清掃バイトから外資系証券会社のアナリストへ、そして国会議員へ! ハリウッド映画のようなインパクトのある半生を経た杉村太蔵さんは今、実業家・投資家として着々と成功を収めている。今の高市政権をどう見るか、今後の日本経済の行方は? フリーターも経験した太蔵さんだからこそ語れる「今」と「未来」を伺った。
杉村太蔵さんプロフィール
1月28日に『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(文藝春秋)発売。
第2次高度経済成長期が到来!バブル崩壊はない!?
トウシル:まずは、現在の日本市場を、杉村さんがどうご覧になっているか、これまでのさまざまなご経験を経て、投資でも大成功しているからこそ見えている風景を、ぜひ伺わせてください。
杉村さん:私は今、多くの日本人が「歴史的な転換点」にいることに気づいていないんじゃないか、と危惧しているんです。
投資で最も重要なのは「これからどう変化するか」を予測することです。そのためには、過去の歴史を学び、現在の日本がどこに立っているのかを客観的に把握する必要があります。
昨年は、戦後80年、そして昭和100年という大きな節目の年でした。日本経済史を振り返れば、戦後の復興期、高度経済成長期、バブル期、バブル崩壊後の長いデフレ脱却期がありました。しかし、この潮目は2022年から明らかに変わりました。私は今を「第2次高度経済成長期」だと定義しています。
トウシル:「高度経済成長」ですか! ちょっと意外な単語が出てきましたね…!
杉村さん:私はかつて、父から「昔はうどん1杯30円だったのが、いつの間にか300円になった」という話を聞いて育ちました。それが第1次高度経済成長期です。現代は、おにぎり1個が100円から200円に値上げする時代であり、今後はさらにモノの価格は上がっていくでしょう。
2025年末に対談したエミン・ユルマズさんも「おにぎりはいずれ1,000円になる」とお話しされていましたが、私も同感です。
この値上がり現象は、経済が力強く回り始めた証拠だと私は捉えています。岸田政権からの「資産運用立国」宣言や新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の導入は、全てはこの成長期の上に国民を自立させるための準備運動だったんですよ。
トウシル:一方で、日経平均5万円を突破するほどの株価の高騰に、バブル崩壊の再来を懸念する個人投資家も少なくないようです。杉村さんは今の高騰をどのように見ていますか?
杉村さん:一つ言えるのは、バブル崩壊時と今では「ルール」が全く違うということです。最大の鍵は、2000年7月に設立された「金融庁」の存在です。バブル期の銀行は無軌道に金を貸し、それが巨額の不良債権となって日本経済をまひさせました。そうした事象を踏まえ、2000年に金融庁が発足して以降、銀行や証券会社は金融庁に徹底的に監督されています。
金融庁の使命は「絶対にバブルを起こさせず、バブル崩壊もさせない」ということです。この「金融監督行政」の有無は、経済の安定性に天と地ほどの差を生みます。今の慎重なかじ取りを見れば、日経平均8万円、10万円といった数字は、実態を伴った成長のプロセスにおける通過点だと言えるでしょう。
高市政権の「危機管理投資17分野」、国策こそが最高のカンニングペーパー
トウシル:高市政権になり、経済政策はどう変化していくと予測されていますか?
杉村さん:私は経済財政諮問会議で議論されてきた「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」をずっと読み続けているんですが、実は岸田政権、石破政権、そして高市政権を通じて「資産運用立国を目指そう」というメッセージは一貫していると見ています。
高市総理になって明確になったのは「危機管理投資」というキーワードです。高市さんは「日本成長戦略会議」を立ち上げ、重点投資対象としての17の戦略分野を掲げました。
この17分野は、今の日本経済にとっての最大の課題であり、弱点です。ここを補強しないと国が立ち行かなくなるという分野を、官民一体で伸ばそうとしています。投資家にとって、これは国が答えを教えてくれている「最高のカンニングペーパー」と言ってもいいと思いますよ。
トウシル:17分野が課題であり弱点とは…。これからの日本はやることが多すぎる気がします。
杉村さん:その通りです。だからこそ私が今年の骨太の方針で注目しているのは、この17分野のうち政府がどこを最優先課題として捉えるかです。
17個全部を均等にやるのは不可能である中で、どこから手をつけていくかという優先順位が明確に伝わってくれば合格と言っていいと思いますね。「全部やります!」ではなく、何が最優先であるかと示されるなら、そこが2026年の最強セクターになります。
杉村太蔵さんインタビュー 日経平均8万円は通過点。今は「第2次高度経済成長期」だ!
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