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東宝 vs 東映 日本の映画業界で永遠のライバル グロースかバリューどちらを選ぶ?

2026/7/28 13:37

 映画業界のライバル東宝と東映で比較。東宝は邦画市場で圧倒的シェアを誇り、株式分割で個人投資家も買いやすく、優待の魅力も高い。一方の東映は「ドラゴンボール」などの世界的IPで安定収益を確保し、含み資産も豊富だが、株主還元や長期保有のメリットには課題がある。成長性なら東宝、資産価値重視なら東映という選択肢。

目次
  1. 今回のお題 映画業界の永遠のライバル
  2. 銘柄A:東宝(9602)
  3. 銘柄B:東映(9605)
  4. あなたなら、どっちを買う?
  5. 銘柄投票にぜひ参加してみてください

今回のお題 映画業界の永遠のライバル

 子どもたちは夏休みに入りましたが、この夏は物価高(国際線燃油サーチャージも値上げ)や円安で海外旅行を避け、国内レジャーを楽しもうといったムードが日本国内で強まっているそうです。そして、連日暑い…ということで、手軽で涼しい映画館にでも行こう!なんてご家族も多いのではないでしょうか。なんといっても、この夏は映画のラインアップが超充実。

 アニメでは「トイ・ストーリー5」、「ちいかわ」の最新作、8月には「ミニオンズ&モンスターズ」も公開予定です。実写では「スパイダーマン」や「キングダム」、「モアナと伝説の海」なども公開予定。かなり盛り上がりそうなこの夏の日本の映画業界にあって、永遠のライバルである東宝(9602)と東映(9605)の2社を今回は比べてみます。

東宝(9602) 東映(9605)
東宝 ロゴ
東映 ロゴ

 両社の株価のポイントや株価データを見ながら、双方を比較し、皆さんの相場観で購入検討するならどちらにしますか?

銘柄A:東宝(9602)

東宝(9602)※日足チャート、年初来 2026年7月24日時点
出所:筆者作成 ※日足チャート、年初来 2026年7月24日時点

ここがGOOD

大ヒット連発、邦画市場で群を抜く存在

 言うまでもなく、日本の映画市場を支配している東宝。一部データでは、2025年の邦画市場における東宝シェアが69%に達したのだそうです。興行収入10億円超えでヒットとされる映画業界で、100億円超えの大ヒットを連発。前年は、邦画実写で歴代最高記録を塗り替えた「国宝」も東宝作品です。

 そのほか、劇場版「鬼滅の刃」「名探偵コナン」など…定番IPを有していることで、続編を作りながら、100億円超えのミリオンヒット連発が今後も有力視されます。

 また、他社が追随できない強みとなるのが、全国の好立地に自社グループで「TOHOシネマズ」を有し、製作した映画の興行までワンストップで行える点です。この夏も猛暑で屋内レジャーに人気が出そうですが、その際に選択肢に上る商業施設にも「TOHOシネマズ」は広く入っています。

 話題作が公開された直後のスタートダッシュに成功しやすく、初速の興行収入の良さがさらなる客数増につながる仕組みが武器と言えそうです。今夏公開の映画では、「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」が初動から好調と伝わっています。

 初動好調でニュースになることで、さらなる客数増へ…最終興行収入で100億円級の大型ヒットになるか? 第2四半期の業績寄与に注目です!

株主優待の妙味かなりUP!

 株主還元の面で東映より強い東宝。第1四半期決算の発表時、政策保有株(2026年2月期末時点で10社、1,092億円分も保有)の売却方針を発表したことが好感されました。

 2030年2月期までに500億円超を処分し、これを成長投資や株主還元に充てるという話なので、当然ポジティブです。配当利回りが高い株ではありませんが、東映の0.2%に対し、東宝の1.5%は随分高いといえます。

 最近の変化でポジティブなのは、3月に株式5分割をしたことで最低投資額が大幅に低下(7月24日時点では100株で約14万円)し、それだけ買いやすくなった100株の保有でも従来通りに株主優待の映画招待券「1枚」がもらえる点です。

 従来の100株は今の投資額の5倍で、映画招待券が年2枚(2月と8月)でした。それが、年1枚(8月のみ)ですが、これから東宝株を買う投資家にとっては大きなメリット。

 分割後の100株(投資額が従来の5分の1)でも映画招待券が「年1枚」もらえるようになりました。分割前に換算すると「わずか20株」の保有で優待がもらえる計算になります。これにより、これまでよりはるかに少ない元手(5分の1の資金)で東宝の優待を受けられるようになり、少額から投資したい人には大きな拡充です。

 ちなみに、東映は100株(約58万円)では1,000円分のQUOカードしかもらえず、映画招待券は500株以上の保有から…投資の手軽さでは東宝圧勝です。

ここが心配

「ゴジラ」軸のIP戦略は成功するか?

 東宝の2027年2月期の通期見通しは、前期の超大ヒット作の反動で減収減益です。年ごとの大型コンテンツの有無、ヒット作の有無で業績がブレやすい側面が東宝にはあります。アナリストの東宝株に対する分析も、その核となるのが今後公開する映画のスケジュールになっています。ヒットしそうな映画があるかどうか…。

 その点、東映は、映画事業よりも子会社東映アニメーションの版権(ライセンス)事業の利益の方が圧倒的に大きい企業。東映アニメーションの持つ「ドラゴンボール」「ONE PIECE」は最強レベルのIP(知的財産)です。

 そのため東宝も、昨年IP・アニメ事業を独立させ、2028年2月期を最終年度とする新中計では巨額のIP投資プランを示しました。とくに自社100%IPである「ゴジラ」には3年間で150億円投資し、グローバルにも展開してブランド価値を高める計画のようです。

 その足掛かりとして、今年11月に公開予定の最新作「ゴジラ-0.0」が前作同様の大ヒットを記録できるかどうかが非常に重要です。

AI株人気との相性の悪さ

 足元で株価は持ち直していますが、それでも年初来パフォーマンスはマイナス9%と、東映の+8%に対して大きな差がついています。その理由で考えられるのは、日本株市場でAI株人気が空前の盛り上がりを見せたこと。AI株に資金が大挙する相場になると、幅広いAI株以外の銘柄(非AI株)は無条件に売られました。

 大型のAI株へ資金シフトする際に、売られる非AI株も大型株が目立ちました。時価総額が大きく、流動性も高い株…それでいえば、東宝の時価総額は1兆円超で東映や松竹(9601)と比べ大幅に時価総額が大きい上、流動性(売買代金25日移動平均)も東映の14倍あります。

 東宝は、AI株を買うための換金売り対象になった「AI株の被害者」だったと考えられます。足元でAI株人気が一服し、それに伴い東宝株は復調していますが…またAI株人気が復活した際は、業績不問で売られるリスクをはらんでいます。

東宝 レーダーチャート ※各指標の数値に基づき独自基準でスコア化

東宝 レーダーチャート ※各指標の数値に基づき独自基準でスコア化
出所:筆者作成

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