金相場は小幅上昇。

米雇用統計の内容を受けた上昇基調は維持されており、高値圏での推移となっている。ドルは小幅に上昇したが、金相場は下げていない。株価が小幅に下落したことや、8日に控えるイベントを前に、金を手放しにくい状況にある。

5月の米雇用統計の結果は、思いのほか金相場の支援材料になっているもようであり、1,270ドル台を維持する要因になっている。上昇トレンドは継続しており、1,300ドルをうかがう勢いである。投資家がそれだけ現在の市場に懸念を抱いているということであろう。

6月の米利上げは確実だが、それ以降の利上げは見送られる可能性がある。資産圧縮を優先すると考えられ、その場合には金利は上がりづらくなり、これがドルの上値を抑える結果、金相場は高値を維持することになるだろう。

一方、コミー連邦捜査局(FBI)前長官の議会証言で、市場の想定を超える証言が行われると、株安・ドル安・金利低下が起き、金相場の上昇につながることになるだろう。もっとも、コミー氏が明確な証言を避けるとの報道もあり、材料視されない可能性もある。

さらに8日には英国総選挙、ECB理事会が開催されることから、金融市場は動きづらくなる。このように考えると、金相場は下げにくいと考えるのが妥当であろう。また、この日のパラジウムが上昇し、高値を更新している。きわめて強いといえる。

非鉄相場は軟調。

アルミは1,900ドルまで下落し、長期のサポートレベルまで下げてきた。銅は辛うじて下げ渋っているものの、上値は切り下がっており、懸念される値動きにある。ニッケルは8,900ドルが重くなっており、下値固めを確認したというには早い。亜鉛は続落で2,500ドルを割り込んでおり、きわめて弱い動きにある。鉛は下げ渋っているが、上値も重い。このように、非鉄相場はきわめて不透明な状況にある。バリュー的には安いのだが、センチメントが弱い。中国景気に対する見方も決して良くない。このような材料から、当面は動きづらい展開にならざるを得ないだろう。

8日には中国の貿易統計、9日には消費者物価指数や卸売物価が発表される。さらに8日は英総選挙も予定されている。動きづらい状況が数日は続かざるを得ないだろう。

原油は続落。

サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、バーレーンがカタールとの外交関係を断絶すると発表したことを受けて、OPEC加盟・非加盟国による減産の取り組みに悪影響が出る可能性が嫌気されたようだ。この報道を受けて、地政学的リスクが市場に広がったことから、一時上昇する場面があったが、最終的には上記のような解釈に落ち着いたようである。

カタールは産油量が日量約60万バレルと、OPEC内では小規模の産油国だが、加盟国間の関係が冷え込み、減産合意の拘束力が弱まる可能性が不安視されている。ただし、減産合意により原油輸出量が大幅に落ち込んでいる状況ではない。

ロイターの石油調査によると、OPECの原油輸出量は5月に日量2,518万バレルと、前月から100万バレル増加したという。一方、減産を免除されているリビアの産油量は技術的な問題により、先週の日量82万7,000バレルから80万9,000バレルに減少しているという。一方で、米国のシェールオイル生産量は増加している。米国内の石油掘削リグ稼働数は増加しており、産油量も徐々に増えている。しかし、OPEC加盟・非加盟国による減産が着実に実施されれば、世界の石油需給は大幅に改善されることは明白である。また、米国のガソリン需要期入りで、原油在庫は減少を続けるだろう。

しかしながら、市場が米国のシェール増産に目を向けているうちは、原油相場は上値の重い展開にならざるを得ない。どの程度まで世界の石油在庫が減少すれば、市場参加者が現在の見方を変えるのか、ここがポイントになる。