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金(ゴールド)5,000ドル到達、長期上昇が続くと考える理由

2026/1/27 7:30

 2026年1月26日の朝(日本時間)、ついにニューヨークの金(ゴールド)先物価格が5,000ドルを超えました。水準の高さもさることながら、到達までのスピードが速かったことにも注目が集まっています。長期視点で、金(ゴールド)相場はまだまだ、上昇する可能性があると、筆者は考えています。

目次
  1. 金(ゴールド)5,000ドル、銀は100ドル
  2. プラチナと銀(シルバー)価格上昇の背景
  3. ポピュリズムとハイテクと非伝統的な有事
  4. 「クレクレ民主主義」はS&P500急騰の一因
  5. 長期視点で6,000ドル到達もあるだろう
  6. [参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の吉田 哲が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
金(ゴールド)5,000ドル到達、長期上昇が続くと考える理由

金(ゴールド)5,000ドル、銀は100ドル

 冒頭で述べたとおり、NYの金(ゴールド)先物価格(中心限月)は、はじめて、1トロイオンスあたり5,000ドルを超えました。長い歴史を持つ金(ゴールド)相場において、たった2年間で価格が2.5倍にもなりました。

図:NY金(ゴールド)・銀(シルバー)先物価格の推移(月足 1975年1月~2026年1月) ドル/トロイオンス

図:NY金(ゴールド)・銀(シルバー)先物価格の推移(月足 1975年1月~2026年1月) ドル/トロイオンス
出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 そして、金(ゴールド)と同じ貴金属に分類される銀(シルバー)の価格が、100ドルという節目に達しました。2026年1月は、金(ゴールド)が5,000ドル、銀(シルバー)が100ドルに到達するという、大変に大きな節目となりました。

図:日本のプラチナ指輪価格(1個あたり 東京都区部)とプラチナ現物価格(税抜)

図:日本のプラチナ指輪価格(1個あたり 東京都区部)とプラチナ現物価格(税抜)
出所:総務省および国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 また、同じ貴金属に分類されるプラチナ(白金)の価格の上昇も目立っています。特に2025年の春ごろからの上昇率の大きさには、目を見張るものがあります。国内のプラチナ現物価格は、9カ月(2025年5月~2026年1月)で約2.7倍に上昇しました。

 こうした影響を受けてか、東京都区部のプラチナ指輪価格(1個、税込)価格は、今月に12万円に接近しました。プラチナ価格が急上昇する直前の2025年4月と比べると、2割程度、高くなっています。

プラチナと銀(シルバー)価格上昇の背景

 世界の貴金属価格が象徴的な節目に到達したり、わたしたちの身近にある貴金属関連の品の小売価格が大きく上昇したりしています。

 この背景を示した図が、以下です。左側から金(ゴールド)価格上昇をきっかけとした上昇圧力がかかっています。金(ゴールド)という、貴金属の最有力銘柄の価格が上昇すると、物色の矛先が他の貴金属に向く傾向があります。

 その際、プラチナは、日本などで価格が金(ゴールド)よりも安いことに関心が集まり、銀(シルバー)は、米国などで個人投資家でも買いやすいというイメージが大きくなり、それぞれへの価格上昇圧力が増幅されます。

図:プラチナと銀(シルバー)価格の上昇の背景

図:プラチナと銀(シルバー)価格の上昇の背景
出所:筆者作成

 右側からは、世界情勢をきっかけとした上昇圧力がかかっています。景気回復期待やESG(環境、社会、企業統治)推進観測が、プラチナと銀(シルバー)の産業用需要の増加観測を生んだり、世界分断に端を発する資源の武器利用の懸念が供給減少懸念を生んだりしています。

 こうした金(ゴールド)価格上昇をきっかけとした上昇圧力と、世界情勢をきっかけとした上昇圧力がプラチナと銀(シルバー)の相場にそれぞれ同時にかかっていることが、これらの貴金属価格の上昇の要因であると考えられます。

ポピュリズムとハイテクと非伝統的な有事

 ここからは、金(ゴールド)相場の長期視点の動向について、考えていきます。この考えは、プラチナと銀(シルバー)の長期視点の価格動向を考える際の、大きなヒントになり得ます。

 筆者は常々、新しい技術は人類に幸福をもたらすのか?という問いを頭の中に置いています。一消費者として、SNSやAIなどの最新技術を使う中、こうした技術が人類に幸福をもたらしていると考えることも、しばしばあります。

 たた、同じくらいの頻度で、こうした技術が人類に幸福をもたらしていないと考えることもあります。新しい技術が人類に幸福をもたらしていないことを整理すると、以下のようになります。

図:ポピュリズムとハイテクがもたらしているマイナスの相乗効果

図:ポピュリズムとハイテクがもたらしているマイナスの相乗効果
出所:筆者作成

 軍事、一般(個人・国)、政治の各分野において、攪乱(かくらん)、浸透、分断などの工作の際の道具になったり、真実が乱立したり、人間の受容力が低下したりすることが、世界各地で起きています。

 また、ポピュリズム(大衆迎合主義)と交わることで、クレクレ民主主義(すぐにメリットを与えてくれる政治家・リーダーが支持される状態、また、それを逆手にとり、大衆にすぐにメリットを与えて支持を獲得しようとする政治家・リーダーが増える状態)が台頭することがあります。

 さらには、クレクレ民主主義が市場に及び、市場が緩和的な措置(資金供給や金利引き下げ)を催促する場面もあります。

 ポピュリズムとハイテクは、軍事、一般、政治の各分野で、民主主義後退、世界分断深化、資源武器利用横行、長期視点のインフレ継続、通貨の不確実性増加という目に見えない有事を拡散していると考えられます。

 この目に見えない有事は、目に見える戦争やテロなどの伝統的な有事と対照的な有事であるため、「非伝統的な有事」と呼ぶことができます。この「非伝統的な有事」は、筆者が提唱する現代の金(ゴールド)相場を考える際に必要な「七つのテーマ」のうち、最も時間軸が長い超長期に分類されるテーマです。

 先述のとおり、ポピュリズムとハイテクは、人類に幸福をもたらしている面もあるため、これらを簡単に善と悪、どちらかに分類することはできません。

 ただ一つ言えることは、超長期視点で金(ゴールド)相場、引いてはプラチナと銀(シルバー)相場の動向を考える際、「非伝統的な有事」を説明する際に重要な役割を果たす「ポピュリズムとハイテクがもたらすマイナス面」を無視してはいけない、ということです。

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