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東証、進む市場変更。「上場維持基準」未達企業はどうなったか

2026/4/27 11:00

 東証の市場変更が加速している。市場再編に伴い、上場維持基準が未達の企業に与えられていた「改善期間」が順次終了期限を迎えるため。基準を満たさない企業は、市場変更や上場廃止の選択を迫られることになる。各市場の現状をまとめた。

目次
  1. プライム市場:大半がスタンダードへ移行
  2. プライム市場の改善期間該当企業の大半がスタンダード市場へ移行
  3. グロース市場:スタンダードへの移行目立つ
  4. グロース市場もスタンダード市場への移行が大きく目立つ
  5. スタンダード市場:基準未達による上場廃止が多数
  6. 対象銘柄の株価は下落傾向
  7. 4月22日時点で67社が改善期間該当

 東証は2022年4月の市場再編に伴って、新たな上場基準を設定しました。基準未達の企業には猶予として「改善期間」が与えられましたが、2026年3月末から、決算期に応じてこの改善期間が順次終了しています。

 改善期間を過ぎても基準未達の場合は、監理銘柄、整理銘柄に指定され、上場廃止に至ります。

 ただし、一部特例があり、基準日以降の計画を開示している「超過計画開示会社」においては、超過計画終了日まで監理銘柄(確認中)に指定されます。実質的な猶予期間の引き延ばしではありますが、緩和基準を下回った場合は上場廃止となります。

 各市場で上場基準が設定されており、「流通株式時価総額」(プライム・スタンダード市場)、「流通株式比率」(主にプライム・スタンダード市場)、「時価総額」(グロース市場のみ)の基準で未達となる企業が多い傾向にあります。一部で「純資産の額」(=正であること)に抵触している企業もあります。

プライム市場:大半がスタンダードへ移行

プライム市場(2026年3月31日に改善期間が終了した企業)

コード 銘柄名 結果 備考
2374 セントケア・HD 上場廃止(3/13) 大株主によるMBO
2445 タカミヤ スタンダード市場移行  
3103 ユニチカ スタンダード市場移行  
3135 マーケット
エンタープライズ
スタンダード市場移行  
3484 イノベーションHD スタンダード市場移行  
3681 ブイキューブ 監理銘柄 4月末までに有価証券報告書の提出が
ない場合に上場廃止
3926 オープンドア スタンダード市場移行  
4845 スカラ スタンダード市場移行  
4880 セルソース スタンダード市場移行  
5707 東邦亜鉛 基準適合  
6035 アイ・アール
ジャパンHD
スタンダード市場移行  
6615 ユー・エム・シー・
エレクトロニクス
監理銘柄 スタンダード市場申請中
6699 ダイヤモンド
エレクトリックHD
スタンダード市場移行  
7743 シード スタンダード市場移行  
9229 サンウェルズ 監理銘柄 スタンダード市場予備申請
宣誓書違反による再審査
9409 テレビ朝日HD 基準適合
出所:日本取引所グループ各種資料(4/22公表時点)および各社公表資料(4/23時点)を基に藤根作成

プライム市場の改善期間該当企業の大半がスタンダード市場へ移行

 プライム市場における改善期間該当企業においてはほとんどがスタンダード市場への移行(あるいは監理銘柄としてスタンダード市場移行申請中)となりました。基準適合により残留したのは2社にとどまりました。

 スタンダード市場へ移行したほとんどの企業が「流通株式時価総額」において基準未達であったことが背景として挙げられます。セントケア・ホールディングスは、MBO(経営陣による買収)によって上場廃止となりました。

 プライム市場上場企業はスタンダード市場変更という逃げ道が確実に存在するようであり、上場廃止の懸念は財務面での問題を抱えていない限りは限定的と考えられます。

グロース市場:スタンダードへの移行目立つ

グロース市場(2026年3月31日に改善期間が終了した企業)

コード 銘柄名 結果 備考
2164 地域新聞社 スタンダード市場移行  
2342 トランスジェニックグループ スタンダード市場移行  
3138 富士山マガジンサービス スタンダード市場移行  
3185 夢展望 基準適合  
3622 ネットイヤーグループ スタンダード市場移行  
3646 駅探 スタンダード市場移行  
3803 イメージ情報開発 監理銘柄 超過計画開示会社
(期限:27/3/31)
3908 コラボス スタンダード市場移行  
3976 シャノン 基準適合  
4316 ビーマップ 上場廃止(10/1予定) 上場維持基準不適合
4833 Def consulting 基準適合  
6046 リンクバル スタンダード市場移行  
6173 アクアライン 監理銘柄 内部管理体制の審査
6181 タメニー 不明 第三者割当増資により債務超過は解消
9242 メディア総研 基準適合  
出所:日本取引所グループ各種資料(4/22公表時点)および各社公表資料(4/23時点)を基に藤根作成

