日経平均株価の変動が大きいと、「史上最大級の下げ幅」といった数字に一喜一憂しがちです。日経平均が上がった今、同じ「下げ幅」でも「下げ率」は大きく異なります。かつて暴落レベルだった下げ幅も、今はそこまでではないです。数字のインパクトに惑わされず、冷静に「下げ率」も見ることが大切です。
「史上最大級の下げ幅!」は案外たいしたことない?
ここしばらく、株価の上下動が著しい日々となっています。特に下落局面では、投資初心者にとって心理的にしんどい時期となっています。
ニュースを見れば「史上最大級の下げ幅で始まる」「史上○位の下げ幅で終わった」といった見出しが流れていて、驚かされます。
特に「1,500円の下げから始まる」「下げ幅1,800円を超える」のように、具体的な数字で示されると、まるでとんでもない値下がりが起きているように見えます。
しかし、こうした相場の上下動は、よくあることの一つです。上昇局面しか経験していなかった投資初心者は慣れるしかありません。
2025年から2026年にかけては、特に「最大級の下げ幅」の意味が変わってきているのです。
日経平均2万円時代の「下げ幅2,000円」と5万円時代の「下げ幅5,000円」は同じ?
「下げ幅」とは、株価が下がった数字を表しています。日経平均株価の騰落でよく使われ、「日経平均が2,000円も下がった!」といった見出しを目にすることが多いでしょう。
その他に、もう一つ「下げ率」があります。これは文字通り、株価の下落を割合で表記したもので「日経平均株価が5%下がった」のような感じです。しかし、こちらはあまり見出しになることはありません。
というのも、「下げ幅」の方がインパクトが大きいからです。例えば、日経平均株価が5万2,000円台だったときに「2,800円の下落」と大見出しになれば驚きがあります。これは2026年3月9日の下落幅で、過去史上3位の大きさです(執筆時点)。
ところが、これを「下落率」で見ると、実は20位にも入りません。過去3位のはずがなぜ3位にならないかというと、基準値が異なるからです。
例えば、日経平均が2万円だった時代に「下げ幅2,000円」は「下げ率10%」で、とんでもない急落があった日となります。
しかし、日経平均が5万円の時代に「下げ幅2,000円」は「下げ率4%」でしかありません。同じ「下げ幅」でも、基準となる株価が異なれば、「下げ率」は大きく変わるのです。
かつては1,000円の下げは大騒ぎだったかもしれませんが、もはや「1,000円の下げ」はそれほど大騒ぎするニュースではないのです。「率」でみればインパクトが何分の1にも縮まってしまったからです。
下げ幅だけでなく「下げ率」を合わせて見るようにしよう
理屈としては難しい話ではありません。しかし、つい最近まで日経平均株価4万円、5万円といった世界を知らなかった私たちにとって、「1,000円下げ」「2,000円下げ」という見出しを見ると、強いインパクトを受けます。
コツとしては「下げ幅○円!」と書いた見出しを見かけたら、「割合(%)だとどれくらいだろうか」と考えてみましょう。「昨日が日経平均5万5,000円として、5%なら2,750円くらいか」のような概算を頭の中でできるようになるといい感じです。
少なくとも「1,000円下げはもう、普通にあること」くらいに思っておくだけでも、気持ちがグッと楽になると思います。
不安定な状況だが、オーバーな表現にご注意を
確かに現在の株価や為替は不安定で神経質な展開となっています。石油供給の不安定さ、国際紛争に伴う地政学的リスクの高まりなどが要因として挙げられます。
日経平均株価も、2月の最高値から14%も下げて3月末を迎えるなど、下落基調の雰囲気も出始めています。
しかしながら、日経平均株価は、2025年3月末と比べると43%上昇となっています。直近10%以上下げてもなお、昨年度と比べて4割以上の上昇という状況です。
投資を続けていく場合には、「下げ幅だけでなく率」で考えてみたり、「直近だけでなく少し長いスパンで捉える」ことが大切です。
不安定な時期だからこそ、相対的な視点、長期的な視点をもって、慌てずにいきたいものです。
日経平均5万円時代に「2,000円安」はたいしたことない?下げ「幅」より「率」を見よう
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