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投資のプロ厳選「株主還元」と「成長投資」のバランスが絶妙な日本株5選

2026/7/7 16:05

 株式投資で企業を見る目が、少しずつ変わってきている。かつては「利益をどれだけ伸ばせるか」が最大の注目点だったが、いまはそれだけではない。では、今の市場で投資家が重視している「銘柄選定のポイント」とは? 具体的な5銘柄とともに見ていこう。

目次
  1. 利益を伸ばすだけでは、株主は満足しない
  2. 「高配当企業=安心」ではない
  3. 利益の使い方が「巧み」な5銘柄
  4. あなたが気になる銘柄に投票してみてください

利益を伸ばすだけでは、株主は満足しない

「業績が伸びれば株価も上がる」

 以前は、このロジックが当たり前のように考えられていました。

 もちろん、利益は今でも企業にとって最も重要なものです。しかし、最近は、「いくら利益を稼いだのか」だけでは十分ではありません。市場は、その利益を何に使うのかまで見ているのです。

 設備投資に回すのか、研究開発を強化するのか、新しい事業へ挑戦するのか…それとも、配当や自社株買いを通じて株主へ還元するのか。利益をどう使うかで、企業に対する市場の評価も大きく変わってきました。

 この背景には、日本企業を取り巻く環境の変化があります。日本企業は長い間、「内部留保が多い」と指摘されてきました。利益が増えても現預金を積み上げる企業が多く、株主からは「もっと資本を有効に使うべきではないか」という声も少なくありませんでした。

 こうした流れを後押ししたのが、東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営」の要請です。「株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業への改善要請」と説明されることもありますが、実際の対象は、PBR1倍割れ企業だけではありません。

 東証はプライム市場とスタンダード市場に上場する企業に対し、自社の資本コストや資本収益性を分析・評価し、それを踏まえた改善策の策定や開示、投資家との対話を継続するよう求めています。

 企業はただ利益を出すだけではなく、その利益をどう生かして企業価値を高めるのかまで説明することが求められるようになりました。

 とはいえ、もちろん内部留保そのものが悪いわけではありません。サブプライムショックや関税ショックなど想定外の事象への備えにもなりますし、大型投資を行うための資金にもなります。ただ、利益が積み上がる中で株主還元がほとんど行われなければ、「資本を十分に活用できていない」と受け止められることがあるのも事実です。

 そのため近年は、利益を設備投資や研究開発、新規事業へ振り向けながら、増配や自社株買いにも積極的な企業が増えてきました。数年前と比べても、「利益を株主へ返す」という考え方は、かなり浸透してきたように感じます。

「高配当企業=安心」ではない

 もっとも、「配当利回りが高い会社なら安心」と考えるのは少し早いでしょう。利益が伸びていないにもかかわらず、無理に配当だけを引き上げれば、将来は減配を迫られる可能性があります。

 反対に、利益を着実に積み上げ、その利益を将来の成長へ向けた投資と株主還元の両方へ振り向けられる企業は、昨今重視される「持続的な成長」も期待しやすくなるでしょう。

 また最近は、「累進配当」を掲げる企業も増えました。原則として減配を行わず、利益成長に合わせて配当を増やしていく考え方です。さらに、自社株買いを組み合わせて株主還元を強化する企業も目立つようになりました。

 一方、利益を全て株主へ還元すればよいというものではありません。企業が持続的に成長するには、研究開発や設備投資、人材育成など、未来への投資も欠かせないからです。

 だからこそ投資家が見るべきなのは、「利益が増えた」という結果だけではありません。利益をどう使っているのか。将来の成長につながる投資を続けながら、株主にも利益を還元できているのか。こうした利益の使い方を見ると、その企業が何を大切にしているのかがおのずと見えてきます。

 こうした流れは、日本が再び「金利のある世界」を意識する局面に入ったこととも無関係ではないでしょう。超低金利の時代は、将来の成長期待が高い企業ほど評価されやすい環境でした。一方、金利が上昇する局面では、足元で利益をしっかり稼ぎ、その利益を成長投資と株主還元へバランスよく配分できる企業にも市場の関心が集まりやすくなります。

 そこで今回は、「利益をどう使っている企業なのか」という視点から5社を見ていきます。

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