ストップ高になった銘柄を新規に買っても大丈夫なのか?

 3月決算企業の決算発表が終わりました。いつものことですが、決算発表を受け、株価が大きく変動する銘柄が多々ありました。

 中にはストップ安まで売られる銘柄もある一方、ストップ高になるまで買われるものもありました。

 例えば、キオクシアホールディングス(285A)は、5月15日の決算発表にて、マーケット予想をはるかに上回る決算と、今後の見通しが明らかになり、翌営業日である5月18日はストップ高比例配分となりました。

 好決算の銘柄は新規に買いたいけれど、株価がストップ高まで駆け上がったものを買っても大丈夫なのか? と考える個人投資家の方も多いと思います。

 実際、ストップ高になったあとも株価が順調に上昇するケースもある一方、ストップ高になったと思ったら、その後急速に株価が失速し、高値づかみになってしまうこともあるからです。

プロ投資家はストップ高銘柄をどのように考えているか

 機関投資家、外国人投資家、ファンドマネジャーといったプロ投資家は、好決算でストップ高となった銘柄についてどのように考えているでしょうか。

 プロ投資家は、株価が急騰したかどうか、というよりは、決算発表によりそれまで想定していた企業価値が向上し、それが株価より高いのであれば買う、という行動を取ってくるはずです。

 例えばもともと株価が5,000円の銘柄が、決算発表を受けてストップ高の6,000円になったとします。

 確かに株価は一気に20%の急騰をしましたが、ポイントは、株価が大きく上昇したということよりも、企業価値がどう変化したかにあります。

 決算発表前の企業価値が5,000円だったのが、決算発表を受けて企業価値が1万円に跳ね上がるのであれば、株価がストップ高の6,000円になったとしても、まだ企業価値よりかなり低いですから、投資に資するという判断になるのです。

プロ投資家と同じことは個人投資家にはできない

 しかし、同じようなことを個人投資家が実行することはかなり困難です。その一番の理由は「企業価値をプロ投資家のように予測することができない」からです。

 例えば上の例でいえば、決算発表前後で企業価値が5,000円から1万円になる、と予測できる個人投資家はなかなかいないのではないでしょうか。となれば、ストップ高となった銘柄がまだ割安なのかを判断することができず、買うかどうか迷ってしまうはずです。

 またそれとは逆に、例えば決算発表前の企業価値が4,000円、株価が5,000円だったとして、決算発表により企業価値が4,000円から5,500円に上昇したとします。

 これが決算発表により株価が6,000円のストップ高になったとしても、新たな企業価値よりも高いですから、新たな投資は見送るべき、という判断になります。しかし、そもそも企業価値の計算が個人投資家はできません。「企業価値が1万円になった!」と勘違いして喜んで6,000円で買ってしまう可能性もあるでしょう。

では個人投資家はどうすればよいのか?

 このように、個人投資家は決算発表後の企業価値を正確に分析することは困難です。そのため、ストップ高になった銘柄が、まだ割安なのか、それともすでに割高になっているのかをその場で判断することもできないと思います。

 そこで筆者が基準としているのが、「買った後株価が下がったら、いつ損切りをして、その場合の損失はどのくらいになるのか」という点です。

 もしその損失を受け入れてでもこの株を買いたい!と思うのであればストップ高になった銘柄を買えばよいし、それはちょっと厳しいなあ、と思うのであれば見送ればよいのです。

 そして筆者であれば損切りは25日移動平均線割れとしていますので、損失の想定もしやすくなります。

 例えば株価6,000円、現時点での25日移動平均線が5,000円だとすると、6,000円で100株買った株が損切りになった場合、損失は(6,000円-5,000円)×100株=10万円近辺になりそうだ、と想定できます。

 これが許容できるのであれば買えばよいし、許容できないなら見送ればよい、という判断です。

 どう転ぶか分からないのが株価の先行きです。買う時に、失敗した際の損失の想定をした上で、投資するべきか判断するようにしましょう。