米国高配当株投信の注意点1:投資対象の銘柄をチェックすること
米国株式の高配当株を対象とした投資信託といっても、「高配当株」という共通点はあっても同じような銘柄や業種に投資しているとは限りません。そのため、自分が投資したい高配当株と方向性が合っているか確認することが必要ですが、あまり投資信託の投資対象を気にせずに「高配当株への投資」という点だけを確認して投資している人も少なくありません。
例えば、「S&P500配当貴族指数」はS&P500の構成銘柄の中から、
- 25年以上連続で増配していること
- 時価総額が30億米ドル以上であること
- 1日あたりの平均売買代金が500万米ドル以上
という条件を満たした71銘柄を対象に(2025年11月17日時点)に投資をしており、業種別配分では機械8.9%・化学8.6%・保険7.2%という順番になっています。
それに対して、楽天証券のNISA口座対象で買付上位10銘柄(2025年11月時点)に入っている「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド」では、投資信託を通じてシュワブ米国配当株式ETF(Schwab US Dividend Equity ETF、ティッカー:SCHD)を購入しており、ダウ・ジョーンズ配当100インデックスに連動する投資成果を目指した投資信託となっています。
高配当株は人気のある投資対象であり、さまざまな投資信託が提供されています。これはどの投資信託にも言えることですが、その名称だけで投資判断をしていては情報が不足しており、その投資対象や投資信託の投資目的などを理解した上で銘柄を決めることが必要です。
米国高配当株投信の注意点2:比較参照する株式指数との違いを確認する
高配当株は株式投資の一種ですが、投資対象を選別していることからS&P500などの代表的な株式インデックス指数とは違う動き方をしています。
例えば、米国株式全体でも圧倒的な時価総額から株価に大きな影響をもつマグニフィセント・セブン(アルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアを指す)の銘柄はほとんど配当を出していないため、高配当投信には組み入れられることはまずありません。
こうした理由から、S&P500とS&P500配当貴族指数では株価の動きには違いが生まれ、比較対象として投資銘柄の違いを理解しておかなければ投資判断で誤った結論を出してしまうかもしれません。
特に企業の自社株買いなども積極的な米国株へ投資する場合には、こうした違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
高配当株は非常に人気のある投資対象ですが、個別株式で投資しているケースが多く、まだ高配当株投信ではそれほど純資産総額が多い商品は少ないのが現状です。個別銘柄では投資対象をしっかり判別している人でも投資信託になると曖昧になっている方も少なくありません。
高配当株に限った話ではありませんが、何かと比較する場合はその値動きだけで判断しないようにしましょう。
米国高配当株投信の注意点3:株主還元の配当と自社株買いの違いを知ること
企業が事業活動によって得た利益を株主還元する方法には、「配当」と「自社株買い」があります。どちらが良いかは投資家の目的によって異なり、定期的な収入を得たいなら「高配当」の銘柄をおすすめしますし、株価上昇を期待するなら「自社株買い」を積極的に行う企業が適しているでしょう。
高い配当を安定して出している企業は、成長が比較的落ち着いているため業績も安定しており、株価の変動リスクが低いと見なされることがあります。ただし、株価の上昇については自社株買いの方が短期的には期待できるため、こうした理由から投資目的に合わせた選択が重要になります。
高配当株の優良銘柄といわれる企業は、利益を出し続けているからこそ株価も上昇しており、そのため配当金額を増やすことで、一定の配当率を維持し続けています。株価は配当を受け取る権利落後にはその分一時的には下落することが想定されます。
単純に株価の推移を比較した場合には、高配当銘柄よりも自社株買いが積極的な銘柄の方が株価チャートでは良い結果が出ているようにみえます。実際には投資結果として配当も含めて判断する必要がありますし、自分の投資目的はどちらを重視するのかによって銘柄選択をすることが求められます。
米国高配当株の魅力と注意点を理解して投資をしてみよう
米国株は世界の株式市場の中で最も大きな市場であり、影響も大きく、日本でも多くの人が積立投資に利用している投資先です。ただ高配当株への投資という点では、日本では米国株よりも日本株の高配当銘柄に投資している人の方が多いようです。
例えばNISA口座で投資されている個別銘柄を見ても、日本株で上位10銘柄の多くが配当の高い銘柄が多くなっていますが、米国株の上位10銘柄では配当よりも自社株買いや事業成長に利益を振り分けている銘柄が多くなっています。
配当のあるなしだけで投資判断はできませんが、自分の投資目的に合った投資先かを判断する際には重要な指標の一つといえるでしょう。
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