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不平等相続になりがちな「金融商品遺産」、親心があだにならないためには?

2026/6/27 11:00

「終活専門」の司法書士、福村雄一さんによる、終活事件簿と解決方法をひも解きます。今回は、「平等に遺そう」という親心が、残念ながらマーケット次第では反映されづらい現実を解説。家族が納得する「平等な相続」を実現するにはどうするのが最適?

目次
  1. 「平等な相続」のはずが、「不平等相続」に!どうすれば?
  2. 株価は変動するもの!金融商品を相続する際に知っておきたいこと
  3. 親子別!今からできること!
  4. まとめ:親も子も、準備する時間をしっかり設けておこう!
  5. 「終活専門」司法書士・福村雄一さんプロフィール

「平等な相続」のはずが、「不平等相続」に!どうすれば?

今回のお悩み:相続時に株価が急落!平等に分けたはずなのに…

 数年の闘病の末、父が亡くなりました。保有している金融商品の評価額が平等になるように、闘病期間中に遺言書を作成してくれていました。兄にはA銘柄とB銘柄、合計で500万円相当。真ん中の私はC銘柄とD銘柄で約500万円相当。弟もE銘柄とF銘柄で約500万円相当を残す、と、平等になるように銘柄を分けてくれていました。

 ただ、いざ亡くなり、相続の段階になると、遺言書作成時とは株価が全く違っており、平等のはずが、真ん中の私に安定して株価が上昇中の優良銘柄が集中。兄が相続する銘柄の一つは倒産して価値0円に。弟の保有銘柄は上下落が激しく日々評価が変わる状態です。

 父が遺言書を書いた時の株価は確かに平等だったため、誰も悪くありませんが、3人兄弟で微妙な雰囲気になっています。

 この場合、再び平等になるように割り振りしなおすことなどは可能なのでしょうか? 母は早くに亡くなっているため、相続権があるのは私たち兄弟3人のみとなります。

「終活専門」司法書士のココが重要ポイント!

株価は変動するもの!金融商品を相続する際に知っておきたいこと

 金融商品の相続は、預貯金の相続と大きな違いがあります。それは、

[1]価格が変動するという点
[2]遺す側と受け取る側の、金融知識や経験に差があるという点
[3]受け取り方の希望にも大きな違いがある点
です。

 金利が付くとはいえ、預貯金は金融商品のように日々価格が大きく上下動することはありません。

 一方、金融商品は、日々価格が変動します。相続時点、遺産分割協議時点、実際に取得した時点、その後売却する時点、それぞれの時点で価格が違います。そして、種類も多種多様で、税金や特定・一般口座の種類による確定申告の要否、売却時の社会保険料への影響など、考慮する点が多いのも特徴です。

 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で資産を運用している人も多いと思いますが、NISA口座自体の相続ができないことや、相続人が保有しているNISA口座へ商品を移管できないという点は、意外と知られていません。

 銘柄をそのまま相続したほうが得なのか、銘柄を一括売却して現金化して相続したほうがいいのか。金融商品に関する知識と経験の有無によって、相続に影響が出てくることも多いです。また、受け取り方の希望も、相続する側の気持ちにバラつきがあります。投資に詳しくないから現金でもらいたいという声も多く聞かれます。

 遺言書を作成する時に多い相談は、銘柄のまま残すのか、割合で残すのか、という相談です。

 積極的に投資を行っている人は、優良銘柄をよく把握されており、「この銘柄は長女に、これは長男に…」などの希望を持っていることがあります。

 ただ、亡くなる直前で遺言書を作成する場合は別として、すぐに相続が発生するわけではありませんから、将来もその銘柄を保有し続けるのか、利益を確定するタイミングがあるのか、といった点は注意点として伝えています。

 銘柄を具体的に特定して記載しない場合は、証券口座を特定して遺言書に記載したり、相続人が共有することにならないように文言に注意したりしています。

 最近あった依頼では、子どもの性格や経済状況を考慮して、預貯金と金融商品で分け方をハッキリして遺言書に記載した親御さんがいらっしゃいました。遺す側と受け取る側の人間模様が表れるのが金融商品の相続といえます。

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