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東証、上場基準未達企業の「改善期間」が31日終了

2026/3/27 16:00

 東証再編で導入された新たな上場維持基準を巡り、基準を満たさない企業のための「改善期間」が間もなく終了します。市場変更や上場廃止の選択も迫られる中、新基準は企業にどのような変化をもたらしているのか。各市場の現状を整理します。

目次
  1. 東証再編、「上場維持基準」を満たせないとどうなる?
  2. 上場維持基準、「流通株式時価総額」「時価総額」「流通株式比率」が高いハードルに
  3. プライム市場:スタンダードへの移行を「検討」「視野」が過半
  4. スタンダード市場:行き場がなくなる企業も出そう
  5. グロース市場:赤字、自己資本比率が低い企業は要注意
  6. 上場維持できるのか?チェックポイントは

東証再編、「上場維持基準」を満たせないとどうなる?

 東京証券取引所は2022年の市場再編で、各市場に新たな上場維持基準を設定しました。基準を満たせない企業に対して経過処置として緩和基準を許容していましたが、2025年3月1日以降に最初に迎える基準日から、本来の上場維持基準が適用されました。

 基準に達しない場合は、2025年3月から1年間の改善期間が設けられていましたが、間もなく改善期間が終了します。改善期間内に基準に適合しない場合は、監理銘柄に指定されます。

 3月期決算企業の場合は、2026年3月31日に監理銘柄に移行し、基準への適合確認が行われます。適合が認められれば、監理銘柄の指定解除となりますが、満たせない場合は整理銘柄に指定され、改善期間終了から6カ月後に上場廃止となります(3月期決算企業の場合は2026年10月1日に上場廃止)。

 ただし、一部特例があり、2026年3月1日以降に迎える基準日以降の計画を開示している会社「超過計画開示会社」においては、超過計画終了日まで監理銘柄(確認中)に指定されます。緩和基準を下回った場合は上場廃止となります。

 2026年2月12日時点で、この「改善期間」に該当する銘柄が109社あります。内訳は、プライム市場28社、スタンダード市場52社、グロース市場29社。市場別にみると、不適合となる基準の分布や改善計画の方向性、上場廃止の可能性が異なります。

上場維持基準、「流通株式時価総額」「時価総額」「流通株式比率」が高いハードルに

 まず、東証の上場維持基準を確認しておきます。

東京証券取引所 上場維持基準

  これら基準のうち、株主数、流通株式数、株式売買金額、株式売買高で不適合となった企業は0~1社と少なく、流通株式時価総額(プライム、スタンダード)、時価総額(グロース)、流通株式比率で不適合となった企業は数多く見受けられます。

 プライム市場とスタンダード市場には時価総額基準はありませんが、それに代わるものとして流通株式時価総額があります(流通株式時価総額は、株価×流通株式数によって求められます)。こちらが不適合となる企業が多いようです。

 グロース市場においては、上場後10年経過した企業においては時価総額40億円が求められますが(2030年以降は上場5年経過後100億円)、これがハードルになっているようです。

プライム市場:スタンダードへの移行を「検討」「視野」が過半

 以下で紹介するデータは、2月13日時点に取得できるデータに基づくものですが、十分な情報を確保できなかったケースもあります。また、上場廃止リスクがあると思われるものに関しては「赤字」で表記しましたが、上場廃止の可能性を判断するものではありません。

 まずはプライム市場です。黄色でマーキングしたものは2026年3月31日までに改善期間が終了して基準日が訪れる企業です。だいだい色は6月30日までに基準日が訪れる企業です。

 備考欄に改善期間の基準日における流通株式時価総額(東証判定)、会社の改善計画、市場変更・他市場への上場(上場済み、審査申請、方針、意向・検討)などを記入しました。「※上場維持基準への適合に向けた計画」と書かれたものが、「超過計画開示会社」であり、()内に超過計画基準日を示しています。

 流通株式時価総額で抵触する企業が、28社中23社です。流通株式時価総額100億円のハードルは厳しいようです。また、5社(流通株式時価総額との重複を含む)が流通株式比率に抵触していますが、プライベート・エクイティ・ファンドなどによる事業再生過程である2社(※)を除けば、大株主など特定株主からの株式売却が見込みにくい会社があるようです。

