2023年末にジュニアNISAが終了し、早2年。2027年から「こどもNISA」が新制度として誕生します。6人の子どもを育てる我が家にとってもこれは朗報です。今回は、制度概要と既存NISAとの兼ね合い、放置されがちなジュニアNISAの活用法など、大家族FP橋本家での活用術を交えて紹介します。
こどもNISAはどんな制度?
まずは、2027年から始まる予定の「こどもNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」の全体像を確認しましょう。
こどもNISAは未成年向けのNISA制度で、18歳以上の成年が対象となる通常のNISAに対し、こどもNISAは0歳から17歳の未成年が対象で、運用益が非課税となります。
年間の投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円、投資対象はNISAのつみたて投資枠の対象商品と同じになる予定です。
子どもが18歳に達したあとはNISAのつみたて投資枠に自動的に移行されます。旧制度・ジュニアNISAでは18歳以降は課税口座に移管されていたので、ここは改善される点となります。
ただ、こどもNISAで投資した元本の金額は、成人NISAの非課税保有限度額1,800万円の中に吸収される形になるため、生涯投資枠が別枠で増えるわけではありません。こどもNISAで600万円を投資したのち18歳でNISA制度に移管した場合、追加で投資できる金額は1,200万円となります。
また、旧ジュニアNISA制度では「18歳になるまで引き出し不可」でしたが、こどもNISA制度では一定の要件の下12歳以降から引き出しが可能となります。
家族全体の非課税枠が大幅に拡大!
この制度の最大のメリットは、家族全体で見たときの非課税運用枠が増えることでしょう。我が家の場合、以下のように非課税枠を確保できることになります。
親2人:1,800万円×2=3,600万円
子ども6人:600万円×6=3,600万円
家族合計:合計7,200万円
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、家族全体で考えると、これだけの金額を運用益に対して一切課税されることなく運用し続けられるメリットはかなり大きいです。
知っておくべき「注意点」
非課税メリットの大きいこどもNISAですが、利用する上で把握しておきたい注意点があります。それは、こどもNISAで投資している資産は、親のものではなく、あくまで子どもの財産であるという点です。
そのため、12歳以降に引き出す際には、子どもの同意を得た場合に限り、親権者が引き出せる、という条件がついています。つまり、親が勝手に今月ピンチだから子どもの口座から少し下ろしておこうといったことはできません。
また、子どもが18歳になり、成人を迎えると、この口座の管理権限は完全に本人へと移ります。運用方針や資金の使用目的をしっかりと子どもと共有しておくことが大切になるでしょう。
親のNISAとこどもNISA、どっちを優先すべき?
親のNISA口座の枠を使い切れていない場合、こどもNISAを利用する必要はあるのでしょうか。そういう場合は、無理にこどもNISAを利用する必要はありません。ですが、目的別にそれぞれの非課税制度を使い分けることで、用途が明確な資産形成をすることができるので利用価値はあると思います。
我が家の場合は旧ジュニアNISAもまだ利用中ということもあり、
- 親のNISA:現役世代から老後までの経済的基盤となる資産形成として活用。
- iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金):60歳まで絶対に下ろせないので老後資金用に活用。
- 旧ジュニアNISA:大学資金として活用。既に運用している分は、非課税期間を最大限に生かす。
- 新こどもNISA:上3人は本人の運用口座として利用。下3人は12歳ごろまで大学資金準備に利用。高校生になったら本人の運用口座として利用。
という具合に目的別にそれぞれの制度を利用する予定です。このように、いつ引き出せるか、いくら積み立てられるかといった各制度の特性を理解し、目的別に活用するのがおすすめです。
こどもNISAと児童手当で手出しゼロの教育費戦略
学費準備のために児童手当とこどもNISAを活用する方法をご紹介します。
現在、児童手当は第1子・第2子の場合、0~3歳未満は月1.5万円、3~18歳は月1万円が支給されます。生まれた月によって支給総額が若干異なりますが、総額約234万円を受け取ることになります。
この児童手当をそのままこどもNISAでつみたて投資をし、年利5%で運用できたと仮定すると、18歳時点での資産合計は約385万円になる計算です。
手出しゼロで、大学の入学金や数年分の授業料をカバーできるほどの金額に育てることができるということになります。もちろん、投資にはリスクがあり、確実にこの金額になるという保証はありませんが、長期で積立投資をすることができれば、資産を増やせる可能性があります。そうすれば国公立・私立の進路選びや留学など、選択肢を広げることができるでしょう。
ただし、学費は支払い時期をずらすことができないので、全てを投資でつくるのは禁物です。学資保険や定期預金など、元本保証の資産形成を基礎に持ちながら、上乗せとして、教育資金準備の一部をこどもNISAで準備しておくとよいでしょう。
我が家も学資保険代わりの終身保険を子どもの人数分契約しています。そこに上乗せして旧ジュニアNISAで運用していましたが、制度開始当初からしっかり積み立て、制度終了後も継続しているおかげで、ジュニアNISAだけでこども一人あたり約400万円の教育資金をつくることができています。
こどもNISAも制度の理解や最初の手続きが手間かもしれませんが、ぜひ頑張ってみてほしいところです。
まとめ:口座の利用目的を明確にし、非課税枠を使い倒そう
新制度開始で、使うべきかどうか、悩んでいる人も多いかと思いますが、資産運用をする上で最初に押さえておかなければいけないことは、目的の明確化です。
まずは制度の開始前に家族で「いつ、何のために、いくら必要なのか」を話し合ってみてください。その上でこどもNISAを使う必要があるかどうかを検討しましょう。
こどもNISAは、積み立て投資に特化したシンプルで使い勝手のよい制度となりそうです。希望のライフプラン実現や子どもの金融教育にぜひ活用してみてください。
こどもNISA×児童手当、大家族FPの手出しゼロでつくる教育資金準備術
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