先週の日本株はバークシャー・ハサウェイと東京海上HDの資本提携や3月期末の配当権利取りの動きもあり、原油高騰にもかかわらずTOPIXは小幅上昇。今週は、イスラエルのイラン重水炉への攻撃など戦争激化で急落する可能性も高そうです。開戦後の米国3月雇用統計など重要経済指標が悪化すると底割れの恐れもあります。
今週のトピック:消費者信頼感指数や雇用統計など米国の重要経済指標の発表が多数
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 3月27日(金) | ・イスラエルがイランの原子力施設や発電所を攻撃。イランはホルムズ海峡の閉鎖を宣言。米軍、地上戦部隊が現地到着 |
| 3月30日(月) | ・3月配当・優待権利落ち日 ・米国でパウエルFRB議長が民間討論会 |
| 3月31日(火) | ・3月東京都区部CPI ・米国でバーFRB理事、ボウマンFRB副議長が発言 ・米国の3月消費者信頼感指数 |
| 4月1日 (水) |
・2026年1-3月日銀短観 ・米国で3月ADP民間雇用統計、2月小売売上高、3月ISM製造業景況指数 |
| 4月3日 (金) |
・米国市場が聖金曜日の祝日で休場 ・米国で3月雇用統計、3月ISM非製造業景況指数 |
・週末もイスラエルがイランの核施設、製鉄所、発電所を攻撃、イランも中東諸国の工業施設を攻撃。革命防衛隊はホルムズ海峡閉鎖を宣言。イエメンの親イラン武装組織・フーシ派参戦。戦争激化で株価底割れの危機?
・トランプ大統領の早期停戦をにおわす発言に市場はもう反応しない? 戦争反対派といわれるバンス副大統領が停戦の交渉役を主導すれば状況改善の可能性も
・米国で3月雇用統計など重要経済指標が相次いで発表。イラン戦争、ガソリン価格高騰で指標悪化ならスタグフレーション懸念で米国株へのさらなる打撃に?
・30日(月)のパウエル議長など米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言相次ぐ。原油価格高騰で利上げへの政策転換が鮮明になるかどうかに注目
3月30日(月)の日経平均
前営業日比1,318円安の大幅下落で始まった日経平均株価はさらに下げ幅を拡大、一時は前営業日比2,806円安となる5万0,566円まで下落し年初来安値を更新しました。後場になり下げ幅は縮小し前営業日比1.700円安で推移、押し目買いの動きも見られます(3月30日14時現在)。
今週のマーケット:フーシ派参戦で原油価格さらに高騰!?反戦派バンス副大統領が停戦交渉主導なら事態は好転?
今週の株式市場は週末に中東戦争がさらに激化しているため、世界的に底割れが懸念される状況です。
先週は米国が15項目の停戦案、イランが戦闘終結5条件を互いに出したと報じられる中、ホルムズ海峡の開放を要求する米国トランプ大統領がイランの発電所攻撃を来週4月6日(月)まで延期すると発表して、株式市場は一時的に反発しました。
しかし、トランプ大統領の攻撃延期発言に反して、27日(金)にはイスラエルがイランのウラン濃縮に使う重水炉など核施設、製鉄所、発電所を攻撃。
今週はトランプ大統領が早期停戦につながる発言をしても、実際に戦闘が沈静化しない限り、市場が反応しない可能性が高そうです。
週末には地上戦向けと思われる米国の海兵隊約3,500人が強襲揚陸艦で現地に到着。
トランプ大統領の口先介入が、イランの原油積み出し基地・カーグ島などに対して地上戦を開始するための単なる時間稼ぎに過ぎない場合、今週、株価がさらに続落してもおかしくないでしょう。
同じく週末にはイスラエルの攻撃に対抗して、イラン革命防衛隊が原油輸送の要衝・ホルムズ海峡を閉鎖したと表明。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派がイスラエルにミサイルを発射して参戦しました。
フーシ派の参戦は、ホルムズ海峡の迂回(うかい)路となる紅海経由の原油輸送の障害になることから、今週は世界的なエネルギー危機にさらに拍車がかかりそうです。
戦闘激化で悪材料ばかりの中、先週27日(金)、米国のルビオ国務長官は「イランに地上部隊を派遣することなく」目標達成できると発言。
イラン側は停戦の交渉役に、開戦当初からイランとの戦争に否定的だったといわれるバンス副大統領の関与を要求したと報じられています。
同氏がウィトコフ米中東担当特使などを飛び越えて交渉役の先頭に立つようなら、株式市場が反発するかもしれません。
2月28日(土)のイラン攻撃開始以降、トランプ大統領は戦況悪化で金曜日に株価が急落すると、翌週月曜日朝までに早期停戦に期待を持たせるような発言を連発しています。
3月に入ってからのS&P500種指数は
2日(月):0.04%高
9日(月):0.83%高
16日(月):1.01%高
23日(月)には1.15%高と前週金曜日の急落を取り戻すように反転上昇。
しかし、あまりにも二転三転するトランプ大統領の発言の神通力は低下しています。
開戦後の米国3月景況感指数・雇用統計に注目集まる!日本政府が原油先物市場介入なら株価上昇?
