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セクターレポート:2026年1-3月期決算の注目ポイント(生成AI向け設備投資と株主還元のバランスをどう考えるか)

2026/4/13 17:25

 2026年1-3月期、2-4月期決算発表が4月13日の週から始まる。今回の大きなテーマは、生成AI向け設備投資と株主還元になろう。GAFAM5社の業績と設備投資、株主還元に注目したい。生成AI向け設備投資の動きはAI半導体、CPUと半導体製造装置に直結する。また、アンソロピックの「クロード」のソフト開発、生成AI開発への影響に注目したい。

目次
  1. 1.2026年1-3月期、2-4月期決算の決算発表スケジュール
  2. 2.GAFAM5社の決算の注目ポイント、生成AI向け設備投資と株主還元のバランスはどうなる?
  3. 3.クロードの影響は?
  4. 4.生成AI向け設備投資が活況である限りAI半導体市場は好調だろうが、低価格化の動きは続こう。一方で2ナノとCPUに注目したい。
  5. 5.半導体製造装置も大手ITの設備投資が重要。
  6. 6.エンタテインメント企業は、海外の大型買収を念頭において注目したい。

毎週月曜日午後掲載

本レポートに掲載した銘柄:アップル(AAPL、NASDAQ)マイクロソフト(MSFT、NASDAQ)アマゾン・ドット・コム(AMZN、NASADQ)、アルファベット(GOOGLGOOG、NASDAQ)、メタ・プラットフォームズ(META、NASDAQ)エヌビディア(NVDA、NASDAQ)ブロードコム(AVGO、NASDAQ)インテル(INTC、NASDAQ)アドバンテスト(6857、東証プライム)ディスコ(6146、東証プライム)東京エレクトロン(8035、東証プライム)レーザーテック(6920、東証プライム)ASMLホールディング(ASML、アムステルダム、NASDAQ)

1.2026年1-3月期、2-4月期決算の決算発表スケジュール

 2026年4月13日の週のASMLホールディング、TSMCの2026年1-3月期決算発表を皮切りに、2026年1-3月期、2-4月期決算発表が始まります。

 今回は、2026年1-3月期、2-4月期決算の注目ポイントを米国、日本のハイテクセクター中心に見ていきます。

 まず、現在分かっている限りの決算発表スケジュールは以下の通りです。

表1 2026年1-3月期、2026年2-4月期決算発表スケジュール

表1 2026年1-3月期、2026年2-4月期決算発表スケジュール
出所:各種資料より楽天証券作成 注:表中の予定は予告なく変更されることがある。

2.GAFAM5社の決算の注目ポイント、生成AI向け設備投資と株主還元のバランスはどうなる?

 生成AIブームが続いていますが、この実態を把握するには、まずGAFAM5社のうち、クラウドサービス大手3社、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アルファベットのクラウドサービス事業の動向と設備投資、メタ・プラットフォームズの業績と設備投資を確認する必要があります。

 クラウドサービス大手3社の設備投資の多くは生成AI向けとなっており、オープンAI、アンソロピックなどの生成AI開発会社向けのAI半導体その他の計算用ハードウェア、ソフトウェアが大きな割合を占めていると思われます。2025年10-12月期決算発表時に各社が示した2026年の設備投資予想によれば、2026年も50~60%増と大幅に増えることになりますが、四半期ベースでの伸び方と各社の2026年予想に変更がないか、確認したいと思います。

 グラフ1~5は、各社の営業キャッシュフロー、設備投資、全社営業利益(またはクラウドサービス営業利益、クラウドサービス以外の営業利益)を比較したものです。

 マイクロソフトは巨額の設備投資を続けていますが、設備投資の主なターゲットであるインテリジェントクラウドの営業利益は大きく増えていません。減価償却費と人件費が増えているためと思われますが、いつ儲かるようになるのか、いつ株主還元があるのか、今回の決算の焦点です。しかし、もう一つの焦点はインテリジェントクラウド以外の事業です。アンソロピックの「クロード」の影響はないのか、会社側の説明を聞く必要があります。

 メタ、アマゾンは営業キャッシュフローの伸びに見合った設備投資を行っていますが、これがいつまで続くのか。一方でアルファベットは大きな設備投資を始めていますが、営業キャッシュフローの規模が大きいので、まだ余裕があると言えます。ただし、今後設備投資が急増すれば、他社と同じ問題、株主還元が減少した状態がアルファベットも長く続くのか、という問題がでてくると思われます。

 また、これら4社にアップルを加えたGAFAM5社と生成AIブームの中核企業であるエヌビディアの株主還元、特に自社株買いの実績を見たものがグラフ6です。各社の営業キャッシュフローと設備投資の差額が自社株買い中心に株主還元の余裕枠になります。これまでのように、アップルを除いて営業キャッシュフローの多くが設備投資に回ってしまうと、株主還元は少なくなります。2025年10-12月期まではアップルを除いて株主還元が縮小しました。

 これは業績とともに株主、投資家から見た各社の投資価値にもかかわる問題です。グラフ7~12はGAFAM5社とエヌビディアのチャートですが、グラフ6とを比較すると、GAFAM5社とエヌビディアの株主の全てが満足しているわけではないと思われます。特に最近2年間のマイクロソフト、メタの株価は振るいませんでした。エヌビディアも過去1年間の株価は概ね横ばいでした。株価のパフォーマンスと株主還元の関係も2026年1-3月期決算の大きな焦点になると思われます。

注目決算の発表日
マイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ:2026年4月29日(水)
アマゾン・ドット・コム、アップル:2026年4月30日(木)

グラフ1 マイクロソフトの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益

グラフ1 マイクロソフトの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益
単位:100万ドル、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ2 アマゾン・ドット・コムの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益

グラフ2 アマゾン・ドット・コムの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益
単位:100万ドル、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ3 アルファベットの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益

グラフ3 アルファベットの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益
単位:100万ドル、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ4 メタ・プラットフォームズの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益

グラフ4 メタ・プラットフォームズの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益
単位:100万ドル、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ5 アップルの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益

グラフ5 アップルの営業キャッシュフロー、設備投資、営業利益
単位:100万ドル、四半期ベース、出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ6 GAFAM5社とエヌビディアの株主還元

グラフ6 GAFAM5社とエヌビディアの株主還元
単位:100万ドル、四半期、各社資料より楽天証券作成。注:アマゾンは2022年7-9月期以降自社株買いはない。エヌビディアは2025年10-12月期を2025年11月-2026年1月期と言い換える。以下同様

グラフ7 マイクロソフトのチャート

グラフ7 マイクロソフトのチャート
出所:楽天証券ホームページ

グラフ8 アマゾン・ドット・コムのチャート

グラフ8 アマゾン・ドット・コムのチャート
出所:楽天証券ホームページ

グラフ9 アルファベットのチャート

グラフ9 アルファベットのチャート
出所:楽天証券ホームページ

グラフ10 メタ・プラットフォームズのチャート

グラフ10 メタ・プラットフォームズのチャート
出所:楽天証券ホームページ

グラフ11 アップルのチャート

グラフ11 アップルのチャート
出所:楽天証券ホームページ

グラフ12 エヌビディアのチャート

グラフ12 エヌビディアのチャート
出所:楽天証券ホームページ

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