東京エレクトロンの2026年3月期4Qは、8.6%増収、11.9%営業増益。堅調な業績だった。会社側は2027年3月期上期を33%増収、42%営業増益と予想。AI半導体、DRAM、NAND、CPU向けなどの投資が増えると予想される。楽天証券の目標株価を引き上げる。
本レポートに掲載した銘柄:東京エレクトロン(8035、東証プライム)
1.東京エレクトロンの2026年3月期4Qは、8.6%増収、11.9%営業増益。
東京エレクトロンの2026年3月期4Q(2026年1-3月期、以下前4Q)は、売上高7,118.18億円(前年比8.6%増)、営業利益2,056.43億円(同11.9%増)となりました。前年比では大きな伸びではありませんが、堅調な決算でした。前3Q比では大幅増収増益となりました。
アプリケーション別売上高を見ると、半導体製造装置(新規装置)売上高は、前3Q3,851億円から前4Q5,401億円へ増加しました。このうち、ロジック・ファウンドリ・その他向けが同2,157億円→3,133億円、DRAM向けが同1,386億円→1,836億円、不揮発性メモリ(フラッシュメモリなど)が同308億円→432億円といずれも増加しました(売上高は会社側開示の売上構成比より楽天証券計算)。また、フィールドソリューション(保守、部品販売、改造など)は同1,616億円→1,628億円と堅調でした。
地域別売上高を見ると、韓国向けはメモリ向け投資の増加を反映して前3Q1,497億円→前4Q1,731億円へ増加しました。台湾向けはAI半導体やCPU向け投資の増加を反映して同1,119億円→1,565億円へ増加しました。中国向けは同1,755億円→1,907億円と堅調でした。また日本、米国国内の半導体設備投資増加を反映して、日本向けが同393億円→828億円、北米向けが同278億円→567億円へ増加しました。
表1 東京エレクトロンの業績
発行済み株数 454,850千株
時価総額 23,524,842百万円(2026/5/7)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。
表2 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。
注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。
注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。
表3 東京エレクトロン:半導体製造装置の地域別売上高
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:端数処理の関係で合計が合わない場合がある。
注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。
注3:2023年4-6月期よりFPD売上高を含む。
表4 東京エレクトロン:半導体製造装置(新規装置)の製品別売上高
出所:各期決算説明会資料記載の構成比より楽天証券計算。
2.2027年3月期、2028年3月期と業績好調が予想される。
会社側は、今回の決算発表から通期業績見通しの開示を取りやめ、2027年3月期上期(1Q+2Q累計決算)の会社予想の開示のみとしました。一部顧客の影響が大きくなっているためです。
今上期の会社予想は、売上高1兆5,700億円(前年比33.1%増)、営業利益4,310億円(同42.2%増)です。AI半導体、メモリ(DRAM、NAND)、CPU向けともに増加すると予想されます。生成AIが大きな牽引役になっており、生成AI向けデータセンターがAI半導体、DRAM、HBM、SSD(NAND)、CPUの巨大なユーザーになっていること、米国大手ITの設備投資が2026年に大きく伸び、2027年も続伸する見通しであることが、半導体製造装置需要にもプラスの影響を与えると思われます。
また、生成AI向けデータセンターの中でCPUの設置台数が増えていること、生成AIを日常的に使うようになったため、パソコン用CPUの高性能化が求められていることは、TSMCの2ナノ(2025年後半量産開始(ウェハ投入開始))、1.6ナノ(A16、2026年後半量産開始)、1.4 ナノ(A14、2028年量産開始)の流れ、微細化の流れを強化することに繋がりますが、これも東京エレクトロンのような前工程装置メーカーにとってプラス材料です。
ただし、米国大手ITの2027年設備投資の伸び率はまだ不透明です。2028年以降の設備投資動向も不透明です。これは、生成AIを使った情報システム、データセンター内のAIインフラのユーザーの数、AIエージェントを取り入れたシステムの規模とともに、効率化がどの程度進むかにもよります。
このようなプラス材料と不透明要因を織り込んで、楽天証券では東京エレクトロンの業績予想を、2027年3月期は売上高3兆2,500億円(前年比33.0%増)、営業利益8,900億円(同42.4%増)、2028年3月期は売上高4兆円(同23.1%増)、営業利益1兆1,400億円(同28.1%増)と予想します。
2027年3月期、2028年3月期ともに好業績が予想されます。
表5 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)(半期ベース会社予想)
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。
注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。
注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。
表6 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)(年度ベース)
出所:会社資料より楽天証券作成。
注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。
注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。
注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。
表7 米国大手ITの設備投資額(暦年)
出所:各社資料より楽天証券作成
注:マイクロソフトは各年1-3月期~10-12月期の合計。2026年1-12月会社予想(前回)はマイクロソフトのみ楽天証券予想。それ以外の会社予想はレンジ平均値。
3.東京エレクトロンの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の5万1,000円から6万5,000円に引き上げる。
東京エレクトロンの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の5万1,000円から6万5,000円に引き上げます。
楽天証券の2027年3月期予想1株当たり利益(EPS)1,484.0円に、楽天証券の2027年3月期予想営業増益率42.4%よりPEG=1.0前後として、想定株価収益率(PER)を40~45倍として当てはめました。
中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:東京エレクトロン(8035、東証プライム)
決算レポート:東京エレクトロン(AI半導体、CPU、メモリの増産による恩恵が大きい)
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