4年ごとのBTCの「冬の時代の終わり」を告げるのは、決まって「最悪の事態」だった。しかし今回、イラン開戦、ホルムズ海峡封鎖という最悪のシナリオが実現する中、BTCは底堅さを見せてきた。これはどういうことだろうか? 楽天ウォレット・シニアアナリスト:松田康生、通称MATT(マット)が、今後の方向性を分析する。
3月のビットコイン相場~
2月のBTC市場:AI株下落、エヌビディア決算、米イラク紛争…三つの悪材料が相場の重し
2月のビットコイン相場は続落した。月初に昨年11月の安値8万ドルを割り込み、底固めに失敗すると、昨年の安値7.4万ドルも下抜け、何とか6万ドルで切り返した格好だ。現在は底固めをやり直し始めた段階にある。
月初の下落は、まず金融政策が影響した。米連邦準備制度理事会(FRB)は1月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げをスキップし、さらに次期議長にタカ派のウォーシュ元理事が指名されたことが相場の重しとなった。
次にAI株の下落。アンソロピック(対話型AIの「Claude(クロード)」を手がける新興企業のAI関連サービス企業)が、業務アプリを時代遅れにするとの見方から、SaaS(サース:クラウド技術を使って、インターネットを介して提供されるソフトウエアサービス)の株が次々と急落し、市場のリスクオフムードを強めた。
AI関連の巨額投資の回収懸念が高まる中、アマゾン・ドット・コム(AMZN)を筆頭に好決算を発表しても「懸念」先行で株が売られる展開が続いた。極めつけは2月25日に発表されたエヌビディア(NVDA)の決算だ。売り上げも見通しも市場予想を上回るほぼ完璧な内容だったが、同社株は売られ、AI相場の過熱を象徴する結果となった。
そして最後にイラン情勢。昨年末のレアル急落をきっかけに国内でデモが発生、これを弾圧したことに抗議して米国が空母を派遣し緊張が高まった。6日、17日、26日と核協議が続いたが、米国が求める濃縮ウランの国外撤去にイラン側が応じず、28日についに米国とイスラエルがイランを空爆した。
この三つの材料がBTC相場の重しとなり、6万ドルで切り返した後も6.2万ドルから7.2万ドルのレンジで上値の重い展開が続いた。
なぜ下がったのか…軍需要因と需給要因で鈍い動きに
ETFフローとBTC価格
【1】需要要因
需給面では、ここまで下がった直接の理由は上場投資信託(ETF)フローが流出に転じたことだ。
BTC市場では外部からの新規資金流入が相場の上昇を支えてきた。ここ2年ほどは米国のETFフローがその中心だった。そのフローが昨年10月に史上最高値を更新して以降、流出に転じたことが、この4カ月半の下落相場の主因と言って間違いないだろう。12月から1月半ばまで落ち着いていたこのフローが、1月末から2月にかけて大きく流出に転じたことが、下落を加速させた。
GOLDとBTC/USD
需給面から見ると、ここまで下がった直接の理由はETFフローが流出に転じたことだ。BTC市場では外部からの新規資金流入が相場の上昇を支えてきた。ここ2年ほどは米国のスポットBTC ETFフローがその中心だった。そのフローが昨年10月に史上最高値を更新して以降、流出に転じたことが、この約4カ月半の下落相場の主因と言って間違いないだろう。
12月から1月半ばまで落ち着いていたこのフローが、1月末から2月にかけて大幅な流出に転じたことが、下落を加速させた。
【2】供給要因
供給要因(半減期)による4年サイクルで、4年に1度の下落局面に入ったとの見方も、BTC売りを助長した。
BTCは供給減の影響で半減期の1年から1年半後にピークを迎え、それから1年程度の「冬の時代」に入る傾向がある。今回は半減期が2024年4月、ピークがちょうど1年半後の2025年10月だった。このパターンで行くと今年(2026年)10月がボトムとなる計算だが、今回は少し前倒しになるとみている。
というのは、半減期の影響が徐々に薄くなり、従来の4年サイクルのパターンが崩れ始めているからだ。前回2020年5月の半減期には2021年11月に付けたピークを2024年3月に更新したが、従来は半減期から1年から1年半後につけたピークを次の半減期まで更新することはなかった。
また当初はピーク価格が半減期の91倍に上ったが、今回2025年10月のピークは2024年4月の1.9倍で止まった。
半減期ごとのBTC相場推移(ピーク1.9倍で調整)
従来のパターンと比べ、今回の下落ペースは速く、また半減期の価格を割り込んだのは初めてだった。また、半減期からの下落率は徐々に縮小している。ピークまでの上昇率が低かった分、今回は下落幅もさらに縮小する可能性が高い。
今回はピークから5割から6割の下落で底打ちするのではないかと考えている。「冬の時代」も1年でなく、6カ月から9カ月程度で終えるのではないかとみている。
具体的には今年4月から7月あたりに、5万ドル(ピーク比約60%下落)から6万ドル(ピーク比約52%下落)程度で底を打つのではないかと予想している。足元のETFフローの回復も、同様の見方をする投資家が底値を拾い始めたのかもしれない。
BTC/USD(2015年1月ボトム)
BTC/USD(2018年12月ボトム)
BTC/USD(2022年11月ボトム)
【3】タイムラグ
では、もうボトムアウトして反発するのかといえば、そう簡単ではない。
まず、従来からBTCは想定外の最悪の事態が起きた時にボトムアウトする傾向がある。2015年1月のBitstampハッキング、2018年12月のハッシュウォー(ビットコインキャッシュの分裂劇で両陣営の対立が激化、特にBSV側が51%攻撃を公言する事態にエスカレートし、ブロックチェーン自体の存続が危ぶまれた)、2022年11月のFTX破綻などだ。
また、ボトムを付けてから上昇に転じるまで、数カ月のタイムラグが観察される。2015年1月のボトムに対し上昇を始めたのは同年10月で9カ月後。2018年12月のボトムに対し上昇を始めたのは翌年4月で5カ月後。2022年11月のボトムは翌年1月で2カ月後だ。
徐々にサイクルが短くなっている印象はあるが、それでもボトムアウトしてから上昇に転じるまでは2〜3カ月かかるとみた方がいいだろう。
戦争といったリスクイベントに弱いBTCだが、今回のイラン攻撃では意外と下げ渋った。それまでそうしたリスクを材料に金買い・BTC売りが続いた結果、金に事実売り・BTCに事実買いが出たという側面もある。また、供給サイクル的にそろそろ拾い時という見方もあった点は前述の通りだ。
ただ、イラン問題は原油価格の上昇や不透明感という点で利下げ再開を遅らせる影響がある。そうした面でも、仮にETFフロー主導で下げ止まったとしても、利下げが後倒しになる分、本格的な上昇につながりにくいと考える。CLARITY法案の審議も遅れており、仮に最短で手続きが進んでも5〜6月ごろが現実的か。
米イラン紛争でも底堅いBTC、もしかして、ボトムアウトした?ビットコイン相場3月見通し
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