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「金は上昇、原油は続伸」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金は上昇、原油は続伸」

2017/6/14
金相場は小幅上昇した。ただし、FOMC待ちであり、動きづらい展開だったといえる。FRBは13・14日のFOMCで利上げを決定する見通しだが、これはすでに市場に完全に織り込まれている。
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金相場は小幅上昇した。

ただし、FOMC待ちであり、動きづらい展開だったといえる。FRBは13・14日のFOMCで利上げを決定する見通しだが、これはすでに市場に完全に織り込まれている。問題は、今後の利上げペースとFRBが保有する4.5兆ドルの資産の圧縮がどのように進められるのかに向かっている。また、米国経済とインフレ率に関するFRBの見方にも注目することになろう。

13・14日開催のFOMCでの0.25%ポイントの利上げは完全に織り込まれており、それ自体にインパクトはない。市場の関心は、年末までの利上げペースやFRBのバランスシート縮小の方針に向かっている。

米国経済は失業率が4.3%と16年ぶりの水準に下がり、労働市場は引き締まっている。前回5月の政策会合では、1~3月期の成長減速は「一時的」と判断しており、景気見通しは良好である。また、世界経済が回復していることも利上げに追い風といえる。

FRBは現時点で年内あと2回の利上げを念頭に入れているが、インフレ率がFRBの目標とする2%に達していないことや、トランプ政権の政策が経済に及ぼす影響に不確実性があるため、利上げに関する明確な方針が示されない可能性がある。そのため、FOMC声明と同時発表される経済見通しでは、利上げペースの想定に変更があるかに注目が集まろう。また、金融危機を受けて導入された量的金融緩和で買い入れた米国債などの保有資産の圧縮に関して具体策を公表する可能性もある。

これまでのFRB高官の発言から、年内の資産圧縮の可能性が高く、9月利上げが実施されたとしても、12月は利上げが見送られ、資産圧縮が開始される可能性が高いと考えられる。

今現在、FRBの理事や地区連銀総裁は、前回5月のFOMC以降、利上げのペースは「年内あと2回」との見方を維持している。FRBが金融政策の正常化に向け、保有資産を徐々に減らす政策は年内開始でほぼ一致しており、具体的な手法は予見可能な形で少しずつ、「自動操縦」で取り組む認識を共有している。その具体策が示されれば、市場に安心感が広がり、ドルの上値が重くなることで金利上昇が抑制され、金市場にもポジティブに作用することになろう。

非鉄相場は軟調な推移。

FOMCの結果発表を14日に控え、ポジション調整的な売りが入った。利上げ後にドル高が進行すればドル建てで取引される非鉄は割高感から売られる可能性があり、これを嫌気した売りと考えられる。しかし、FOMC後はドル安になる可能性が高いことから、買い戻されるだろう。一方で、中国では鉱工業生産などの重要経済指標の発表もあり、これにも注目が集まろう。アルミは1,875ドルでサポートされており、崩れていない。銅も下げたが、5,680ドルさサポートされており、同様に崩れてはいない。ニッケルは一時直近安値を割り込んだが、引けでは8,800ドルを回復して反発している。亜鉛も2,440ドルを維持しており、鉛も辛うじて2,035ドルのサポートを維持した。

まだ全体的に崩れておらず、ここで下げ止まって反発できれば、上昇余地が大きいだけに、戻りも大きくなろう。そのきっかけがFOMCになるかに注目しておきたい。

原油は3日続伸。

OPECが5月の加盟国の産油量を発表し、減産合意で導入した生産上限を5カ月連続で順守したとしたが、産油量が前月比1.1%増加したことが嫌気されて、WTI原油は一時45.56ドルまで下落する場面があった。しかし、その後は買い戻され、プラス圏に浮上した。市場で最新週の米国内の原油在庫が前週比270万バレルの減少になると予想されていることが支援材料だった。また、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが7月のアジア向け原油供給を一部制限し、米国向け割当量もさらに減らす見通しとの報道も下支えした。ただし、引け後に米石油協会(API)が公表した9日までの週の原油在庫は前週比280万バレル増となり、時間外取引では下げている。一方、原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は83万3,000バレル減少だった。またガソリン在庫は180万バレル増、ディスティレート在庫は150万バレル減だった。原油輸入量は日量78万8,000バレル増の860万バレルだった。

OPEC加盟国の5月の産油量は前月比33万6,000バレル(1.1%)増の日量3,213万9,000バレルだった。減産合意で導入した生産上限の3,250万バレルを5カ月連続で順守した。ただし、治安情勢などに配慮して減産免除となったリビアとナイジェリアがそれぞれ約17万バレル増産した。サウジアラビアやイラン、イラク、カタールなども増産となり、アラブ首長国連邦(UAE)、アンゴラ、ベネズエラ、ガボンは減産が拡大した。生産枠を履行したのは、アンゴラ、イラン、クウェート、カタール、サウジ、ベネズエラ。アルジェリア、エクアドル、ガボン、イラク、UAEは生産枠を超過した。

OPECは「原油需給の不均衡是正はより緩慢なペースで進んでいる」との認識を示している。また、OPEC非加盟国の今年の産油量の伸びについて、従来予想の日量95万バレルから同84万バレルに下方修正した。一方、BPが発表した世界のエネルギーに関する報告書によると、16年の世界石油需要は1%増加し、3年連続してわずかな伸びにとどまった。過去10年間の年平均は1.8%増。中国の需要が約20年ぶりの低い伸びだったことや、再生可能エネルギー市場が活況となっていることが背景にあるという。16年の石油消費は原油安で1.6%増加した。ただし、生産は0.5%増の日量40万バレルで、09年以来の低い伸びとなった。エネルギー関連企業がコストを削減していることが背景にあるとみられている。BPは「石油在庫は今年後半にはかなり減り始める」と分析している。

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