グロース市場もスタンダード市場への移行が大きく目立つ

 グロース市場もまたスタンダード市場への移行が多く見られます。基準適合した企業は、時価総額増大(夢展望、Def Consulting、メディア総研)、純資産のプラス転化(シャノン)などが見られました。

 上場廃止が確定したのがビーマップ。監査法人から継続可能性の疑義が指摘されていました。同様に継続可能性の疑義を受けていたイメージ情報開発は超過計画開示会社として監理銘柄に指定されています。

 純資産の額が基準未達である企業や、監査法人から継続可能性の疑義が指摘されている企業については、引き続き動向を注視する必要があると考えます。

スタンダード市場:基準未達による上場廃止が多数

スタンダード市場(2026年3月31日に改善期間が終了した企業)

コード 銘柄名 結果 備考
2588 プレミアム
ウォーターHD
基準適合  
2673 夢みつけ隊 監理銘柄 超過計画開示会社
(期限:27/3/31)
2763 エフティグループ 上場廃止(7/30予定) 光通信による完全子会社化
2814 佐藤食品工業 基準適合(4/16) 大株主の株式流動化で基準適合できるもよう
3010 ポラリス・HD 基準適合(4/16) 超過計画開示会社
3175 エー・ピーHD 不明 純資産のマイナス解消により
基準適合できるもよう
3326 ランシステム 基準適合(4/16) 超過計画開示会社
3370 フジタ
コーポレーション
基準適合(4/23) 超過計画開示会社
3634 ソケッツ 基準適合(4/23) 株式流動化向上によって
基準適合できるもよう
3670 協立情報通信 監理銘柄 名証上場
3787 テクノマセマティカル 監理銘柄 不明
4288 アズジェント 基準適合(4/16) 基準適合可能との会社側判断
4679 田谷 基準適合  
4720 城南進学研究社 基準適合(4/23) 札証上場
6147 ヤマザキ 監理銘柄 札証・福証上場
6396 宇野澤組鐵工所 基準適合(4/16) 名証上場
6565 ABホテル 上場廃止(5/1予定) 名証上場  上場廃止申請
7042 アクセスグループ・
HD
基準適合  
7116 ダイワ通信 上場廃止(3/25) 支配株主などによる買収(株式併合)
7229 ユタカ技研 公開買付(上場廃止予定) マザーサン グローバル インベストメンツ ビーブイによる公開買付
7255 桜井製作所 上場廃止(10/1予定) 上場維持基準不適合
7426 山大 上場廃止(10/1予定) 上場維持基準不適合
7602 レダックス 基準適合(4/16)  
7709 クボテック 上場廃止(10/1予定) 上場維持基準不適合
7719 東京衡機 基準適合  
7851 カワセコンピュータ
サプライ
監理銘柄 福証上場
7886 ヤマト モビリティ
& Mfg.
監理銘柄 超過計画開示会社
(期限:27/3/31)
7946 光陽社 上場廃止(10/1予定) 名証上場 上場維持基準不適合
7985 ネポン 上場廃止(10/1予定) 福証上場 上場維持基準不適合
8105 Bitcoin Japan 基準適合(4/16) 大株主の売却による流通株式比率向上と
株価上昇により基準達成見込みとの認識
8209 フレンドリー 上場廃止(4/27予定) 4/27廃止:株式併合・端株買取
8995 誠建設工業 基準適合  
9073 京極運輸商事 基準適合(4/16) 名証上場
9914 植松商会 監理銘柄 名証上場
出所:日本取引所グループ各種資料(4/22公表時点)および各社公表資料(4/23時点)を基に藤根作成

 スタンダード市場は、プライム市場やグロース市場よりも上場基準が緩いため、基準未達の場合の逃げ場が限られています。

 改善期間対象銘柄のうち、23日時点で基準適合となった企業は16社。株式公開買付(TOB)や株式併合によるものを含めて、上場廃止(予定を含む)を決定したのが10社。監理銘柄(上場廃止予定除く)と不明が8社です。監理銘柄と不明企業に関してはしかるべきタイミングで行方が決まるものと考えます。

 上場廃止企業の内、企業自らの申請を含め上場維持基準不適合を理由とした上場廃止が6社です。この6社の内、3社は地方の証券取引所に上場しており、東証は上場廃止になっても他市場で上場を維持できます。こうした会社を含めた場合には、スタンダード市場の改善期間対象会社はかなりの割合で上場廃止となる可能性があるといえるでしょう。

 その場合でも、純資産の額がプラスであることやある程度の利益水準が求められます。監査意見において継続性の疑義が指摘されている企業は他市場への上場も困難であると考えられるだけに、監査報告書には目を通すことをお勧めします。

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