金相場はほぼ変わらず。

FOMCでの米利上げ決定を受けた売りが続いたが、ほぼ一巡した感がある。FOMCでの決定は、資産圧縮の具体策がややタカ派的と受け止められたが、一方で年内あと1回とした利上げ機運は盛り上がっておらず、今度の金利上昇・ドル高には疑問が残る。

16日に発表された5月の住宅着工件数がさえない内容となるなど、最近のインフレ指標も含め、米国経済指標にはやや陰りもみられる。その結果、利上げが見送られることでドルの上昇が抑制されれば、金相場にはポジティブに作用するだろう。

世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、6月9日の867トンから16日には853.68トンに減少した。FOMCの結果を受けて、少量ではあるものの、金を手放す動きがみられる。

CFTC(米先物取引委員会)が公表するCOMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、6月13日時点で19万0274枚の買い越しとなり、前週から1万4191枚減少した。買いポジションが1万5062枚の減少となった一方、売りポジションが871枚の減少となり、ネットの買い越しポジションが減少した。金相場が頭打ちになったところで売りが出ており、目先の高値を確認したと考え、手仕舞いを行った投機筋が居ると考えられる。ただし、1,250ドルでサポートを形成しつつあることから、その動きがより明確になれば、再び上値を試す動きになろう。1,262ドルが重要なポイントになると考えている。

一方、5月のEU域内の新車(乗用車)販売台数は、前年同月比7.6%増の138万6818台となり、2カ月ぶりにプラスを回復した。ドイツが12.9%増、スペインが11.2%増と2桁増となったほか、フランスやイタリアなども好調だった。ただし、英国は8.5%減と不振だった。1~5月の累計販売台数は前年同期比5.3%増の671万9209台となった。この内容が、多少なりともプラチナ相場の上昇要因になるかを見極めたい。

非鉄相場は軟調。

アルミは重要なサポートである1,875ドルに絡む動きにあり、上昇基調の維持に向けてまさに正念場にある。これを割り込むと1,800ドルまでの下落は不可避となろう。銅は下値を固める動きだが、5,700ドルを明確に上抜けないと、次の展開は見えない。ニッケルは辛うじて反発したが、9,000ドルを超えない限り、上昇に転じることはできない。さらに9,400ドルの回復が、本格的な上昇基調への回帰には不可欠である。亜鉛は続伸だが、2,560ドルを超えることが、基調回復には不可欠である。鉛は2,100ドルを超えたことから、再び上値を試しやすい地合いに入った。2,180ドルを超えると、一気に上向くだろう。目先はドル高基調の修正と原油相場の反発がポイントになろう。

原油は小幅反発。

一部産油国の輸出削減や米石油掘削リグ稼働数の増加ペースの減速が下値を支えた。ただし、先週は供給過剰への懸念から4週連続で下落している。3カ月連続で生産過剰だったOPEC非加盟国のカザフスタンは、6月と7月に協調減産合意を順守する意向を表明した。ただし、減産を免除されているナイジェリアとリビアは、産油量の回復を受けて輸出を増やしており、これが市場を圧迫している。また、未成約の原油が老朽化した大型タンカーを利用してシンガポールやマレーシア沖貯蔵されているとの報道も、供給過剰懸念につながっている。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比6期増の747基となり、15年4月以来の高水準となった。前年同期は337基だった。増加は22週連続と過去最長となったが、増加ペースは減速している。

NYMEX・WTI原油先物の13日時点の投機筋のポジションは、35万8999枚の買い越しで、前週から2万3470枚減少した。買いポジションが1万4454枚増加したが、売りポジションが3万7924枚増加した。この安値で投機筋が機械的に売っていることが確認できる。

一方で、割安と判断するファンダメンタルズ派が買っている可能性がある。この安値を売っている向きの判断基準はあくまでトレンドであろう。しかし、この安値を売るという判断が正しいとは考えられないが、当面は底値探りの動きが続くことになりそうである。

45ドルを回復し、47.50ドルを超えると、基調はようやく上向くだろうが、それには材料と時間が必要であろう。上昇基調に戻すには、最終的には51.70ドルを回復することが必要であろう。一方、ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は、17年の原油価格が50ドル、18~19年は40ドルとの見通しを変えていないとしている。