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増収増益の鹿島建設を「買い」と判断 建設ラッシュのその先を見据えるスーパーゼネコン(茂木春輝)

2026/2/24 8:00

 第3四半期決算で前年同期比増収増益を達成し、営業利益は81.6%増と驚異的な伸びを記録した鹿島建設。収益性の改善、堅固な財務基盤、技術優位性の三つの理由から「買い」と判断します。

目次
  1. 【1】収益性の改善
  2. 【2】安定した財務基盤
  3. 【3】技術優位性
  4. まとめ
  5. [参考]ゼネコン大手

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の茂木 春輝が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
増収増益の鹿島建設を「買い」と判断

 日本の建設を支えるスーパーゼネコンの鹿島(鹿島建設:1812)は第3四半期決算前年同期比で増収増益を達成しました。また、連結業績通期予想を再度上方修正し、最高益となる見通しです。大規模で難易度の高い建設に強みのある鹿島は今後も旺盛な需要を取り込み株価は今後も堅調に推移すると考え、「買い」と判断します。

 理由は以下の三つです。

【1】収益性の改善
【2】安定した財務基盤
【3】技術優位性

【1】収益性の改善

 国内建設需要は高い水準で継続しています。鹿島は業績を伸ばし、売上高は2兆1,460億円、営業利益1,718億円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,222億円となっています。特に営業利益が前年同期比81.6%増という驚異的な伸びを示しており、収益性の大幅改善が確認できます。

<鹿島2025年度第3四半期決算実績ハイライト>

  2024年度
第3四半期
2025年度
第3四半期
前年
同期比
売上高 20,263 21,460 106%
営業利益 946 1,718 182%
経常利益 1,012 1,671 165%
親会社株主に
帰属する
四半期純利益
745 1,222 164%
出所:決算資料より楽天証券作成。単位は億円

 この好業績の主因は、国内建設事業における売上総利益率の劇的な向上にあります。受注前から完工に至るまでのリスク管理体制が有効に機能し、設計変更の獲得や原価低減が順調に進展してきました。

 今後の業績を見る際、留意するべき点として、2025年度は設計変更の獲得や完工が例年以上に重なった「特需」的側面があります。会社側は2026年度に、これらの押し上げ要因が減じる可能性があるとしています。

【2】安定した財務基盤

 鹿島は自己資本が高まっており、強固な財務基盤を維持しています。第3四半期期末における財務状況は総資産3兆5,764億円に対し、純資産が1兆3,502億円となっています。利益剰余金の積み上げや保有株式の時価上昇などにより、自己資本は1兆3,313億円に拡大しました。

 自己資本比率としては前期末の36.4%から37.2%へ0.8ポイント上昇しています。建設と不動産開発を両輪とする事業運営が健全な財務基盤をもたらしており、持続的な成長に向けた投資はもちろんのこと、配当性向40%を目安とした積極的な株主還元を可能にしています。

 一方、有利子負債残高は9,459億円と、前期末の7,920億円から1,539億円増加していますが、これは事業規模の拡大や開発事業への投資によるものです。

<鹿島の連結財政の状況>

鹿島建設の連結財政の状況
出所:決算資料より楽天証券作成

【3】技術優位性

 鹿島は技術研究所での技術開発にも力を入れています。ニュースなどでもインフラの老朽化が話題にあがりますが、建設現場でも人手不足が深刻化しています。今後の社会インフラ整備では、少ない人数で、早く、高品質の構造物を造れる技術が求められています。

 同社では、老朽化した社会インフラを使用しながら更新する技術や、構造物にセンサーを設置し、劣化を早期に検知して、適切な補修により構造物の寿命を延ばす技術、建設機械の自動運転による施工システムなどが研究開発されています。

 最先端の情報通信技術(ICT:情報の生成、処理、保存、伝達、活用を支える技術全般)分野では、鹿島は、A4CSEL®(Automated/Autonomous/Advanced/Accelerated Construction system for Safety, Efficiency, and Liability:クワッドアクセル)という施工システムを構築しています。

 従来の建設機械の遠隔操作による無人化施工などとは異なり、作業データ(いつ、どこで、何を)を送ると、自動化建設機械が自律・自動運転で作業を行うため、原理的には作業指示者一人で何台の機械でも同時に稼働させることを可能とした、いわば建設のフィジカルAIです。

 鹿島はこのような技術を長年にわたる大規模現場での実績によるノウハウと組み合わせて業界での技術優位性につなげています。

<建設現場での遠隔操作とフィジカルAIの違い>

建設現場での遠隔操作とフィジカルAIの違い
出所:筆者作成

まとめ

 このように鹿島は、建設業界の課題でもある採算性において、徹底したリスク管理と技術優位性により一歩抜け出していると考えています。

「100年をつくる会社」としての安定感に加え、機動的な株主還元姿勢も示されており、株価は2020年のコロナショック時に底を打った後、上昇傾向にあります。

 これまでの業績の伸びと財務の強さを考えると2026年2月20日終値の株価収益率(PER)19.4倍でも長期的に見て魅力的だと考えています。

<鹿島の月足株価推移>

鹿島建設の月足株価推移
出所:QUICKより楽天証券作成

[参考]ゼネコン大手

 古いイメージを持たれることもある建設業界ですが、鹿島のように大手ゼネコンではAI活用を含めたDXが推進されて、人手不足などの業界の課題を解決する動きがあります。今後も建設の需要拡大、インフラを維持するための土木需要拡大、技術を生かしたグローバル展開などの成長性によって、長期的な投資先として注目されると考えています。

<大手ゼネコン参考銘柄一覧>

  銘柄コード ROE (%) PER (倍) PBR (倍)
鹿島 1812 10.2 19.4 2.47
大林組 1802 12.6 16.7 2.39
清水建設 1803 7.6 21.2 2.6
大成建設 1801 13.8 22.3 3.55
出所:QUICKより楽天証券作成

【告知事項】筆者は大成建設株を100株保有。

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