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売らなきゃ払えない!遺産相続時に気を付けたい注意点

NEW 2026/4/4 11:00

 特に都心部に住んでいる方はひとごとはなくなっている「相続税」。納税資金を捻出するために相続財産を売却することもよくありますが、思わぬ注意点もあるのです。

目次
  1. 相続税を支払うために相続財産を売却するのはよくある話
  2. 「相続税」と「所得税」は別物
  3. 所得税・住民税を考慮して売却額を決めないと後々資金が不足する
  4. 国民健康保険料や介護保険料のアップにも注意

相続税を支払うために相続財産を売却するのはよくある話

 特に都心部にお住まいの方にとっては決してひとごととは言えなくなっている「相続税」。相続税の納税資金は原則として現預金で納付する必要がありますが、納付する現預金が不足することも珍しくありません。

 納税資金を捻出するために、相続財産として取得した株式、不動産、金(ゴールド)などを売却するというケースもよくあります。

 ただ、ここで気をつけないといけないのが、相続財産として取得した株式などを売却すると、「所得税・住民税」が生じる可能性があるという点です。

「相続税」と「所得税」は別物

 筆者も税理士として相続税申告や生前の相続対策のコンサルティングなどを数多く手掛けていますが、お客さまから本当によく言われるのが

「相続税はしっかり払ったのに、相続財産を売却するとまた税金がかかるのですか?」というクレーム(?)です。

 そもそも相続税と所得税はまったくの別物で、相続税は財産の引き継ぎに対してかかる税金、所得税は実現した利益に対してかかる税金のため、これらが両方かかること自体はおかしくありません。

 そうは言っても相続税を払っているのに所得税もかかるの? というのは二重課税のように感じるのは仕方ありません。でも、これを不服として裁判しても勝てませんので、こういうものだ、と割り切るしかありません。

所得税・住民税を考慮して売却額を決めないと後々資金が不足する

 例えばこんなケースで考えてみましょう。

 相続税の納付に1,000万円の現金が必要だが手元にないので相続で取得した上場株式のうち1,000万円分を売却することにしました。

 この1,000万円の上場株式の、被相続人の取得価額は200万円です。

 もしこれを源泉徴収ありの特定口座で売却すると(売却手数料など諸費用は無視します。以下同じ)、1,000万円-200万円×所得・住民税率20.315%=162万5,200円が天引きされ、入金されるのは837万4,800円です。

 1,000万円が必要なので1,000万円分を売却したところ、約837万円しか手元に残らないという結果になってしまうのです。

 源泉徴収なしの特定口座、もしくは一般口座で売却した場合は、売却時にはいったん1,000万円が手元に入りますので、それで相続税の納税はできますが、所得税の確定申告時(住民税は確定申告後の納税通知書に基づき)に税額の約163万円が必要となります。

国民健康保険料や介護保険料のアップにも注意

 上記は上場株式や投資信託の場合ですが、不動産や金(ゴールド)の売却の場合も同様のことが起こりますし、上場株式などの売却と税率が異なりますので注意してください。

 また、上場株式などを源泉徴収ありの特定口座で売却した場合であっても、相続税の取得費加算という制度を用いることで所得税・住民税を軽減することが可能です。この場合は確定申告が必要です。

 ただ、不動産や金の売却については原則全てのケース、上場株式などの売却については一般口座および源泉徴収なしの特定口座、そして源泉徴収ありの特定口座かつ確定申告をした場合は、国民健康保険料や介護保険料のアップにも注意が必要です。

 国民健康保険料の第1号被保険者の場合、相続財産の売却により所得が発生すると、所得税や住民税のほか、国民健康保険料や介護保険料がアップして負担額が例年より増えてしまいます。

 これも相続財産を売却して相続税の納税資金を捻出する場合の、資金不足につながる要素となります。

 税金や国民健康保険料などアップの影響を考慮した上で、相続税の納税資金を捻出する際にいくら売却すればよいのかをしっかりと把握しておくことをお勧めします。

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