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トランプ訪中検証:習近平氏との間で「ディール」はあったのか?

2026/5/21 7:30

 トランプ大統領が5月13~15日、国賓待遇で中国を訪問しました。習近平氏との個人的関係、経済・通商、ビジネス、イラン情勢、台湾問題という五つのポイントから、米中関係の現在地と行き先を検証します。

目次
  1. トランプ大統領が訪中。五つのポイントを検証
  2. ポイント1:トランプ氏の北京での振る舞いと習近平氏との「個人的関係」
  3. ポイント2:経済・通商関係で何らかの進展が見られたか
  4. ポイント3:首脳会談とビジネスがどう連鎖していたか
  5. ポイント4:イラン情勢はどう扱われたか
  6. ポイント5:台湾問題はどう扱われたか

トランプ大統領が訪中。五つのポイントを検証

 5月13~15日、トランプ米大統領が国賓待遇で中国を訪問しました。先週のレポートでは、トランプ氏の振る舞いと習近平国家主席との「個人的関係」、経済・通商、ビジネス、イラン情勢、および台湾問題といった点から首脳会談を先読みし、注目ポイントを洗い出しましたが、まさに先週取り上げた五つがポイントだったと振り返っています。

 今週のレポートでは、トランプ氏の訪中終了を受けて、それらを検証していきたいと思います。

ポイント1:トランプ氏の北京での振る舞いと習近平氏との「個人的関係」

 まず、私が最も重要なポイントの一つと考えていたのが、トランプ氏が北京でどういう振る舞いをするか、および習近平氏とどのような個人的関係を奏でるかでした。トランプ氏が突然不満を漏らし始めたり、習近平氏とけんかを始めたりすれば、それは米中関係という世界最大の二カ国間関係にヒビが入り、世界情勢にも影響するのは必至だからです。

 その意味で、トランプ氏は終始比較的穏やかに、習近平氏との時間ややり取りに自制的に向き合っていたように見受けられます。以下、トランプ氏の北京滞在期間中の日程を整理しました。

日付 イベント
5月13日夜 北京首都国際空港到着。韓正国家副主席が出迎え
5月14日午前 歓迎式典、首脳会談
5月14日午後 習近平氏と天壇公園参観
5月14日夜 習近平氏主催の晩さん会
5月15日午前 中南海で「茶会」。習近平氏と散歩。ワーキングランチ→終了後、帰途へ

 昨年1月20日にワシントンD.C.で行われたトランプ氏の就任式に出席した韓正(ハン・チョン)副主席が空港まで出迎えた事実は厚遇ぶりを示していると思います。歓迎式典や首脳会談でも、両首脳は和やかな雰囲気の下、互いをたたえ、重んじる姿勢を貫いていたように見受けられます。

 天壇公園や中南海では、習近平氏自らが案内役を務め、トランプ氏は「素晴らしい場所だ」と驚き、称賛するジェスチャーを示していました。

 晩さん会では、トランプ氏が好む曲を流すなど、中国側としても、トランプ氏のご機嫌を取り、喜ばせるための仕掛けを随所で施していたように思われます。

ポイント2:経済・通商関係で何らかの進展が見られたか

 経済・通商関係で特筆されるのが、首脳会談に先立ち、5月13日、何立峰(ホー・リーフォン)副首相とベッセント米財務長官が韓国の仁川空港でハイレベル協議を行った経緯です。経済・通商分野における問題の交渉を前進させ、首脳会談を後押しする采配が見受けられました。

 今回の一つの成果は、米中当局間で「貿易委員会」と「投資委員会」という二つのスキームを設立する方向で一致した点です。前者では「非敏感領域」におけるモノの輸出入促進を、後者では投資を促すための政府間フォーラムを開催するなど、経済安全保障問題で攻防を繰り広げる両国ですが、それでも、貿易や投資は可能な範囲で促進していこうという姿勢を示した形です。

 米中がしのぎを削る人工知能(AI)に関して対話を始める表明をした点も重要でしょう。今後の動向に注目すべきです。

 一方、レアアースを巡っては米国側が懸念を表明しました。イットリウム、スカンジウム、ネオジム、インジウムと鉱物名を具体的に挙げた上で、サプライチェーンの不足、生産・加工設備および技術の販売禁止または制限に対して、中国側に対応を求めた形です。

 今後、中国側は戦略物資であるレアアースをどう「武器化」し、米国との交渉材料に使っていくのか。日本の産業・経済にも関わるテーマだけに要注目です。

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