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AI相場はバブルか、革命か…逃げ遅れを回避する出口&入口を考える(窪田真之)

2026/7/4 8:00

 AIへの熱狂は「バブル」? 急騰してきたAI・半導体関連株が、最近、急落・急騰を繰り返すようになりました。これが「バブル崩壊の予兆」か「さらなる飛躍の序章」か、議論が交わされています。AIへの巨額投資は、実利を伴う革命かそれとも過熱したバブルか。AI相場の現在地と、投資戦略について、私の考えを述べます。

目次
  1. 日経平均高値波乱
  2. AIバブルの懸念:欧米での議論
  3. 筆者の見方

日経平均高値波乱

 日経平均株価が、7万円を超えてから高値波乱となっています。7万円以下で押し目買いが入るものの、7万円超えから急落することもあり、波乱含みの展開です。

日経平均日足:2026年4月1日~7月1日

日経平均日足:2026年4月1日~7月1日
出所:楽天証券マーケットスピードIIより楽天証券経済研究所が作成

 日経平均は、アドバンテスト(6857)東京エレクトロン(8035)ソフトバンクグループ(9984)キオクシアホールディングス(285A)など急騰してきたAI・半導体関連株の構成比が高いことで知られています。そのため、日本の主要株価指数の中で、日経平均の上昇率が際立っています。

 ただし、そのためにボラティリティ(変動率)も高くなっています。急騰してきたAI・半導体関連株が高値圏で乱高下するようになったため、日経平均の値動きも大きくなっています。

<日経平均、東証プライム、東証スタンダード、東証グロース250指数の週次推移:2022年4月1日=100、2026年7月1日まで>

日経平均、東証プライム、東証スタンダード、東証グロース250指数の週次推移:2022年4月1日=100、2026年7月1日まで
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 半導体関連株は、AIデータセンターへの巨額投資が続く恩恵で、業績が急拡大しています。かつてない半導体大ブームのさなかにありますが、株価は既に大幅に上昇しています。

 中でもキオクシアHDなど半導体メモリ株は、業績モメンタムが強く株価収益率(PER)水準も低いため、さらなる上値を見込む向きもあります。一方、半導体産業には「シリコン・サイクル」という好不況の波があることから、警戒する向きもあります。

 半導体関連株は先行きの増益をかなり先取りして織り込んだ水準と考えられ、「そろそろピークアウトしてもおかしくない」との見方もあります。

 半導体関連株の先行きを決めるのは、AIデータセンターへの巨額投資がいつまで続くかにかかっています。生成AIの利用が世界中で急拡大し、世界中でAIデータセンターへの巨額投資が続く見込みであることから、半導体関連株のピークアウトは、まだかなり先とみられています。

 ただし、気になるのは、「AIへの巨額投資は過剰ではないか」「投資回収ができないのではないか」「AIバブルが発生しているのではないか」という議論が出ていることです。

AIバブルの懸念:欧米での議論

 米国や欧州においても、「AIバブル(AI Bubble)」の懸念について議論が活発に行われています。欧米の市場関係者の間で、AI関連株の見方は二つに分かれています。

【1】AIバブル説(懐疑派)

 株式市場全体、あるいはAI関連セクター全体が実体経済からかい離し、いつか崩壊するバブルを形成しているという意見があります。1999年の「ドットコム・バブル(日本では「ITバブル」と呼ぶ)」との比較で語ることが多く、懐疑派の専門家(ジェレミー・グランサム氏など)が好んで「バブル」という表現を使用しています。

 エヌビディア(NVDA)マイクロソフト(MSFT)など一部の巨大IT企業に投資資金が集中しすぎていることに懸念があります。これは過去のバブル崩壊直前の兆候と似ているとも言われています。

 AIデータセンターへの巨額投資が収益によって回収されるか疑念を呈する向きがあります。巨額投資に見合う収益を上げられないと、慎重な見方があります。

 そもそもAIの能力に対して、過大な期待が広がっている、との見方もあります。生成AIが短期間でホワイトカラーの仕事を全て代替するという期待がありますが、現実にはあり得ないとも言われます。

【2】「バブルではない」とする主張(肯定派)

 実利の裏付けがあるので「バブルではない」との見方もあります。1999年のドットコム・バブルの時は利益が出ていない企業が期待だけで買われていましたが、現在のAI主導株(エヌビディアなど)は、爆発的な利益とキャッシュフローを実際にたたき出している点が決定的に異なると指摘されます。

 現在はインフラ構築期にあり、先行投資が膨らむ段階ですが、それは鉄道やインターネットが登場した時と同じで、長期的な生産性向上の初期段階にあるという見方です。現在のAI関連株はPERで見て「やや割高」の可能性もありますが、今後の利益成長性を考えれば妥当であり、過去のITバブルとは異なるとの分析があります。

中間的な見方

 当然ながら、【1】と【2】の中間的な見方もあります。「AIは本物の革命だが、市場の期待が先行しすぎて一時的にちょっと割高になっている」との見方です。AIバブルにはなっていないが、「小さな泡立ち(フロス)が起こっている」という表現が使われます。

 いつか弾けるバブルではなく、長期的な上昇相場が始まっていると考えられるものの、足元のAI相場は過熱しており、スピード調整はいつ起こってもおかしくないという意見です。

筆者の見方

 AIバブル論についての私の意見は、先に紹介した「中間的な見方」とほぼ同じです。AI革命は本物で、これから先、息の長い上昇相場が続くと思っています。ただし、足元の上昇ピッチは速すぎ、過熱感があると思います。

 短期的なスピード調整を警戒した方が良いと思うものの、実際に調整が起こった時には、次の上昇トレンドを見越して、AI関連株に時間分散しながら投資していくべきと考えています。

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2026年6月29日:日経平均・半導体関連株が大荒れ、目先調整か?(窪田真之)

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