わずか3週間の間に25%急騰し史上高値に達したプラチナは、1月29日から2月2日まで調整局面に入り、その後はサポートラインを見出して2000ドル/オンスを上回る水準に回復している。貴金属セクター全体の動きはほぼ連動していると言えるが、具体的でかつ強いプラチナのファンダメンタルズには変化がない。
価格が上昇していても供給不足の解消に至っていないのは、高いままのリースレートと先物市場の強いバックワーデーションがそれを裏付ける。振り返ってみると1月26日に2923ドル/オンスの史上高値になった際、我々のプラチナ価格モデル(PPAM)は、価格形成における残渣分散要素の影響が増していることを示していた。
つまり、マクロ経済要因及び地政学要因がコモディティー市場に極めて大きな影響を及ぼしていたということだ。
プラチナ価格は2025年の初めから2026年初来のピークまで、3つのはっきりとした段階を経て220%上昇している。第一段階は2025年第2四半期で、ゴールド価格に対する記録的な割安感に中国の宝飾業者が反応し、プラチナへ方向転換した時期(図2)。同時に世界中のエンドユーザーがリースから所有へ変化した時期でもあった(図6)。
第二段階は2025年第3四半期で、米国が重要鉱物の確保に関する方針を強化して銅に関税を賦課し、さらには通商拡大法232条調査とパラジウムの反ダンピング調査が始まって、CMEのプラチナ在庫が膨張した(図3)。
図1:我々のプラチナ価格モデルによるとゴールド価格と、米ドルと南アランドの為替レートがプラチナ価格に最も大きな影響を及ぼす
第三段階は貴金属に対する強気センチメントが加速した2025年12月で、地政学リスク、利下げ観測、主要国の財政政策に対する懸念などが価格を支えた。プラチナには広州先物取引所の先物・オプション取引の開始も追い風となった。
我々の価格モデルは、2025年のプラチナ価格はゴールド価格を下支えとして貴金属に対するポジティブなセンチメントが長く続いたことを示している(図1)。ここで注目すべきなのは、2026年1月からのプラチナ価格の動きは、我々の価格モデルが弾き出す理論価格から大きく乖離し始めていたことだ(図5)。
スポット価格とモデルの理論価格の残渣分散要因(説明不可能な価格形成要因)による差は、史上高値(2923ドル/オンス)となった1月26日までに500ドル/オンスを超えた。1月終わりの調整局面を経て、価格モデルの残渣分散要因はマイナス11ドル/オンスまで下がり、今では、プラチナ価格は従来通りの価格決定要因と整合性がとれた動きに戻っていることを示している。
今年2月の緩やかな回復は、投資家の関心が、高いままのリースレート(図6)や需給見通し(図7)といった実需要因に再び戻り、それらによる価格形成の動きを反映していると言えよう。
我々のプラチナ価格モデルによると、2025年のプラチナ価格形成には、ゴールド価格や為替レートなどファンダメンタルズ以外の影響が大きかった
プラチナ価格の調整は市場の関心が需給ファンダメンタルズに再び戻ったことを示しており、引き続き供給不足で地上在庫は減少の一途を辿るだろう
投資資産としてのプラチナを支える背景:
-WPICのリサーチによるとプラチナ市場は2023年から供給不足が続いている。2026年は需給が均衡する予測だが、現在の逼迫した状況は改善されないだろう。
-高い価格は供給には有利だが、短期間で供給を増やすには限界がある。
-米国の関税は需要にある程度の逆風となるが、宝飾品と中国の投資需要がその分を補うことができる可能性がある。
-リースレートの上昇とロンドン先物市場のバックワーデーションがタイトな市場を反映している。
-プラチナの価格はゴールドより大幅に低いまま。
図2:ゴールドに対する記録的なディスカウントで、中国の宝飾品卸業者がプラチナ商品にシフトし2025年第2四半期の価格上昇局面が始まった
図3:米国の貿易政策を取り巻く不確定要素が取引所在庫の増加につながり欧州で現物が不足した
図4:GFEXは2025年11月に先物取引を始めたが、取引量の拡大が価格の上昇と重なったためポジション制限を設けた
図5:プラチナ価格形成における残渣分散要因、つまり「説明不可能な要因」の影響は2026年1月の価格上昇局面にて拡大した
図6:リースレートの上昇でエンドユーザーはメタルの所有を選択し、リース量が減少
図7:高いプラチナ価格は供給を支え一部の需要を抑制する可能性があり、中期的には供給不足を緩和するはず
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当和訳は英語原文を翻訳したもので、和訳はあくまでも便宜的なものとして提供されている。英語原文と和訳に矛盾がある場合、英語原文が優先する。
























































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