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1年で2倍、プラチナの価格動向に改めて注目

2026/4/28 7:30

 今年1月下旬をピークに、プラチナ価格が上昇しなくなっている、と述べる市場関係者と雑談をする機会がありました。短期的にはそのような傾向はあるかもしれませんが、長期資産形成に資する長期視点では、決してそのようなことはないと、筆者は考えています。本レポートにて、改めてプラチナ価格の動向に注目します。

目次
  1. プラチナはこの1年で2倍以上に
  2. プラチナ価格は長期上昇の途中
  3. プラチナの希少性と用途に注目
  4. 金(ゴールド)価格も長期上昇か
  5. プラチナ固有の材料にも長期上昇の芽
  6. [参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

プラチナはこの1年で2倍以上に

 図1は、今年(2026年)4月1日と、4月24日の終値を比較した、短期視点の騰落率です。イラン戦争が勃発した2月28日からおおむね1カ月が経過したタイミングから、足元までの動きを示しています。

図1:主要銘柄の騰落率(短期)(2026年4月1日と4月24日の終値を比較)

図1:主要銘柄の騰落率(短期)(2026年4月1日と4月24日の終値を比較)
出所:Investing.comのデータより筆者作成

 同戦争の激化をきっかけとして高まった需給ひっ迫感により高騰した原油価格や、高騰した原油価格を見て高まったインフレ懸念・米国の利下げの温度感低下を受けて上昇したドル指数が、それぞれ反落しました。

 一方、主要な株価指数が大きく上昇しました。日経平均株価が6万円到達したり、S&P500種指数が7,000ポイントに到達したり、ダウ工業株30種平均が5万ドル近辺に回復するなど、日米の株価指数の上昇が目立ちました。こうした株価指数の上昇が生んだ景況感の改善期待が需要増加観測を大きくし、銅価格も上昇しました。

 貴金属相場は、明暗を分けました。大きく上昇した株価指数との対比で下落圧力がかかった金(ゴールド)の価格は、戦争(有事ムード)が継続していたり、ドル指数が反落していたりしていても、下落しました。

 プラチナと銀の価格は、上昇しました。産業用の需要が多いこれらの貴金属(後述します)は、銅と同様、株価指数の上昇が生んだ景況感の改善期待が需要増加観測を大きくしたと、考えられます。

 4月1日からここまでのおよそ1カ月間は、原油高・株価指数安となった同戦争勃発直後の1カ月とは大きく異なる展開だったと言えます。

 図2は、昨年(2025年)4月1日と、今年(2026年)4月24日の終値を比較した、中期視点の騰落率です。産業用の需要が多い銀とプラチナの価格が、2倍以上になりました。日経平均やS&P500、NYダウなどの日米の株価指数の上昇率を大きく上回っています。

図2:主要銘柄の騰落率(中期)(2025年4月1日と4月24日の終値を比較)

図2:主要銘柄の騰落率(中期)(2025年4月1日と4月24日の終値を比較)
出所:Investing.comのデータより筆者作成

 本レポートのテーマであるプラチナについては、短期視点でも中期視点でも上昇しています。株価指数が上昇しているときにプラチナの価格は上昇しやすい、なおかつ、同時に金(ゴールド)価格が上昇している時は、上昇の規模はより大きくなる、という傾向が見て取れます。

プラチナ価格は長期上昇の途中

 図3は、長期視点の金(ゴールド)とプラチナの価格推移を示しています。2025年4月ごろから、プラチナの価格上昇が目立ち始めました。

 トランプ氏が米大統領に就任したことを機にトランプ関税の導入などで有事のムードが生じたこと、同大統領が米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)に対して利下げを要求したことを受けてドル安ムードが強まったことなどにより、金(ゴールド)価格の上昇トレンドがより鮮明になりました。

 貴金属のメインの銘柄である金(ゴールド)の価格上昇は、プラチナの価格上昇の一因になったと言えます。さらには、上昇に拍車がかかった金(ゴールド)価格に対する割安感が意識されたことも、価格上昇の一因になったと言えます。

図3:ドル建てプラチナ、金(ゴールド)価格推移(月次平均) 単位:ドル/トロイオンス

図3:ドル建てプラチナ、金(ゴールド)価格推移(月次平均) 単位:ドル/トロイオンス
出所:LBMAなどのデータより筆者作成

 プラチナ固有の価格上昇要因もありました。短中期視点の上昇要因に、トランプ米大統領がFRBに対して「予防的利下げ」を要求したことを受けて株価指数が反発し、産業用需要の増加観測が浮上したことや、トランプ関税導入によりプラチナの物流への懸念が生じたことなどが挙げられます。

 中長期視点の上昇要因に、トランプ米大統領が化石燃料の使用を推奨するムードを強めたことを受けて内燃機関(エンジン)を搭載した自動車向けのプラチナ需要(後述します)がさらに増加する可能性が生じたこと、フォルクスワーゲン問題の発覚(2015年9月)以降、急減するといわれた自動車排ガス浄化装置向け需要が回復しつつあり、複数の機関が今後も回復する見通しを示したこと、電気自動車(EV)一辺倒だった欧州で化石燃料を使用する自動車を容認する動きが出始めたことなどが挙げられます。

 超長期視点の上昇要因に、トランプ氏の米大統領就任により世界分断に拍車がかかり、資源の武器利用が横行する懸念が強まったことなどが挙げられます。

 振り返ってみれば、2025年4月ごろから、金(ゴールド)価格の上昇がさらに目立ち始め、同時に短中期・中長期・超長期のプラチナ固有の価格上昇要因が大きくなり始めました。図4はこうしたプラチナを取り巻く環境のイメージ図です。

図4:ドル建てプラチナ価格の変動イメージ(2026年4月時点)

図4:ドル建てプラチナ価格の変動イメージ(2026年4月時点)
出所:筆者作成

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