金相場は下落。

FOMCは市場ではそれほどハト派な内容ではなかったと受け止められ、ドル高基調に転じたことが重石となった。新規失業保険申請件数や6月のNY連銀製造業指数、フィラデルフィア連銀の製造業指数などが市場予想を上回ったことがドル高につながった。とはいえ、金相場は崩れていない。

FRB当局者の17年のインフレ見通しは引き下げられたが、現在の原油相場の水準から見れば当然であろう。一方、FRB関係者は年内あと1回の利上げを見込んでいるが、市場での利上げ確率は50%を下回っており、市場の織り込みは進んでいない。現在の低インフレ状態が最終的には利上げ観測の低下とドルの上値の重さにつながり、これが金相場を支えるものと考えられる。

また、FRBが資産圧縮を優先させるものと思われることから、利上げ見送りが金相場の下値を支えるだろう。

非鉄相場はまちまち。

アルミ・銅は下落したが、ニッケル・亜鉛・鉛は上昇した。最近の動きと逆のパターンが続いている。特にニッケルはインドネシアとフィリピンからの鉱石輸出の開始以降、相場が崩れてきたが、さすがに下げ過ぎとの見方が出てきているように思われる。また、鉛・亜鉛も下げ渋りから反発に転じており、目先の底値は確認したといえるだろう。

アルミと銅は主力銘柄だが、これも調整と反発を繰り返し、下値を固める途上にあると考えている。

原油は続落。

ドル高進行が上値を抑えており、WTI原油は45ドルを下回った水準での推移が続いている。OPEC加盟・非加盟国による協調減産に対する懐疑的な声もあるが、これは繰り返すように、米国のシェールオイルの増産を吸収して余りあるため、いずれ在庫の数値が減少していることを確認すれば、市場はそれに対して正しく反応せざるを得なくなろう。国際エネルギー機関(IEA)が年後半に大幅な在庫減少が進むとの見方を示しており、これが正しい見方であろう。その具合的な数値が出てくるまでは厳しい値動きにならざるを得ないが、それは時間が解決してくれるだろう。

一方、金相場と原油相場を比較した金/原油レシオは現在28.3倍で推移しているが、過去平均は16.5倍である。いかに原油相場は割安に放置されているかがわかる。レシオの過去5年間の重要なポイントになっている20倍の場合の原油相場は63ドルが適正値になる。

将来想定される原油市場の需給面から、原油相場は60ドル前後が適正であると考えているが、レシオが20倍にまで落ちてくれば、60ドルという水準は十分に正当化されることになる。

このように、現在や将来の金利動向などを考慮すれば、金価格は1,400ドル方向に上昇する一方、原油相場は60ドルを目指して上昇するというシナリオも一つの考え方になろう。