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中央銀行が何かをする場合、それはプリンティングマネー(紙幣増刷)だけである

2026/4/30 15:36

 現在の市場は、中央銀行が巨額の政府債務に左右される「財政優位性(フィスカル・ドミナンス)」の状態にあります。このため、米国も日本も金利を引き上げることができません。今、中央銀行は物価の安定やインフレ抑制よりも、政府の財政破綻を防ぐことを重視せざるを得ません。もし何か対策を取るとすれば、それは紙幣の増刷だけでしょう。

目次
  1. 金融政策の無効化と実質的なマネタイズ
  2. 円相場の行方

金融政策の無効化と実質的なマネタイズ

 インフレと無尽蔵の赤字によって株式市場が息を吹き返している。戦争は国家最大の公共事業(財政出動)である。

トランプの新たな軍事予算はインフレ調整後の第2次世界大戦ピーク時の支出を上回る

トランプの新たな軍事予算はインフレ調整後の第2次世界大戦ピーク時の支出を上回る 画像
出所:Lukas Ekwueme

 現在の市場は中央銀行が政府の借金に支配される「財政優位性(フィスカル・ドミナンス)」の局面であり、米・日ともに金利を上げられない。これがバブルがまだ延命する理由だ。

 中央銀行が物価安定(インフレ抑制)よりも、政府の財政破綻を防ぐことを優先せざるを得ない状態にある。何かをするとしたら、プリンティングマネー(紙幣増刷)だけである。

  • 金融政策の無効化:政府債務が巨大なため、インフレを抑えるための「利上げ」が政府の利払い負担を爆発させ、財政を破綻させるリスクがあるため困難になる。
  • 実質的なマネタイズ:中央銀行が国債を買い支え続けることで、通貨供給量が増大し、通貨価値の低下(インフレ)が加速する。

 すでに中央銀行はインフレ制御の主導権を失い、現金の劣化は避けられない。結局、現金(預金)しか持っていない人が損をする時代なのである。この列車を止めるものはなにもない。

円相場の行方

 ドル円がまた160円を超えてきて、財務省による円買い介入懸念が高まっているという。日本銀行は一応タカ派のフリを続けているが、この利上げサイクルは0.25パーセントの緩慢な利上げを4回やったら終わりということを市場に見透かされている。

 想定外の日本の大幅利上げや、米国の大幅利下げがない限り、大局的な円の下落基調を変えることは難しい。だが、日本の長期金利が3パーセントを超えてくれば、少し潮目が変わる可能性はある。

 何十年間も日本円は資金調達源として利用されてきた。円が強くなると、キャリートレードの投資家たちは突然、借金の支払い負担(キャリーコスト)が増えることに気づくだろう。円キャリートレードの巻き戻しにより、彼らは株式や外国債券などの資産を売却せざるを得なくなる。

 相場の未来は分からない。筆者はアルゴリズムの売買シグナルを根拠に相場についていくだけだ。

日本10年国債金利(日足)

日本10年国債金利(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ドル円(日足)

ドル円(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ユーロ円(日足)

ユーロ円(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ポンド円(日足)

ポンド円(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

豪ドル円(日足)

豪ドル円(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

メキシコペソ円(日足)

メキシコペソ円(日足)
(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
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