インヴィンシブル投資法人とジャパン・ホテル・リート投資法人は、ともにインバウンド需要の恩恵を受けて業績を伸ばしており、客室当たりの安定した収益が期待されます。今回は期待度の高いJ-REIT2社の分析と、注目のJ-REIT10社をピックアップします。
インヴィンシブル投資法人とジャパン・ホテル・リート投資法人を買い判断する三つの理由
2025年11月以降、中国からの団体旅行客が減少し、インヴィンシブル投資法人(8963)とジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)の投資口価格が下落しています。
ただ、予想分配金利回りはインヴィンシブルが6.57%、ジャパン・ホテル・リートが5.75%と高くなっています。特にインヴィンシブルは足元の業績は好調なものの利回りで見て割安な水準にあると考えており、筆者は「買い」と判断しております。その理由は以下の三つです。
<インヴィンシブル投資法人の投資口価格(月足)>
【1】依然として高い11月のホテル稼働率
【2】高水準で安定したRevPAR
【3】インバウンドの状況
それぞれについて解説いたします。
【1】依然として高い11月のホテル稼働率
インヴィンシブルは、ホテルがポートフォリオの95%以上を占める国内の不動産投資信託(J-REIT)です。ホテルの中でも特にビジネスホテル・シティホテルが中心となっており、高い稼働率を強みとしています。インヴィンシブルから公表されている直近11月までの国内ホテル合計の稼働率と「ホテルマイステイズ京都四条」の稼働率を以下のグラフに示しています。
<インヴィンシブル投資法人の物件稼働率>
インヴィンシブルが保有する国内ホテルの合計稼働率を見ると、中国からの団体客が減少し始めたのが11月であり、まだキャンセルのスケジュールなどの要因で影響が出尽くしていないとしても、稼働率の低下は限定的だとみています。
特に海外からのインバウンドの影響が大きいと考えられる関西の中で、大きなウエートを占める「ホテルマイステイズ京都四条」の稼働率にフォーカスすると、11月の稼働率は前年比マイナス9ポイントの78%となっています。前月の84.5%より低いものの、売上高は前月の1.1億円より高い1.2億円となっており、これは底堅い運用実績だと考えています。
次に、ミッドプライスからアッパーミドルのホテルが中心であるジャパン・ホテル・リートの全体および地域別稼働率を以下のグラフで見てみましょう。
<ジャパン・ホテル・リート投資法人の稼働率>
2025年中、一時的に7月の関西(大阪除く)エリアの稼働率が下がったものの、大阪・関西万博の開催期間である4月から10月を経て、11月の稼働率は85%以上の高水準を維持しています。
以上より、11月までのデータを見る限り、中国からの団体客のキャンセルの要因はあったものの、稼働率への影響は限定的だったことがうかがえます。
【2】高水準で安定したRevPAR
過去数年間、ジャパン・ホテル・リートの業績は新型コロナウイルス感染症が拡大した際に大きな影響を受けました。観光需要の激減により、ホテル稼働率および客室単価が大幅に低下し収益が低迷しましたが、2023年以降、水際対策の緩和や全国旅行支援策などによりインバウンド需要が増加し、業績が回復しました。
今年の11月のホテルの運用実績では、旺盛なインバウンド需要を受け、ホテル稼働率とともにRevPAR(Revenue Per Available Room:販売可能客室数当たりの収益)は上昇基調にあると考えています。以下のグラフは2025年におけるインヴィンシブルとジャパン・ホテル・リートそれぞれのRevPARの推移です。
<ホテルリート2社のRevPAR(単位:円)>
ホテルの価格帯の差はありますが、予約サイトで見比べられるホテル市場において季節要因などにより相関した動きとなっており、11月も大きく下がることはありませんでした。
直近11月の実績でもRevPARは高水準を維持しており、今後も安定した分配金に貢献すると考えられます。
【3】インバウンドの状況
本稿冒頭でも述べた通り、インバウンド需要の影響はホテルにおいて大きいです。その内訳についても紹介します。以下は2025年11月までの地域別訪日外客数の推移です。
<2025年の主要地域別訪日外客数>
韓国と中国が1位、2位を占める傾向にあり、7月、8月は中国からの観光客が大きな割合を占めていたことが分かります。11月には中国からの観光客は減少していますが、韓国からの観光客が増えて逆転しています。
また、台湾と香港からの観光客は一年を通して安定しています。観光市場全体に与える中国からの団体観光客減少の影響は大きいものの、日本への観光需要自体は依然として旺盛です。
そのため、海外旅行の計画・予約期間を経て、ホテルは他の需要によって埋められる動きが強いと考えています。定量的なデータではありませんが、筆者も2025年末に京都を旅行した際、中国語を聞く機会が少なく、地元の方に話を聞くと公共交通機関でも明らかに大人数のアジア系団体客が減ったとの声がありました。
まとめ
インヴィンシブル投資法人とジャパン・ホテル・リート投資法人は、ともにインバウンド需要の恩恵を受けて業績を伸ばしており、客室当たりの安定した収益が期待されます。
今後も観光客の動向を注視する必要がありますが、インヴィンシブルの6.5%を超える予想分配金利回りはJ-REITの中でも高水準であり、分配金を受け取りながら長期分散投資を行う選択肢として魅力的だと考えています。
以下は各種物件に投資する際の参考銘柄一覧です。
<J-REIT参考銘柄一覧>
利回り6.5%超の銘柄も!高配当J-REIT2社を「買い」判断する三つの理由!(茂木 春輝)
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