3月初日、日経平均は「中東ショック」で急降下。でも、世界経済を揺るがすほどには至らないとの見方が広がり、不安は少し低下しました。日経平均はまだまだ上がる、と期待して良いでしょうか?「もうはまだなり、まだはもうなり」と言い、相場はいつも意地悪ですが、不透明感のある中で、少しだけ売ってみるのも悪くないと思います。
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著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「【3/3速報】未踏高の日本株に中東危機の試練 「利食い千人力」「もうはまだなり、まだはもうなり」」
米国・イスラエルのイラン攻撃を受けて日経平均下落
3月初日(2日・月曜日)の日経平均株価は、「米国・イスラエルの攻撃でイランのハメネイ師が死亡、イランが報復攻撃を開始」の報道を受けて、大きく下がりました。終値は前週末比793円安の5万8,057円でした。一時、1,564円安の5万7,285円まで売られましたが、そこから押し目買いが入って切り返しました。
イランの革命防衛隊によりホルムズ海峡が実質封鎖され、原油先物が一時急騰したことを受けて、日経平均は急落しましたが、冷静に考えれば、ホルムズ海峡封鎖が長期化するとは考えにくいことから、日経平均は反発しました。

以下三つの理由から、ホルムズ海峡封鎖は短期的に収束する可能性もあります。
【1】ホルムズ海峡封鎖はイラン経済にもダメージ
ホルムズ海峡を封鎖すると、イランから中国などへ輸出される原油が運べなくなります。
【2】他の中東産油国にもダメージ
サウジアラビアなど他の中東産油国の原油輸出も停止されます。
【3】過去の経験則
1979年にイラン革命が起こり、それを契機にイラン・イラク戦争が始まり10年続きました。ホルムズ海峡が封鎖される懸念で1979年に原油価格が急騰して、第2次オイルショックが起こりましたが、実際に海峡が封鎖されることはなく、イラン・イラク戦争の10年間に、原油価格は大きく下落しました。
その後、湾岸戦争やISによるイラク支配など、中東の地政学的リスクの高まりによって、ホルムズ海峡の封鎖や油田破壊が懸念される事態はたびたび起こりました。その都度、原油価格は一時的に急騰しましたが、実際に海峡封鎖はなく、大規模な油田破壊も起こらなかったので、原油価格はその後、反落しています。
以上を踏まえると、日経平均がさらに急落するリスクは低いと思われます。ただし、安心しきって良い状態ではありません。
「好事魔多し」と言います。イラン情勢が思わぬ方向に進まないか注意は必要です。イラン情勢よりも、むしろAI関連株の先行きに、さまざまな不安が出ていることに注意が必要です。
AI関連株への不安に注意が必要
AI関連株がやや過熱していて、反落の可能性があります。ただのスピード調整なら問題ありませんが、そうではない可能性もあります。AI投資が過剰で、採算性に疑問が出ていることには、注意が必要です。
「過剰投資から採算悪化、投資の冷え込みから景気悪化につながる」ことは、20世紀の製造業によく見られたことです。現在は、製造業は投資の主役ではなくなっています。代わってAI投資が世界を動かすようになっています。そのAI投資の採算に不安が出ていることは、景気全体に悪影響を及ぼすこともあるので、慎重にウオッチする必要があります。
私は、メインシナリオでは、2026年は世界景気は好調を維持するものの、2027年には息切れするリスクがあると想定しています。その息切れが、想定以上に早く起こることはないか、足元のAI投資関連のニュースフローを注意して見ています。
もうはまだなり、まだはもうなり
「もうはまだなり、まだはもうなり」は江戸時代から伝わる相場格言です。もう上がらないと思った日経平均がどんどん上がってきました。「もう上がらない」と多くの人が思い始める時は、まだ大きく上がることが多いと言っています。一方、あまりの強い日経平均を見て、多くの人が「まだ上がる」と思う頃に、相場は往々にして、もう下がり始めることになると言います。
この格言は、「相場はいつも意地悪で、多くの人(私も含め)の思う通りに動かない」ことを、戒めているものです。
ですから、投資には慎重な対応が必要です。私は、いつも皆さまに、「5回に分けて買い、5回に分けて売る」ことを推奨しています。それは、「絶好の売り場」と思ってもさらに上がることがあり、「絶好の買い場」と思ってもさらに下がることがあるからです。日本株を100株いきなり買ったり売ったりするのは、多くの人にとって、集中的な売買になります。
楽天証券「かぶミニ®」を使って、5回に分けて買い、5回に分けて売れば、それだけでトレードタイミングが改善する可能性が高いと思います。
利食い千人力
どこが天井か、どこが大底か、誰にも分かりません。だから、相場に過熱感がある時は、少しだけ売ってみるのが正解のことが多いといえます。「利食い千人力」と言いますが、下がると確信する時ではなくても、少し売るのは悪いことではないと思います。
逆に相場が過度に売り込まれていると思う時は、明確に買い材料がない時でも少しだけ買ってみるのは正解のことが多いといえます。
以上は25年間のファンドマネージャー経験から思うことです。
日本株の投資判断
日本株は割安で、長期的に上昇余地が大きいと判断しています。ただし、短期的な株価上昇ピッチがやや速すぎることには、注意が必要です。何かショックが起これば、短期的に急落することはあり得ます。中東情勢が、世界的な株安につながるリスクは低いと思いますが、それでも、AI関連株の過熱感には注意が必要です。
日本株はこれからも急落・急騰を繰り返しながら、上昇していくと予想しています。時間分散しながら割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。
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