 基準適合に向けた取り組みとしては、企業価値向上・業績回復はもちろんですが、IR活動の積極化が目立ちます。また、株主還元の強化として、株主優待制度の新設・拡充を図る傾向も見て取れます。

 それ以上に目を引くのが、スタンダード市場への移行です。既に移行を表明している企業だけでなく、検討・視野まで含めると14社に及びます。プライム市場に関しては、プライム上場を維持できなくなったとしてもスタンダード市場への移行という選択があるようです。

(※)東京証券取引所 有価証券上場規程施行規則第501条第7項第2号ただし書:審査において、一時的な要因や特定の事情がある場合に、機械的な基準適用を緩和・除外する経過措置や特例要件を定めた規定。

プライム市場 改善期間該当銘柄一覧(2026年2月12日東証公表)

コード 銘柄名
(コード)
流通株式
比率
流通株式
時価総額
備考
2374 セントケア・HD   2026/3/31 大株主等によるMBO
2410 キャリアデザインセンター   2026/9/30 流通株式時価総額76.4億円(25/9/30)
株価上昇を目標(3000円)
2445 タカミヤ   2026/3/31 スタンダード移行予定
3103 ユニチカ   2026/3/31 未詳
3135 マーケットエンタープライズ   2026/6/30 スタンダード移行予定
3484 イノベーションHD   2026/3/31* スタンダード移行予定
3681 ブイキューブ     決算発表延期(2/10時点)
3926 オープンドア   2026/3/31 流通株式時価総額80億円(25/3/31)
他市場への移行も検討
4446 Link-Uグループ   2026/7/31 流通株式時価総額19.2億円(25/7/31)
スタンダード市場への移行も検討
4845 スカラ   2026/6/30 流通株式時価総額61億円(25/6/30)
スタンダード市場への移行も検討
4880 セルソース   2026/10/31 スタンダード移行予定
5707 東邦亜鉛   2026/3/31 流通株式時価総額80億円(25/9/30)
あらゆる施策を検討中
6035 アイ・アールジャパンHD   2026/3/31 流通株式時価総額62.9億円(25/9/30)
スタンダード市場への移行も視野
6047 Gunosy   2026/5/31 流通株式時価総額84.8億円(24/12/31)
事業再編による収益強化・株主還元強化
6533 ORCHESTRA HD   2026/12/31 流通株式時価総額32.8億円(25/5/31)
業績改善・株主還元強化・優待新設
6615 ユー・エム・シー・エレクトロニクス   2026/3/31 スタンダード移行予定
6699 ダイヤモンドエレクトリックHD   2026/3/31 流通株式時価総額40.5億円(25/3/31)
ROE向上・資本コスト低減・株主還元、スタンダード移行も視野
6740 ジャパンディスプレイ 2028/3/31   流通株式比率に係る特例を適用
7034 プロレド・パートナーズ   2026/10/31* 流通株式時価総額28.5億円(25/10/31)
※上場維持基準への適合に向けた計画」(2030/10/31)
7038 フロンティア・マネジメント   2026/12/31 流通株式時価総額46億円(25/12/31)
スタンダード市場への移行準備
7071 アンビスHD 2026/9/30   流通株式比率34.3%
従業員への株式付与・役員の持株減少
7238 曙ブレーキ工業 2030/3/31   流通株式比率に係る特例を適用
7347 マーキュリアHD   2026/12/31 流通株式時価総額99.4億円(25/12/31)
業績向上・IR強化
7743 シード   2026/3/31 流通株式時価総額79.1億円(25/3/31)
業績向上・資本コスト経営、スタンダード市場も視野
8798 アドバンスクリエイト 2026/9/30 2026/9/30 流通株式時価総額33億円、流通株式比率32%(25/9/30)
スタンダード市場への移行を視野
福証・札証に既上場
9216 ビーウィズ   2026/5/31 流通株式時価総額96.8億円(25/5/31)
資本コスト経営・株主還元強化、スタンダード市場も視野
9229 サンウェルズ   2026/3/31 流通株式時価総額96.8億円(25/3/31)
スタンダード市場への移行準備中
9409 テレビ朝日HD 2026/3/31   株式売出し
出所:日本取引所グループ、各社適時開示情報を基に藤根作成(2026年2月13日までの情報に基づき作成)。社名のHDはホールディングス

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