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約30年ぶりの金利上昇局面、高配当銘柄は「買い」か「売り」か?

2026/5/28 11:00

 ここ数年、高配当利回り銘柄の株価が大きく上昇しています。そして足元では国債利回りも30年ぶりの水準に達するなど変化が生じています。金利上昇局面においての高配当利回り銘柄の投資、どのような点に注意すべきでしょうか。

目次
  1. REITの価格が軒並み下落!高配当利回り銘柄は大丈夫か
  2. 大前提:債券より株式の方がリスクが高い
  3. 足元の状況は高配当利回り銘柄への新規投資は逆風か
  4. 株価下落による配当利回り上昇には要注意

REITの価格が軒並み下落!高配当利回り銘柄は大丈夫か

 足元で、不動産投資信託(REIT)の価格が軒並み下落を続けています。REITとは、投資している不動産の賃料を投資家に分配するタイプの投資信託で、イメージとしては債券や高配当利回り銘柄への投資の性質に似ています。

 REITが値下がりしている理由の一つに、「国債利回りが急上昇している」という点があります。5月18日には10年物国債利回りが一時2.8%に達し、これは約30年ぶりの高水準です。

 REITと債券を比較すると、債券の方がリスクが低いといわれています。そのため、低リスクの債券の利回りが高くなればなるほど、REITの魅力が薄れていくため、価格低下によりREITの利回りが上昇する、という状況になっているのです。

 実は高配当利回り銘柄も、これと同じ点が懸念材料として挙げられます。

大前提:債券より株式の方がリスクが高い

 債券、REIT、株式のリスクを低い順に並べると、「債券<REIT<株式」となります。

 もし債券利回り、REIT利回り、株式の配当利回りが同じ3%だとすると、投資家はよりリスクの低い債券を志向します。

 実際には、リスクが異なるものが同じ利回りにはなりませんから、債券の利回りが3%なら、REITの利回りは4%、株式の配当利回りは5%、というように差がつくことになります。

 つまり、債券の利回りが上昇すると、REITや株式の価格は下落する傾向にあるのです。

 無論、株式の価格形成要因は配当金だけではありませんから、ここまで単純な話ではありません。でも、事実、REITは足元で軒並み価格が下がっていて、これはまさに国債利回り上昇によりREITの利回りの魅力が薄れたため、価格の下落により利回りが高くなっている表れです。

 これと同じ現象が、特に価格形成要因のうち、配当利回りが大きなウエートを占める個別株にも今後生じる可能性が高いと筆者は考えています。

足元の状況は高配当利回り銘柄への新規投資は逆風か

 以下の理由から、客観的にみて、高配当利回り銘柄への新規投資は逆風が吹き始めているように筆者は感じます。

●国債利回りが上昇しているため高配当利回り銘柄の優位性が下がっている

●株価上昇により高配当利回り銘柄の配当利回りそのものも下がっている

 高配当利回り銘柄といっても、業績も財務状況もまちまちですから、ひとくくりにはできません。しかし、主に配当利回りが魅力でここまで買われてきた銘柄については、そもそもかなり割高になっていると感じます。

 例えば配当利回りが高いことで有名なある銘柄は、数年前の配当利回りは7%ありましたが、株価の上昇により足元では4%を切る水準になっています。

 それに加え、国債利回りの上昇によって高配当利回りの優位性が下がっていることで、今後株価のさらなる上昇は難しいように思いますし、REITのように株価が今後下げに転じるといった可能性もあります。

 ここから高配当利回り銘柄へ投資するのであれば、配当利回りそのもののみを見るのではなく、株価の上昇が見込めるものを選択することが重要です。

 具体的には、今後の業績が向上する見込みであり、かつそれに伴い配当金の増額が期待できるもの、つまり配当金以外にも株価上昇の要素があるものがよいのではないでしょうか。

株価下落による配当利回り上昇には要注意

 高配当狙いの個人投資家の方が陥りがちなミスとして、単純に「配当利回り」のみをみて銘柄選定をしてしまうという点があります。

 「配当利回り=1株当たり配当金÷株価」で表されますから、配当利回りが上昇する要因は、1株当たり配当金の増加か、株価の下落です。

 このうち、1株当たり配当金の増加により配当利回りが高まる分にはまだ良いのですが、株価の下落により配当利回りが高まっているケースは注意が必要です。

 配当利回りは、あくまでも来期予想の配当金がその後もずっと続くと仮定して計算されています。そのため、例えば業績悪化により「来期は高水準の配当金が維持されそうだが、その後は配当金が減額となりそうだ」となれば、それを株価が織り込んで先に株価だけ下がる、という現象が起こります。

 配当利回りのみで判断するのではなく、足元の業績や今後の業績予想を踏まえた上で選択すべきですし、株価が下がっているさなかは、配当利回りが魅力的な水準であっても買わずに様子見をしておくのが無難です。

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