東証REIT指数が約9カ月ぶりの安値を更新し、J-REIT市場に注目が集まっています。金利上昇の逆風下でも、利回り面での魅力は変わらず。今回は、REITの基礎知識を振り返りながら、景気に左右されにくい「レジデンス型」と、インバウンド需要を狙う「ホテル型」の注目2銘柄を徹底比較します。
4〜5月中旬の東証REIT指数:9カ月ぶり安値を更新、下落の原因は?
3月下旬に1,860台まで急落した東証REIT指数は、4月に入ると一時1,940台まで反発する場面がありました。しかし、買いの勢いは続かず、再び下落基調へと転換しています。
5月に入ると下落が加速。12日には1,845ポイント台まで下げ、2025年7月末以来、約9カ月ぶりの安値を更新しました。
今回の下落の主因は「金利上昇」です。日本銀行による早期利上げ観測や原油高によるインフレ警戒から、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時2.5%超まで上昇しました。
不動産投資信託(REIT)は物件取得のために借入金を活用しており、金利が上がると借り入れコストが増加します。これまでは「賃料上昇で金利コスト増を吸収できる」との期待もありましたが、足元ではその見通しに慎重な投資家が増えています。
また、金利上昇により国債など安全資産の利回りが上がると、REITの分配金利回りの相対的な魅力が薄れることも売り材料となっています。
チャートを見ると、5日、25日、75日の移動平均線が全て下向きで推移しており、テクニカル面でも弱気のサインが出ています。当面は金利動向と日銀の金融政策に注目が集まりそうです。
ただし、投資口価格が下落しても分配金が維持されていれば、分配金利回りは上昇します。足元の国内の不動産投資信託(J-REIT)平均分配金利回りは4.8%台まで上昇しており、利回り面での魅力は高まっています。長期目線で見れば、そろそろ反転してもおかしくない水準といえるかもしれません。
J-REIT投資、知っておきたい基本知識
連載第2回目は、「REITはどのような不動産に投資しているのか?」を解説します。
J-REITには58銘柄が上場していますが、投資している不動産の種類は銘柄によってさまざまです。オフィスビル、マンション、ホテル…それぞれ特徴が異なります。
「どんな不動産に投資しているか」を理解することで、自分に合った銘柄選びがしやすくなります。ぜひ基礎知識を押さえておきましょう!
REITが投資する不動産は大きく6種類
REITの投資対象となる不動産は、主に以下の6種類に分けることができます。それぞれ景気の影響を受けやすいもの、受けにくいものがあり、特徴を理解しておくと銘柄選びに役立ちます。
[1]オフィスビル
主要都市の中心部にある大型オフィスビルへの投資です。不動産投資市場で最も歴史があり、取引規模も大きいカテゴリです。景気拡大期には賃料上昇が期待できる一方、契約期間は2年程度が多いため、景気後退時やリモートワークの普及などで空室や賃料引き下げのリスクがあります。
[2]ホテル
全国の高級ホテルやリゾートホテル、旅館などへの投資です。コロナ後は円安の追い風もあり、インバウンド需要が旺盛で収益を伸ばしている銘柄もあります。ただし、最も景気の影響を受けやすく、天候や季節変動によっても稼働率や客単価が大きく左右されます。
[3]商業施設
都市部の商業ビルや郊外のショッピングモールへの投資です。景気が良いときは賃料値上げが見込める一方、賃料の一部が店舗売上に連動する契約も多く、個人消費の動向に左右されやすい特徴があります。テナントの入れ替えが激しい点にも注意が必要です。
[4]レジデンス(住宅)
大都市や地方のマンションなど、賃貸住宅への投資です。景気と家賃はすぐに連動しないため、稼働率が安定しやすいカテゴリといえます。ただし、他の用途に比べると賃料水準が低く、1物件当たりの規模も小さい傾向があります。
[5]物流施設
空港、港、高速道路IC周辺などにある倉庫や配送センターへの投資です。テナントとの長期契約(5〜10年)が多く、入れ替えが少ないため安定した収益が見込めます。一方で、テナントが退去した場合には次の借り手が見つかりにくいリスクがあります。
[6]ヘルスケア施設
高齢者向け住宅や有料老人ホームへの投資です。高齢社会の進展により長期的な需要が見込め、景気に左右されにくい安定型のカテゴリです。ただし、ヘルスケア施設に関する法制度の変更や規制強化によって影響を受ける可能性があります。
J-REIT平均分配金利回りは4.8%台!「安定の住居」vs「成長のホテル」銘柄の違いを解説!
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