金相場は小幅下落。

一時5週間ぶりの安値を付けたが、1,245ドルにあるサポートできれいに止まっている。FRB当局者によるタカ派的な発言や英イングランド銀行(中央銀行、BOE)のカーニー総裁のハト派的な発言を受けて、ドルが上昇したことが材料視されている。

NY連銀のダドリー総裁は「引き締まった労働市場がインフレ率押し上げに寄与する」とし、最近の弱めの経済統計で利上げ継続方針が変更される可能性は低いと受け止められたことがドル買いにつながった。

ボストン連銀のローゼングレン総裁は「米国や他の地域の金利の低さは金融の安定性にとってリスクになる」と発言し、シカゴ連銀のエバンズ総裁も「最近のインフレ率の低さを懸念している」と発言した。これらが金相場の上値を抑える要因ととらえられているが、目先はFRBがどの程度本気で利上げを継続しようとしているのかを見極める必要がある。

現状では、9月のFOMCでの追加利上げの可能性が全くないわけではないが、一方でインフレ率が2%を下回り、直近では低下傾向にある。拙速な金利引き上げが株式市場にダメージを与える可能性があり、最終的にはFRBは利上げを見送るものと考えられる。その結果、ドルの上値が重くなり、金相場にはポジティブな材料になるものと思われる。

市場の9月利上げ確率は約50%となっている。ただし、原油相場の下落で、インフレ率が高まらないと、インフレヘッジとしての金買いは入りづらいことも念頭に入れておく必要がある。

いずれにしても、1,245ドルを維持できていれば、上昇基調は維持されていると判断できる。

非鉄相場はまちまち。

アルミは1,910ドルまで上昇したが、チャートポイントで打たれて反落したが、1,880ドルのサポートは維持している。銅は反落したが、5,600ドルは維持している。一方、ニッケルは反落し、再び節目の9,000ドルを割り込んだ。亜鉛や鉛も下げたが、高値圏は維持している。

非鉄相場は依然として不安定だが、原油安の影響を受けている可能性がある。基本的にはこれ以上の下値は考えにくいところまで下げており、あとは外部要因の回復を待つだけである。

原油は続落。

ブレント原油は7カ月ぶり、WTI原油が9カ月ぶりの安値をそれぞれ付けた。OPEC加盟国と非加盟国の協調減産合意の順守率は昨年末の合意以来、最高水準に達したものの、一部産油国の増産の動きが材料視された。

市場筋によると、リビアの産油量は約5万バレル増の日量88万5,000バレルとなった。また、ナイジェリアのボニーライト原油輸出量は8月に日量22万6,000バレルと、前月の16万4,000バレルを大幅に上回る見込みとなっている。これらが原油市場を圧迫するとの見方が強まっており、明日発表される米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計で弱い内容の結果となれば、一段安は不可避との指摘が聞かれる。

一方、OPEC加盟・非加盟産油国の減産順守率は5月に106%と、協調減産で合意した昨年以来の高水準を記録した。OPEC加盟国の順守率は108%で、非OPECの産油国は100%となり、全体では106%に達した。しかし、市場関係者は、在庫がむしろ増えていると指摘しており、これが戻り売り基調の継続につながっていると指摘している。

米ドライブシーズンにここまで下げるのも珍しい。現状の原油価格の水準では、産油国のほとんどが予算割れとなる状況であり、このような低水準が長期化するとはなかなか考えにくいとも思われる。