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投資のリスクの正体。リターンを犠牲にしない「効率的フロンティア」とは?

2026/5/9 11:00

 いよいよ資産運用の核心、「リスク」の管理に迫ります。前回は投資の痛みである「ドローダウン」を確認しましたが、それにただ耐える必要はありません。いかにリスクを飼いならし、効率よくリターンを獲得するか。「リスクの捉え方」と「分散の効果」について解説します。

目次
  1. 資産運用における「リスク」の考え方とは?
  2. 資産によって異なるリスク・リターン
  3. ドローダウンとの使い分けは?
  4. 資産の組み合わせで「不確実性の波」を小さく
  5. リターン追求とのバランスはどうする?
  6. 「分散投資は意味がない」といわれるゆえん
  7. 現実的な落としどころと、投資家としての備え

資産運用における「リスク」の考え方とは?

 日常会話で「リスク」といえば「危険」を指しますが、投資の世界では、資産価格が上下にブレる「振れ幅」を数値化した尺度を指します。

図表1:リスクのイメージ

図表1:リスクのイメージ
※図表はイメージです
出所:筆者作成

 この振れ幅をあらかじめ理解しておけば、仮にリターンが少々マイナスになったとしても、想定内の値動きとして冷静に受け止めることができます。楽天証券が取り扱っている投資信託であれば、過去のリスクやリターンの実績をウェブサイトで確認することができます。

図表2:「楽天・全米株式インデックス・ファンド」のリスク・リターン実績

図表2:「楽天・全米株式インデックス・ファンド」のリスク・リターン実績
※図表は過去の実績値であり、将来の投資成果を示唆・保証するものではない
出所:楽天証券(ファンド詳細ページ)(※2026年5月1日時点)を基に筆者作成

資産によって異なるリスク・リターン

 図表3のとおり、投資する資産によってリスク・リターンの水準は異なります。

図表3:各資産のリスク・リターンのイメージ

図表3:各資産のリスク・リターンのイメージ
※図表は将来の投資成果を示唆・保証するものではない
出所:筆者作成

 全世界株式や米国株式の指数に連動するインデックスファンドは、この図表では外国株式に分類されます。外国株式は、株価に加えて為替の変動も影響することから、比較的高いリターンが期待できる一方で、リスク(標準偏差)も高くなります。

 一方で債券(信用力の高い投資適格のもの)については、リスクは低い一方で、期待できるリターンも株式に比べて低いことが分かります。また、注意したいのが不動産投資信託(REIT)です。よくミドルリスク・ミドルリターンと語られがちですが、実際には株式と大きく変わらない、あるいはそれ以上のリスク水準を示すこともあります。

 従って、リスクをふまえて資産配分を考えるときは、「株式と不動産の配分を合計した割合≒リスク性資産の割合」と捉えるのが賢明です。

ドローダウンとの使い分けは?

 前回ご説明した「ドローダウン」は、直近の最高値からどの程度下落したかを確認する、「相場急変時」の最大被害を測る指標でした。一方、今回の「リスク(標準偏差)」は、平均からのブレ具合を示すため、下落だけでなく上昇の可能性も含んだ「普段の変動水準」といえます。

 もう少し詳しく解説すると、リスク(標準偏差)は、リターンの分布が「正規分布」という統計的な特性に従うと仮定して算出されます。リスク数値「1σ」は、約68%の確率でリターンが収まる範囲、いわば「日常的な変動の目安」を示しています。

 これを3倍した「3σ」まで広げると、相場急変時のリスクシナリオの目安として活用できます。例えば、米国株式の年率標準偏差(1σ)は一般に10%台後半~20%台前半ですが、これを3倍した3σは50~60%程度になります。この数値は、前回確認した最大ドローダウンともおおむね整合的です。

図表4:リターンの振れ幅と発生確率のイメージ

出所:筆者作成

 このように日常的な変動の目安と、相場急変時の下落水準の両面を事前に理解しておくことが、投資を続けるための冷静な備えとなります。

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