米ドル建て債市場の2025年レビュー:利回り6.87%と堅調もアジアに届かず
BOCIが発表した中国の米ドル建て債券市場に関する2025年のレビューによると、利回りは6.87%に達し、全般に堅調。
ただ、経営危機に直面する不動産大手、万科企業(02202)が社債の返済猶予を求めた件が影響し、日本を除くアジアの米ドル建て社債全体の利回り(7.47%)を下回った。iBoxx米ドル社債指数のデータでは、中国の投資適格債の利回りは6.87%、ハイイールド債は6.70%。投資適格級がわずかに上回った。
2025年には米国債(期間10年未満)利回りの大幅な低下が、中国の投資適格債の強力な追い風となった。投資適格債のスプレッド(国債との利回り格差)の縮小幅は、ハイイールド債を上回る水準。
4月には関税ショックで一時拡大したものの、6月には過去最低水準となり、年末にかけてさらに縮小。最終的に24bps(ベーシスポイント)縮小の47bpsだった。一方のハイイールド債のスプレッド縮小幅は16bps。
セクター別では、引き続きスプレッドが広い業種に資金が流入した。投資適格級では、テクノロジー、不動産、不良債権処理会社(AMC)の利回りがいずれも8%超で上位。スプレッドが狭い中央企業(国務院直属の国有企業)永久債や銀行シニア債は約5.6%にとどまった。
ハイイールド債では、ディスカウント幅の大きい一部民営企業の債券が急反発し、ハイイールド工業債の利回りが15.9%に上昇。万科企業の債務危機が市場全体に影響したにもかかわらず、ハイイールド不動産債の利回りも8.8%の高水準だった。
中国の米ドル建てプライマリーマーケット(新発債)における発行量は、2025年に前年比23%増の1,017億米ドル。うち、リストラクチャリング(返済負担の軽減に向けた条件変更や再構築など)分を除く新規発行額は6%増の811億米ドルに達した。
ただ、満期償還・買い戻しやセカンダリーマーケット(既発債流通市場)での買い戻しが総額1,555億米ドルに上ったことで、市場の残高は縮小傾向を維持。年間の純発行額は引き続き大幅なマイナスとなった。ただ、格付け付きのハイイールド債の発行量は前年を上回り、流動性の改善に向けた重要な一歩とされている。
2025年には米利下げが中国の米ドル建て投資適格債にとっての大きな追い風となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)は「追加利下げのペースとタイミングを検討する」と表明しており、ドットプロットは2026年に1回の利下げを示唆しているが、BOCIは今後のメンバーの入れ替えで、FRB理事全体の姿勢がよりハト派的(インフレ許容度が高い)になる可能性を指摘。実際の利下げ回数は予想を上回る可能性があるとしている。
一方、2025年には万科企業の債務危機が全体の債券利回りに響いたが、BOCIは「不動産市場の安定化」を優先課題とする政策方針を背景に、2025年にはデベロッパー各社が二極化しつつも、業界全体では底入れ局面を維持したとの見解。信用力に優れた優良国有企業、中央系国有企業が発行する不動産債券を推奨するとしている。























































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