金相場は上昇。

ドル安が一服し、世界的に株高が進んだものの、FOMC議事要旨で利上げに一段と慎重であることが示されたことで買いが入っている。FRB当局者らは議事要旨で、最近の米国経済鈍化が一時的なものであることがはっきりするまでは利上げを手控えるべきだとの見解で一致した。

一方で大半の参加者が、間もなく利上げが行われるとの見方を示している。6月利上げは確実になってきたが、一方で年内利上げの可能性はいまだに低い。また、FRBは資産圧縮を優先させる可能性が高いことから、これがドル安基調を後押しする可能性がある。

FRBが6月のFOMCで0.25%の利上げに踏み切る確率は83%にまで引き上げられているが、その後の利上げについては5割程度の確率になっている。一方、FRBのブレイナード理事は、「世界経済見通しの改善で、米国経済へのリスクが低下している」と指摘しており、FRBが議事要旨で示した6月利上げに向かっているとのシグナルを補強する形となっている。とはいえ、金相場は底堅さを維持しており、投資家の押し目買い意欲の強さは変わっていないと考えられる。

目先は1,245ドル~1,270ドルのレンジを抜けるのを待つことになろう。

非鉄相場はアルミが1,960ドルを回復し、基調は明確に上向きになっている。銅はインドネシアのグラスバーグ銅山で労働者のスト・解雇など混乱が拡大していることで上昇したが、5,745ドルのチャートポイントで打たれており、これを上抜けないと次の動きには入れないだろう。ニッケルは続落し、9,045ドルまで下げている。きわめて弱い動きではあるが、9,000ドルを大きく割り込んで底割れになるとは考えていない。亜鉛は戻りを試しているが、やや上値が重くなっている。鉛も我慢の時間帯であり、2,070ドルを辛うじて維持している状況である。

まだ完全に強気相場に入るには時間が必要だが、需給環境や将来の需給バランスを考慮すれば、大崩れするとは考えにくいだろう。

原油は急落。

OPEC加盟国と非加盟産油国が協調減産の延長で合意したものの、市場が期待していた一歩踏み込んだ措置に至らなかったことから売られ、3月8日以来の大幅な下げとなった。

OPEC加盟国と非加盟産油国はウィーンで会合を開き、6月末で期限切れとなる現行の協調減産(日量180万バレル)を18年3月まで9カ月延長することで合意した。しかし、市場では減産期間のもう一段の延長や減産幅の拡大などを期待する向きもあったため、市場は利食い売りが出た。

WTI原油先物の出来高は、OPECがこれまでの減産を当初発表した昨年11月30日以来の高水準だった。

総会では、国別の削減幅は現状を維持した。参加を呼び掛けていたトルクメニスタンとエジプトは加わらなかったため、全体の減産量は日量180万バレルで変わらないことになる。

サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は「延長は9カ月が最善であり、原油在庫を過去5年平均の水準に戻すという目標に導いてくれるだろう」としている。

市場では、減産期間の延長だけでは世界的な供給過剰の早期解消には力不足との見方が強いようだ。米国のシェールオイル生産に拍車が掛かる中、技術革新によって一部のシェールオイル事業者は40ドル台でも採算が取れるとされており、減産効果が相殺される状況が続くとみられている。

しかし、OPEC加盟・非加盟国が、原油相場の押し上げを狙うのであれば、減産期間の延長に加え、減産幅の拡大も不可欠であろう。米国のシェールオイルの拡大は、OPEC加盟・非加盟国の減産幅に比べると、実は大きな問題ではない。むしろ、原油相場が急落し始めた14年7月以降に産油量を増やしたことが問題であり、そのころの日量3,000万バレル水準に戻せば、原油相場は容易に60ドルを回復するだろう。

厳しい判断だが、そのくらいのことをしない限り、サウジやロシアが目論む55ドルから60ドル台での安定的な推移は見込めないと考えられる。