2026年1-3月期決算は予想上振れ、動画生成AI「可霊AI」が牽引

銘柄名:快手科技(クワイショウ・テクノロジー)
現地コード:01024
株価:45.28HKD(5/28現在)

 ショート動画プラットフォームを運営する快手科技の2026年1-3月期決算は、売上高が前年同期比3%増の337億元、調整後純利益が34億元と、市場予想を1%、11%上回った。中でも自社開発の動画生成AIモデル「可霊AI(Kling AI)」が6億5,000万元の売上高を達成し、3月の年間経常収益(ARR)が5億米ドルに上ったことが市場に好印象を与えた。

 BOCIは今後も「可霊AI」の改良、普及、収益化、広告・ECエコシステムとの統合、AIを活用した組織効率化が加速すると予想。「可霊AI」の最先端機能を優先しつつも幅広い顧客の取り込みを目指し、厳格な投資利益率(ROI)評価の下で段階的な価格設定を行う見通しを示した。目標株価を据え置き、株価の先行きに強気見通しを継続した。

 BOCIは以下の三つの視点に基づき、同社がAI投資および戦略を実行しているとみる。◇継続的なAIモデルの改良および製品アップグレードと他業種への浸透を通じた「可霊AI」の収益化の加速、◇中核の広告とECエコシステムへのAI統合の深化、◇業務効率の向上。2026年通期の設備投資に関しては前年並みの260億元を見込み、その大半が上期に実施される見通しを示した。

 また、消費意欲が低調な中、広告・EC事業で厳しい競争局面が続き、ストリーミング事業も短期的には減速するとの見方。「可霊AI」の収益化に関する想定を引き上げる一方、ストリーミング、広告、ECの収益下振れを反映し、2026-28年の予想売上高を約2%下方修正した。

 調整後純利益に関しては2026年の予想を最大172億元に据え置く半面、主にAI投資に伴う粗利益の縮小見通しを反映させ、2027-28年予想を5-7%減額修正した。

 1-3月期の売上高は前年同期比3%増の337億元と、市場予想を1%上回った。MAUとDAU(月間および1日当たりアクティブユーザー数)は各8%増、1%増の7億7,200万人、4億1,300万人。オンライン広告収入は9%増(国内は10%超の伸び)となり、AIモデルの機能強化による恩恵が続いた。

 国内ではAI効果がオンライン広告収入の伸びを3-4%押し上げたという。「可霊AI」の1-3月期の売上高は333%増の6億5,000万元で、3月のARRは約5億米ドル。調整後営業利益率は10.0%で、市場コンセンサス予想の9.1%を上回った。なお、同社は1-3月期に、5億6,200万HKドルの自社株買いを実施している。

 BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。2026年予想調整後1株当たり利益(EPS)を4.50HKドルとし、PER7.0倍を適用。「可霊AI」に関しては、同年の売上高を約40億HKドル(5億米ドル)と想定した上で、予想株価売上高倍率(PSR)30.0倍を適用した。

 レーティング面の潜在リスク要因としては、規制、競争激化、マクロ経済の回復の遅れ、戦略実行の不備、コンテンツの供給・調達問題、収益化の不備、大株主による持ち株売却などの可能性を挙げている。