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日本株はバブル?割安?2030年に日経平均7万円を予想する理由(窪田真之)

2026/1/24 8:00

 日本株は割安で、日経平均は2030年までに7万円へ上昇すると私は考えています。とはいえ、最近の日経平均上昇ピッチは急過ぎて、何かのショック安があれば短期的に20%程度は急落することもあり得ます。でも、それはバブル崩壊ではなく、通常の価格変動です。日経平均は、これからも急落・急騰を繰り返しながら上昇していくと思います。

目次
  1. 日本株「バブル論」に感じる違和感
  2. 日本の株価、地価、物価、賃金は国際比較で「割安」
  3. 日本株は純資産価値から割安
  4. 2030年までに日経平均が7万円に到達すると予想する理由

日本株「バブル論」に感じる違和感

 日経平均株価は高市ラリーで急騰、一時5万4,000円を超えました。あまりの上昇ピッチの速さに「バブル再来か」という人もいます。

 私はいつも本コラムに「日本株は割安で長期的な上昇余地は大きい」と書いています。日経平均5万4,000円でもその見方は変わりません。「日本株はバブルだ、いつか来た道だ」と声高に警鐘を鳴らす人に強い違和感を覚えます。

 日本株は、1989年末にバブルを形成し、そこから長いバブル崩壊を経験しています。「バブルは繰り返す」という人がいますが、今の日本株には当てはまらないと思います。

 1989年の日本株と今の日本株はまったく異なるものだと思います。当時と今では、経済環境も日本企業の財務内容、収益力、ビジネスモデル、ガバナンスも異なるからです。日本企業の財務内容・収益力はとても堅固になりました。

 日本株の株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)は当時より低く、配当利回りは高くなりました。日本株は当時と比べて、格段に割安になったと判断しています。

日本の株価、地価、物価、賃金は国際比較で「割安」

 1989年当時、日本の株価、地価、物価、賃金は、国際的に比較して極めて「高い」水準にありました。東京の生活費は世界一高く、日本人の賃金は国際比較で極めて高いといわれていました。株価も不動産も、PERやイールドで説明できない高値にありました。

 今は、その逆です。株価、地価、物価、賃金は、国際的に比較して「割安」になっています。割安な株価と、経営改革が評価されて、日経平均は2030年に7万円に到達すると予想しています。

<日経平均(年次推移):1973~2026年(1月21日)>

日経平均(年次推移):1973~2026年(1月21日)
出所:QUICKより作成。グラフは日経平均株価、予想PERは東証一部(東証プライム)平均。楽天証券経済研究所が作成

 1973年当時、日経平均は5,000円前後でした。東証一部のPERは約13倍でした。この時の日本株は「割安」でした。

 ところが、その後、日経平均はどんどん上がり続け、1989年(平成元年)末には3万8,915円の史上最高値をつけました。この時、東証一部のPERは約70倍まで上昇し、10~20倍が妥当と考える世界の常識をはるかに超えた「バブル」となりました。

 バブルは、平成に入ってから崩壊しました(平成元年=1989年)。ただし、「平成の構造改革」で復活した日本株は2009年以降、再び、上昇トレンドに戻りました。今、東証プライム市場の予想PERは約19倍です。通常のレベル(17~18倍)から比べるとやや高めですが、それでも妥当水準と考えられる10~20倍の範囲に入っています。

日本株は純資産価値から割安

 東証プライム市場の予想PERは今、約19倍です。収益価値から見たバリュエーション(PER)では、割高ではありませんが割安とも言えません。

 私が、「日本株は極めて割安」と言っているのは、PERではありません。純資産価値から見た割安度が際立っていると言っています。日本企業のバランスシートには、余剰キャッシュ、持ち合い株式、(巨額の含み益のある)賃貸不動産などが計上されています。それを勘案した実質PBRで見て、日本株は極めて割安になっていると評価しています。

 そのような潤沢なキャッシュや余剰資産を使って、自社株買いを増やしていく余地が大きいと考えられます。

<日本企業の自社株買い原資>

【1】 企業が毎期稼ぐ  フリー・キャッシュフロー
【2】 業務上必要ない  持ち合い株式
【3】 業務上必要ない  賃貸不動産
【4】 バランスシート上  余剰キャッシュ

出所:楽天証券経済研究所作成

2030年までに日経平均が7万円に到達すると予想する理由

 私は1株当たり利益(EPS)の増加に伴って日経平均が上昇すると予想しています。バブル期のように「利益が伸びないのに夢だけで株価が上がる」ことは想定していません。「EPSの増加に伴う堅実な上昇」を想定しています。

 以下の通り、東証プライム市場の平均EPSが、年率平均6.5%増加すると予想しています。EPSを増加させるドライバーが三つあります。【1】海外事業の利益成長、【2】インフレ、【3】自社株買いです。この三つを合わせて、EPSは年率平均6.5%増加、5年で約37%増加すると予想しています。それが、日経平均が2030年には7万円を超えると予想する理由です。

<東証上場企業のEPS増加要因>

東証上場企業のEPS増加要因
出所:楽天証券経済研究所予想

【1】海外事業の利益成長:年率寄与度(予想)2.3%

「人口が減少する日本の株は魅力がない」と言う人がいます。もし、日本企業が日本国内だけでビジネスを行っているのならばその通りですが、実際には日本企業は人口が増加するアジアや米国などで幅広くビジネスをやっています。これからも巨額の買収や合併(M&A)で海外企業の買収を積極的に進めていくと思います。

 日本企業の海外事業の成長が、東証上場企業のEPSを年率2.3%増加させると予想しています。

【2】インフレ(CPI総合指数の上昇率):年率寄与度(予想)2.6%

 日本のインフレ復活が、日本の企業業績・株価を上昇させる要因となります。日本企業は長年にわたり、ゼロ・インフレに苦しんできましたが、日本にも今後2~3%のインフレが定着すると予想しています。インフレ定着は国民生活にとってネガティブですが、企業業績・株価にとっては追い風となります。

【3】自社株買い:年率寄与度(予想)1.5%

 年間10兆円を超える自社株買いが続くと考えています。発行済み株式数の減少を通じて、EPSを増加させます。

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