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投資のヒントがいっぱい!個人投資家インタビュー

令和のブラックマンデーで5,000万円を損切り。資産5億円投資家が学んだ「負け方」のルール:投資家・ちょる子さんインタビュー後編

2026/5/20 8:00

 前編では、極貧の苦学生時代や、夫の借金1,000万円を完済した経験、そしてオリエンタルランド株で大きな利益を得た原体験を伺いました。後編では、その利益を元手に1億円、そして5億円へと資産を伸ばしていく過程と、数千万円単位の損失を乗り越えてたどり着いた投資哲学に迫ります。

目次
  1. 「今だ!」で約2,000万円を全投入。アップルショックで勝負に出た理由
  2. よく寝る娘の横でデイトレスタート。育休中に資産1億円を突破
  3. 復職、転職、そして独立。仕事の波乱が投資の時間軸を変える
  4. 5,000万円が溶けた日。令和のブラックマンデーで見えた自分の限界
  5. 資産が少ないうちは入金力を優先。初心者がまねできる投資の第一歩
  6. 5歳で株主総会へ。娘に伝える資本主義と「自分でつかみ取る」力

「今だ!」で約2,000万円を全投入。アップルショックで勝負に出た理由

トウシル:前編ではオリエンタルランド(4661)で約1,500万円の利益を得たお話まで伺いました。その利益を手にした後、次にどのようなアクションを起こしたんですか?

ちょる子さん:本格的な勝負に出たのは2019年の頭ですね。当時、中国におけるiPhoneの販売不振をきっかけに相場が急落した「アップルショック」があったんです。

 狙っていた東京エレクトロン(8035)も暴落したのですが、私は逆に「今だ!」と、オリエンタルランドを利確して手元にあった1,584万円と、貯金などを合わせた約2,000万円を全額、投入しました。迷わず一銘柄にベットです。

トウシル:1,500万円以上を1銘柄に突っ込むのは、いくら利益が出た後とはいえ相当な勇気がいりますよね。

ちょる子さん:ちょうど4Gから5Gへの転換期で半導体需要は絶対にくると信じていましたし、何より株価暴落で配当利回りが5%を超えていたんです。最悪、株価が戻らなくても年間で100万円近い配当が入るなら、私の当時の年収(約600万円)を考えれば十分すぎる「負けない勝負」だと思えました。

よく寝る娘の横でデイトレスタート。育休中に資産1億円を突破

トウシル:確固たるロジックがあったんですね。そしてその直後に出産、育休に入られています。生活に変化はありましたか?

ちょる子さん:2019年1月から産休に入り、4月に長女を出産しました。さすがに出産前は投資する余裕もなかったのですが、産まれてからはデイトレードを始めました。

トウシル:出産直後にデイトレード!? よくできましたね…?

ちょる子さん:娘が驚くほどよく寝る子だったので、暇を持て余してしまったんですよ(笑)。最初は1日に2、3回売買する程度だったんですが、地合いの良さもありどんどん回数が増えていきました。最終的には1日中、画面に張り付いてシャトルランのように売買を繰り返すまでトレードにのめり込みました。

トウシル:育休を利用してトレード経験を積んだんですね。結果はどうだったんですか?

ちょる子さん:2020~2021年にかけて、資産は一気に増えて1億円を突破しました。当時はもう、全能感がすごかったですね。主にキーエンス(6861)をトレードしていたのですが、「引け値が手に取るように分かる」みたいな感覚になっていました。毎日50万円勝つのは当たり前。本気で「自分は投資の天才だ」と信じていましたよ。

トウシル:まさに絶頂期ですね。でも、年表を拝見すると2021年にも大きなマイナスがありますよね……?

ちょる子さん:絶好調だった矢先、新興株のAI inside(4488)で2,400万円を失いました。決算をまたいで「私ならいける」と根拠のない自信で持ち越したら、まさかのストップ安。あの時はさすがにショックでしたね。

トウシル:天才だと思っていたところからの大転落。キツいですね。

ちょる子さん:本当に。でも、今振り返ればあの失敗が大きな分岐点でした。「よく分からない新興株に安易に手を出してはいけない」「自分が勝てているのは実力ではなく、単に地合いが良い大型株に乗っていただけだ」と痛感したんです。そこから、時価総額の大きな優良株を主軸にする今のスタイルに修正していきました。

復職、転職、そして独立。仕事の波乱が投資の時間軸を変える

トウシル:投資だけでなく、キャリアの方もかなり波瀾(はらん)万丈ですよね。

ちょる子さん:2021年に仕事復職しましたが、2023年には長年勤めた製薬会社を退職しました。薬価制度の見直しなどの影響を受けて、業界全体が厳しい時期だったんです。

 その後、上場企業の広報職に転職したのですが、1年ほどでまた転職をし、今度は猛烈な忙しさで適応障害になってしまい、2024年に退職。短期離職の後、現在は、自分の会社を立ち上げて独立しています。

トウシル:すさまじい展開です。仕事が忙しくなると、投資スタイルも変わるものですか?

ちょる子さん:ガラリと変わりました。会社員として拘束時間がある以上、1日中画面を見るデイトレは物理的に無理です。そこで、数日から数週間スパンで利益を狙う「スイングトレード」に移行しました。

トウシル:それにしても、それだけの結果を出すには相当な準備が必要ですよね。情報収集はどのようにされていたんですか? やっぱり、夜な夜な分厚い決算書を読み込んだり……?

ちょる子さん:実は、当時は決算書なんて全然見ていなかったんです(笑)。

トウシル:ええっ、見ないで買っていたんですか!?

ちょる子さん:はい。代わりに徹底的にチェックしていたのが、リアルタイムの「値動き」と「私設取引システム(PTS)」の反応です。今でも決算書や会社四季報をじっくり読み込むタイプではないんですが、ただ「決算期」というタイミングだけは猛烈に意識していますね。

トウシル:具体的に、決算期には何をチェックするんでしょう。

ちょる子さん:決算期のX(旧Twitter)は情報の宝庫なんです。タイムラインを眺めていると、すご腕の投資家さんたちが「次は建設がくる」「半導体のこの銘柄の決算が良かった」といった感想をリアルタイムで発信していますよね。それらの情報とPTSの動きを照らし合わせて、本当の波はどの業種に来ているのか、先回りして拾いに行きます。

 一から自分で分析するよりも、すでに上がっている情報や、反応が良い情報を効率的に見に行くスタイルが、私には合っているんだと思います。

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