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NEC、富士通、NRI…「SaaSの死」で売られる優良銘柄、実は買い時?(窪田真之)

2026/4/4 8:00

「SaaSの死」という言葉が独り歩きし、好業績にもかかわらず売られるソフトウエア関連株が増えています。好業績のシステムインテグレーターやAIエージェント株にも、そのあおりを受けて売られるものが出ています。業績好調が続くと判断できる銘柄について、選別投資しても良いと思います。

目次
  1. 「SaaSの死」とは?好業績のソフトウエア株が売られた理由
  2. AIを使って高度化するSaaSはさらに発展する
  3. 「SaaSの死」で売られるシステムインテグレーター銘柄
  4. AIエージェントで伸びる企業まで売られる
  5. 参考銘柄

「SaaSの死」とは?好業績のソフトウエア株が売られた理由

 最近「ビジネス用の人工知能(AI)が高度化すると、既存のソフトウエアは不要になる」という極端な考えが広まり、米国・日本を含め世界中でソフトウエア株が一斉に売られました。これが、「SaaSの死」といわれる現象です。

 きっかけとなったのは、米国のAI開発企業アンソロピック社がリリースしたビジネスAIツール「クロード・コワーク(Claude Desktop上で動作するタスク実行型AIエージェント機能)」です。これまで人間やSaaSがやってきた業務の多くを、将来AIが自律的にこなしていくという期待が高まりました。 

【注】SaaS(サース)とは
 Software as a Service(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の頭文字を取った造語。クラウド経由で提供されるソフトウエアのこと。
 ソフトウエアには、端末にインストールして使うソフトウエア(組み込みソフトウエア)と、インターネットを通じて利用するソフトウエア(SaaS)があります。組み込みソフトウエアは、利用する端末ひとつひとつにインストールする必要がある上に、バージョンアップがある度に再インストールが必要で手間がかかります。
 一方、SaaSは、インターネットに接続するだけで簡単に使えて、常に最新バージョンにアップデートされている便利さがあります。そうした背景から、近年は、組み込みソフトウエアの利用が減り、SaaSを利用する企業がどんどん増えていました。

 SaaSを提供する企業は、業績が好調で昨年の前半くらいまでは成長株として株式市場で軒並み大きく値を上げていました。ところが、「SaaSの死」という衝撃的な言葉が広まると、一斉に株価が下落するようになりました。

 私は、「SaaSの死」というキャッチコピーがあまりに見事だったために、株式市場は過剰反応していると思います。実際、SaaSの死で売られたソフトウエア株には、今も業績が好調で、最高益を更新中の銘柄が多数あります。

AIを使って高度化するSaaSはさらに発展する

 多くの人が分かっていることは、「既存のソフトウエアが今すぐ不要になるわけではない」ことです。AIがいくら高度化しても、個別のビジネスにそのまま使えるわけではありません。個別のビジネスの「ドメイン知識(専門知識)」をしっかり学習させ、そのビジネスに合わせて「カスタマイズ(特注仕様)」しないと、使いものになりません。

 今後、ビジネスの現場で、AIにドメイン知識をしっかり学習させてカスタマイズして「AIエージェント」として独り立ちさせる作業が、どんどん進められるでしょう。ただし、それで既存のSaaSが死んでいくことにはならないと思います。以下二つの理由によります。

【1】既存のビジネス用SaaSはドメイン知識に詳しく個別ビジネスにカスタマイズされている

 既存のビジネス用SaaSは、ドメイン知識を学習し、カスタマイズすることで、個別のビジネスに役立つように進化してきました。個々のビジネスをよく知っているという点において汎用AIに対して優位です。

 個別ビジネスにカスタマイズされていないパッケージソフトは不要になっていく可能性もありますが、個別ビジネスにカスタマイズされたソフトウエアがすぐに淘汰(とうた)される可能性は低いと思います。

【2】既存のSaaSもAIを採り入れてAI-SaaSとして進化していく

 既存のSaaSがAIを採り入れない旧来のソフトウエアのままであれば、いずれAIに淘汰されると思います。ただし、既存のSaaSも当然ながら、AIを採り入れて進化していくことになります。AIを採り入れて高度化したSaaSを、AI-SaaSと呼ぶことがあります。そうして高度化していくSaaSは、継続して発展していくことになります。 

 そもそもAIも広義のソフトウエアです。クラウド経由で使われるAIも、広義のSaaSであるとも言えます。つまり、「AIによってSaaSが死ぬ」という考えにはそもそも矛盾があるわけです。正しく言い換えるならば、「AIを採り入れないSaaSは淘汰されるが、AIを採り入れて高度化するSaaSはさらに発展する」だと思います。

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