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日経平均7万円超えから乱高下。上昇どこまで?過去のバブル崩壊と金融危機から考える

2026/6/28 11:00

 日経平均株価が7万円を超えたあと、乱高下している。26日の終値は前日比3,005円(4%)安の6万9,360円。依然として、6万9,000円前後の高水準で推移している。「日本株は低PERで割安」という見方もあれば、「AI相場バブル」の崩壊を懸念する声も。過去のバブルを振り返り、これからの日本株市場の見通しを考える。

目次
  1. 株価のバブルとは?
  2. 過去のバブルから学ぶ~「リーマン・ショック」が起きたわけ
  3. AI・半導体株ブームは続くのか
  4. 日経平均だけが上昇。日本株全体はそれほど上がっていない
  5. 米国株式市場に対する危険なシグナル
  6. 日本経済・金融市場にも死角あり
  7. バブルに向かっている可能性に注意

株価のバブルとは?

 まずは、株価の「バブル」の大まかな定義ですが、企業の収益性や資産価値などのファンダメンタルズから大きく乖離(かいり)して高騰し、株価上昇そのものが投機的対象となる状態と、位置付けられています。

 日本株のおおよその資本コスト(6%)、現在の金利水準(10年国債利回り:2.6%)、今年度の企業業績成長率(大手証券見通し:4~5%)を前提とするならば、現在の日本株全体の株価収益率(PER)水準が20~25倍の評価は十分に妥当な範囲と言えそうです。

 しかしながら、PER70倍に達した1990~1991年当時でもその水準を正当化する言説はありました。

 当時は不動産価格が高騰しており、時価ベースの資産価値を基準とする「Qレシオ」という概念から高騰した株価に根拠付けがなされていました。確かにロジック的には合理性は担保されているようですが、前提となる不動産価格が低金利と銀行の貸出し競争から実体(=収益性)から大きく乖離して上昇していたことが背後にはありました。

 バブル崩壊までは企業業績も好調でした。本業だけではなく、資産価格上昇による好景気に加えて、「財テク」によって企業収益は押し上げられていました。「特金・ファントラ」と呼ばれた企業向け資金運用は10%の利回りが半ば保証された状態にありました。

 仮に企業がPER50倍の株価で時価発行増資により資金調達を行い、調達した資金を「特金・ファントラ」と呼ばれた企業向け資金運用を行えば、8%の差益を得ることができます。それによって企業業績が押し上げられ、株価が上昇すればさらに増資で資金調達を行うというループが描かれました。そのため、増資の発表は株価上昇要因でした。

 当時、筆者はまだ駆け出しのアナリストでしたが、『これはどう考えても異常だ!』と感じたことは今でも鮮明に記憶に残っています。

過去のバブルから学ぶ~「リーマン・ショック」が起きたわけ

 株式市場が「バブル」であるか否かは、単純に株式市場だけを見ていたのでは判別できない可能性もあります。

 その典型例が、「リーマン・ショック」と呼ばれた2008年の世界金融危機です。日経平均株価は、「リーマン・ショック」急落前(2008年8月)は1万3,000円台でPERは15倍前後でした。それが2009年2月には8,000円割れとなり、PERも10倍を割り込む水準に低下しています。日本株の株価水準はバリュエーション面では全く割高感は見られませんでした。

「リーマン・ショック」と呼ばれたのは、米大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの破綻がきっかけになったことからです。同社の危機に際して米国政府は救済を見送りましたが、それを引き金として信用不安が世界中の金融機関に広がり、信用収縮によって全世界に景気後退がもたらされました。

 根源的には米国での信用力の低い個人向け住宅ローン(サブプライム・ローン)の膨張でした。信用力の著しく低い層にまでローン提供を行ったことによる返済滞納の急増とサブプライム・ローンを組み込んだ証券化商品のリスクが不透明であったことが混乱を大きくしました。

 バブルの要素が日本経済や日本株市場にはなかったとしても、株価指標面での割高感はなくても、海外要因(特に米国)で株価が暴落する可能性は残ります。

AI・半導体株ブームは続くのか

 時間を現在に戻します。足元の日経平均株価の上昇は、AI・半導体株の株価押し上げによって生じました。背景には、AI技術の急速な進化や、データセンターをはじめとした設備投資需要の拡大があります。

 では、設備投資需要はさらに続くのでしょうか? その投資に見合う需要が果たしてあるのでしょうか? AI企業は十分な利益を確保できるのでしょうか? 競合関係にあるオープンAI、アンソロピック、アルファベット(Google)、メタ・プラットフォームズおよびスペースXといった企業が皆そろって利益を享受できるのでしょうか?

 競争の果てに終わりはやってきます。それは今ではないとしても、1年後か2年後か、あるいはもう少し先か。いずれにしてもそれほどは遠くではないことは意識しておく必要があると思います。結果的に将来の企業収益と先行して上昇した株価との乖離が大きければそれはバブルだったということになるのでしょう。

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