今週は米国でイランとの開戦後の雇用・経済状況が分かる重要指標の発表も相次ぎます。
31日(火)には民間調査会社コンファレンス・ボードの3月消費者信頼感指数、4月1日(水)には全米供給管理協会(ISM)の3月製造業景況指数、3日(金)にはISMの3月非製造業景況指数など、消費者や企業の購買担当者の景況感が分かる指標が発表。
米国では3月に入ってガソリンの平均価格が前月比で30%以上も急騰しており、消費者心理悪化の節目となる1ガロン4ドル到達が目前です。
イランとの開戦やガソリン価格の急上昇で、米国の景況感指数が大幅に悪化しているようなら、物価高と景気後退が同時進行するスタグフレーション懸念がますます広がり、米国株にとって新たな打撃になるでしょう。
米国市場が祝日で休場の4月3日(金)には3月雇用統計も発表されます。
前回、2月の非農業部門新規雇用者数は予想に反して前月比9.2万人の大幅な減少でした。
今回3月の予想は5.5万人の増加ですが、2月以上に雇用情勢が悪化するようだと米国株にとってネガティブです。
今週は米国FRB高官の発言も相次ぎます。
30日(月)夜にはハーバード大学の討論会にパウエルFRB議長が出席。
31日(火)には金融緩和に中立的な立場とされるバーFRB理事、タカ派からハト派に転じたボウマン副議長が民間フォーラムで発言。
今後、景気後退や雇用悪化が進むことを考えると利上げは逆効果といったハト派発言が出ると、金利の上昇が株価の足を引っ張っている米国株の救いになるかもしれません。
一方、日本株は週明け30日(月)が3月決算企業の配当権利落ち日のため、理論上、配当の権利相当分、株価が下落することになります。
今回はイラン情勢悪化のため、権利落ち以上の急落になる可能性も高く、株価が割安だと見た投資家が底値でどれだけ買いを入れてくるかが2026年度の新年度相場の行方を占いそうです。
先週の日経平均株価(225種)は配当権利取りの買いもあって、前週末終値とまったく変わらない5万3,373円で終了。米国S&P500の2.12%安と比べて底堅く推移しました。
東証株価指数(TOPIX)は1.12%高と上昇しており、今週は権利落ちした配当分の再投資や新年度入りにともなう新規の資金流入が株価の下支え役になりそうです。
先週27日(金)にはイスラエルのイラン核施設攻撃による有事のドル買いが進み、為替市場では1ドル160円20銭まで円安が進行したことも日本株にとって追い風です。
ただ、27日(金)、片山さつき財務相は原油価格上昇にともなう投機的な動きに対しては「断固とした措置」をとると発言。
為替介入だけでなく、原油先物市場への介入も検討されています。
もし日本政府が原油先物市場に直接介入して原油価格引き下げに動くようなら、多少円高に振れても日本株にとって朗報かもしれません。
今週のマーケット:日経平均は一時、年初来安値を更新!開戦後の米国3月景況感指数と雇用統計に注目
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