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相続税を減らしながら資産を10倍にする「贈与×NISA」戦略

2026/5/16 11:00

 NISAで長期運用して資産形成を目指している方は多いと思います。実はNISAを賢く活用すれば、資産形成に加えて相続税対策にもなるのです。

目次
  1. NISAは長期投資に向いている制度
  2. 1,800万円を30年、50年運用したらどのくらい増える?
  3. 生前贈与+NISAの長期投資で将来の相続税対策に
  4. 子世代・孫世代に資金を移してからの運用の方がより税金面で有利に!

NISAは長期投資に向いている制度

 新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)がスタートして早いもので2年4カ月が経ちました。この間、国内外の株式市場が非常に好調だったこともあり、NISA口座で運用している投資信託などが大きく値上がりしているという方も多いと思います。

 そもそもNISAは年間の非課税投資枠です。損失については切り捨て(利益との損益通算ができない)という特徴からも、基本的には売らずにずっと保有を続ける長期投資を前提とした制度と考えられます。

 そしてこの長期投資、期間が長くなればなるほど資産が大きく増える可能性が高くなり、そのキャピタルゲインに税金がかからないわけですから、非課税の効果はかなり大きなものになるものと見込まれます。

1,800万円を30年、50年運用したらどのくらい増える?

 1人当たりの新NISAの非課税枠は1,800万円です。最短で、年間360万円を5年で埋めていくイメージです。

 では、この1,800万円を株式で運用するタイプの投資信託に投資したら、どのくらい資産が増えると思いますか?

 過去の平均年間リターンである8%で計算すると、10年で1,800万円が3,886万円になります。およそ2倍ですね。

 大したことないな、と思うかもしれませんが、これくらいの増加スピードが過去の実績からみたら標準的です。

 しかし驚くほどの効果を発揮するのが「複利の力」。もし1,800万円を年間リターン8%で30年運用すると、理論上はなんと1億8,113万円。市況により結果は変動しますが、計算上は1,800万円がおよそ10倍になります。

 さらに50年運用した場合、1,800万円が驚きの8億4,423万円になる計算なのです。

生前贈与+NISAの長期投資で将来の相続税対策に

 今の日本は平均寿命がだいぶ長くなっていて、筆者も相続税申告の業務を行っていますが、相続人の年齢が70歳くらい、というケースも大変多いです。

 上で書いた通り、年8%の利回りで計算すると10年で2倍ですが、30年で10倍になります。

 そこで、親御さんがお持ちの現金を、そのまま保有するのではなく、それを贈与し、かつ贈与で受け取った現金をお子さんがNISA口座で運用することを資産形成+相続税対策の一つとしてお勧めします。

 親御さんが現金を持ったままで相続が生じた場合、その現金は相続税の課税対象になります。

 そこで親御さんが現金をお子さんに贈与することで、相続財産がそれだけ減りますから、相続税の節税効果を享受できます。

 さらにお子さんがその贈与資金をNISA口座に入れて運用すれば、平均的にみて1,800万円が30年で1億8,000万円になります。

 お子さんが40歳、親御さんが60歳で、今から30年後に親御さんの相続が発生する、と見込めば、30年間の期間で、親御さんが1,800万円そのまま保有しておくより、これを贈与してNISA口座で運用すれば、約10倍の1億8,000万円に膨らむ計算です。

 これだけあれば、お子さんもご自身の老後の生活資金や相続税納税資金として活用することができるはずです。

子世代・孫世代に資金を移してからの運用の方がより税金面で有利に!

 NISA口座は1人当たり限度額が1,800万円です。1人で使うより家族みんなで使った方がより非課税の恩恵を受けられますし、形成される資産もより大きくなることが期待できます。

 無論、親御さんご本人がNISA口座で運用することも大いにプラスです。70歳の方が90歳で亡くなるとして、20年間運用を続けることにより、資産は元本を大きく上回ることが期待されます。

 でも、これに加えてお子さん、お孫さんの世代に資金を移し、お子さんなら30年間、お孫さんなら50年間長期保有を行うことで、より大きな資産を形成することができます。

 そしてお子さん、お孫さんのNISAでの運用により増えた資金は、完全に親御さんの財産からは切り離されていますから、親御さんの相続税に影響を及ぼすこともないのです。

 親御さんからお子さん、お孫さんへ贈与などで資金を移して親御さんの財産から切り離してしまえば、その後お子さんやお孫さんが投資で増やした資金は全て親御さんの相続税の対象外になります。

 非課税で運用もできて、将来の相続税対策にもつながる生前贈与+NISAを、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

注意1:毎年決まった額を長期間贈与し続けると、税務署から「最初から総額を贈与する予定だった(定期贈与)」と見なされ、贈与税が課税されるリスクがあります。

注意2:生前贈与で財産を減らすことは節税になりますが、贈与税の基礎控除(年110万円)を超える場合は贈与税がかかります。NISA単体で相続税が消えるわけではないため、贈与税と相続税のバランスを考慮する必要があります。

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