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伊藤忠商事 vs 住友商事 バフェット氏もお気に入り!総合商社株 ここから買うならどっち?

2026/5/12 15:55

 バフェット氏も注目する総合商社株のうち、非資源分野に強い伊藤忠商事と住友商事を比較。伊藤忠商事は高い経営効率と手厚い還元、成長投資が魅力ですが、割安感は薄めです。一方、住友商事は決算での還元強化や負の遺産解消で株価が急騰し、割安感も残ります。投資スタイルや今後のカタリスト(還元発表など)を考慮して選ぶのが賢明です。

目次
  1. 「非資源分野」に強み 明暗分かれる総合商社株
  2. A:伊藤忠商事(8001)
  3. B:住友商事(8053)
  4. あなたなら、どっちを買う?
  5. 銘柄投票にぜひ参加してみてください

「非資源分野」に強み 明暗分かれる総合商社株

 ウォーレン・バフェット氏もお気に入りの総合商社株から、最近の株価で明暗分かれる2銘柄をピックアップしました。バフェット氏が日本の総合商社株5銘柄(伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)、三菱商事(8058)、三井物産(8031)、住友商事(8053))を一斉買いしたのは2019年7月。当時超バリュー株だった総合商社株も、株価で4~5倍に爆騰しました。

 それでもなお、バフェット氏は「今後50年間、売却することなど考えないだろう」と発言。短期で見るべき株ではないのでしょうが…今年の株価で見ると個別のパフォーマンス差は歴然です。中でも、大きく明暗分かれる同じ「非資源分野」に強みを持つ伊藤忠商事と住友商事、ここから買うならどっち? この2社で比べてみます。

伊藤忠商事(8001 住友商事(8053)
伊藤忠商事 ロゴ
住友商事 ロゴ

 上記両社の株価のポイントや株価データを見ながら、双方を比較し、皆さんの相場観で購入検討するならどちらにしますか?

A:伊藤忠商事(8001)

伊藤忠商事 日足チャート 年初来
出所:筆者作成 日足チャート年初来

ここがGOOD

投資を「ギア・チェンジ」しつつ還元しっかり

 2026年3月期の最終利益は9,003億円で、2年連続の過去最高益、そして初の9,000億円台に到達しました。この状況に難癖付けるのは、さすがにナンセンス。5月1日に発表された2027年3月期の期初計画(ガイダンス)でも、最終利益予想は前期比5.5%増益の9,500億円としていました。

 これはコンセンサスとほぼ同等だったためニュートラルですが、「損失バッファー」という資産価格の急落時など予期せぬ損失に備えたバッファーもしっかり入れているとみられます。つまり、ガイダンスは「保守的」ということです。

 足元の業績が好調な時でも、将来の成長を見据える伊藤忠商事。2027年3月期は次のステージへの「ギア・チェンジ」として、成長投資を加速させる1年と位置付けています。

 並の会社であれば、成長投資加速の期間は株主還元後回し…というのが一般的ですが、株主還元にも抜かりなしなのが伊藤忠商事のすごみ。累進配当を明確化していますが、維持ではなく、前期まで11期連続の増配中です。

 今期も「1株44円以上」(前期42円)と増配計画ですし、自社株買いも「3,000億円以上」と示しています(まだ発表していないので、これから出てきます!)。自社株買いは前期1,700億円でしたのでほぼ倍増、総還元性向も前期の52%から今期は64%程度になりそうで、成長投資を加速しながら還元も大幅アップはさすがです!

バランス抜群の事業ポートフォリオ

 総合商社株の中で、資源に強いとされるのが三井物産と三菱商事。もちろん、伊藤忠商事も鉄鉱石、原子力、ウラン関連など資源系でも強みはありますが、利益の中で占める資源比率は低水準です。「非資源分野」の占める利益比率が高いというふうに表現されますが、2026年3月期も今2027年3月期計画でも利益の約85%が非資源分野という構成です。

 生活消費関連という大きな枠組みがあり、その中の稼ぎ頭でいえばファミリーマート。また、繊維はデサント、機械は日立建機(6305)などが挙げられますが、いずれも堅調で、食料も好調です。オーガニックな成長が続く中でも、収益ステージを引き上げるため成長投資加速を行う姿勢は、長期投資の観点では非常にポジティブといえそうです。

ここが心配

「インフレ局面に弱い」という見方も

 非資源分野に強い! これがセールスポイントなのですが、それだけに資源高の局面では相対的に出遅れる銘柄になります。最終利益に占める資源分野の比率が同社は15%程度なのに対し、三井物産は約60%、三菱商事は約50%ですので、同じ総合商社でも稼ぎ方に大きく違いがあります。 

 足元のような中東情勢悪化で資源価格が上昇している局面では、総合商社内での優先順位も下がりがち。また、日本もついに物価が大勢的に上昇するインフレ局面となっている中、資源権益が少ない=インフレ局面にも弱い、として、こちらも優先順位が下がる理由になっています。

 年初来騰落率を見てみると、5月8日時点で伊藤忠商事が+2%であるのに対し、資源分野に強い三井物産は+20%、三菱商事は+46%と、大幅なパフォーマンス差が生じています。

ROEが高い分、PBRも1番高い

 経営効率の高さを示す自己資本利益率(ROE)は14.6%で、総合商社でナンバーワンです。純利益、時価総額、ROEで商社内の3冠を目指すと公言していましたが、ROEに関しては盤石。純利益と時価総額で三菱商事に首位の座を譲っていますが、3冠奪還のため成長投資を加速させています。

 ROEが高いため、ROE×株価収益率(PER)で計算する株価純資産倍率(PBR)も高くなります。PBRは総合商社5社で最も高い2.13倍で、5社平均の1.97倍を上回ります。それだけ株価が評価されている、期待を織り込まれているのが伊藤忠商事。

 総還元性向も最も高いのですが、株価評価が高い結果、今期予想配当利回り2.18%は5社平均2.38%より低くなってしまっています。株価指標面でいえば、(優等生だけに)割安感は小さいといえそうです。

伊藤忠商事 レーダーチャート ※各指標の数値に基づき独自基準でスコア化

伊藤忠商事 レーダーチャート ※各指標の数値に基づき独自基準でスコア化
出所:筆者作成

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