後の相場をどう展望するか、を順に明らかにしていきます。

相場反落の異常な力学

 急速な相場ラリーの反落は、悪材料のニュースなど何らかのショックをきっかけに起こるばかりでなく、往々にして自律的なポジション調整として発生します。

 急上昇し続ける相場には、一獲千金を夢見る投資家が参集します。そして含み益が増えるほど、自らの相場観の正しさを確信し、リスク判断が甘くなり、前のめりになりがちです。そして、含み益があるのだからと、いざとなればいつでも売り逃げられるとの慢心も漫然と生まれるものです。

 ところが、相場が速く高まると、新規マネーの購入が鈍り、相場を支持する力が鈍る段階に至ります。既参入の投資家が売り逃げる時の出口(受け皿)は買い手です。しかし、いざ相場が下がると、買い手はますます細り、売り逃げようとする投資家は、「出口も隘路(あいろ)化」現象に直面します。

※隘路…狭くて通りにくい道、物事を進めるときの大きな障害(ボトルネック)

 うまくすれば相場が回復して助かるかもしれない、しかし、逃げ遅れるほどひどいダメージを受ける恐れがある、この不安定な損益状況こそが、逃避者を迷わせ、焦らせ、最もパニックに陥らせやすくする条件といえるでしょう。

 相場というのは、ラリーの後にパニック的売り逃げを誘発するメカニズムそのものです。そして日ごろ観察される相場波動の下落は、健全なポジション調整と理解されます。

 しかし、マクロ環境や政策、業績、新発明など、何らかの裏付けがあって、相場ラリー自体がラリーを正当化し、強化するループになって、過剰な相場高になると、その反落もより深刻なものになりがちです。

 今回のメモリー株相場は、大手AI企業によるデータセンター建設への巨額な設備投資が明らかになり、供給不足でボトルネックになると危惧されたメモリー価格が急騰したことが、ファンダメンタルな裏付けとして沸き立ちました。

 その相場上昇、そして反落を劇的に強めた力学要因は、レバレッジをかけた投機の集中です。特に、世界のメモリー供給トップである韓国2銘柄(サムスン電子とSKハイニックス(SKHY))は、レバレッジ型上場投資信託(ETF)があり、個人投資家もプロも熱狂的に購入しました。

 日本でも、メモリー企業としてキオクシアホールディングス(285A)1社にレバレッジをかけた信用買いが殺到。それぞれ相場を祭り上げました。

 相場上昇時には、供給不足のメモリー価格の上昇が当該企業の業績を直接押し上げるために、ファンダメンタルズに裏付けられたラリーとされました。しかし、いざ自律調整に転じると、レバレッジでリスクを高めた投資家のパニック的な売り逃げが、相場を異常な力で押し下げています。

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