<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>

4月の中小型株ハイライトは「熱狂した日経平均との温度差」
4月のハイライトは、なんといっても日経平均株価(以下:日経平均)の史上最高値更新、そして初の6万円台乗せでした。米国とイランが2週間の即時停戦、ならびにホルムズ海峡の開放で合意したことから、日経平均は8日に2,878円高という史上3番目の上げ幅を記録しました。3月の株売り材料となったイラン情勢の好転が大きな買い手掛かりになったというわけです。
4月23日に初の6万円台にタッチしたのですが、3月の安値では5万0,500円台まであった日経平均。わずか1カ月程度で最大1万円超の上昇を見せたというのは驚き以外ありません…。ただ、その間、大きなマーケットのひずみにも悩まされた株式市場。
非常に話題になったのが、日経平均÷東証株価指数(TOPIX)で計算される「NT倍率」の歴史的な上昇(=日経平均のパフォーマンスが高い)でした。日経平均が6万円に向けて駆け上がる中、なぜか年初来安値を更新する銘柄が増加。4月の日経平均は月間+16.1%の大幅上昇を記録する中、TOPIXも+6.6%と堅調ではありました。
ただ、日経平均採用銘柄でも、イオン(8267)、オリエンタルランド(4661)、東宝(9602)、任天堂(7974)、ニトリホールディングス(9843)、アステラス製薬(4503)など幅広い大型株が月間10%超の下落率に。
一方で、上昇率が大きかったのはキオクシアホールディングス(285A)(4月騰落率+97%)、イビデン(4062)(同+83%)、TDK(6762)(同+47%)、ソフトバンクグループ(9984)(同+47%)など半導体・AI関連の値がさ株ばかり。
そうなると、4月の日経平均爆上げの一番の理由は、世界的な半導体・AI株ラリー発生(SOX指数が史上最長の18連騰)と断定できるように思います。日経平均への指数寄与が大きい株ばかり上がり(それ以外は大して上がらない、もしくは下がる)、結果としてNT倍率の歴史的な拡大が起きたといえそうです。
さらにいえば、日経平均というのは先物、ブルベア型上場投資信託(ETF)、オプションを通じた指数売買が非常に多い指数です。指数が最高値を付けると、売り方(ショートを持つ投資家)が窮地になるため、ショートの買戻しが誘発されます。そうした需給要因も日経平均の暴走的な上げに影響したと考えられます。
日経平均買戻し影響がなく、半導体・AI株自体がほぼ皆無の中小型株市場は、熱狂の輪の外といった感じで…。東証プライム市場の小型株も、東証スタンダード市場、東証グロース市場の指数も日経平均を大幅にアンダーパフォームしました。
その中で、日経平均に見劣りするとはいえ、十分に健闘したのが東証グロース市場でした。東証グロース指数は4月+8.9%、銘柄数が絞られている東証グロース市場250指数は+9.7%でした。
東証グロース市場の時価総額上位
| コード | 銘柄名 | 時価総額 (億円) |
4月 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 141A | トライアルHD | 4,768 | ▲7% |
| 485A | パワーエックス | 3,988 | 131% |
| 7806 | MTG | 2,451 | ▲5% |
| 7685 | BuySell Technologies | 1,956 | 10% |
| 186A | アストロスケールHD | 1,780 | 47% |
| 290A | Synspective | 1,775 | 23% |
| 2160 | ジーエヌアイグループ | 1,684 | ▲1% |
| 4592 | サンバイオ | 1,537 | 5% |
| 464A | QPSHD | 1,410 | 22% |
| 4478 | フリー | 1,357 | 12% |
| 456A | HUMAN MADE | 1,331 | 7% |
| 5842 | インテグラル | 1,275 | 16% |
| 215A | タイミー | 1,250 | ▲3% |
| 319A | 技術承継機構 | 1,208 | 15% |
| 278A | Terra Drone | 1,048 | 144% |
| ※2026年5月1日時点、時価総額1,000億円以上 | |||
東証プライム市場で、信用取引を使った短期勢に人気の半導体・AI株が盛り上がったこともあり、個人投資家のリスク許容度は大きく回復しました。その資金の一部が、東証グロース市場の人気テーマ株物色に広がったような1カ月になったともいえそうです。東証グロース市場でも二極化は大きく発生しました。
大きく上昇したのは、「防衛」を切り口とした銘柄。中でも、長く人気化した三菱重工業(7011)やIHI(7013)などから、東証グロース市場に上場する新規性のあるドローン関連、宇宙関連株に関心がシフト。
ドローン関連ではTerra Drone(278A)が月間+144%の急騰で時価総額1,000億円超に躍進したほか、宇宙関連では東証グロース市場の時価総額トップ10内にアストロスケールホールディングス(186A)、Synspective(290A)、QPSホールディングス(464A)の3社が食い込んでいます。
そして、東証プライム市場で半導体・AI関連株がフィーバーする中、データセンター拡大に不可欠な蓄電池の専業企業として昨年上場したパワーエックス(485A)が大躍進。
月間+131%で、時価総額は東証グロース市場全体でもトライアルホールディングス(141A)に次ぐ2位まで浮上しています。東証グロース市場に長らく不在だった市場を先導するリーディングストックが誕生しました。










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