金相場は反発。

5月のFOMC議事要旨で、FRBが利上げに慎重な姿勢を示していたことが示されたことが材料視された。FOMCの議事要旨によると、政策決定者たちは最近の景気後退が一時的なものであるとの証拠が見つかるまでは、引き締め政策を取らないことで一致した。

6月利上げは確定的との見方が市場では支配的だが、その後の利上げの判断は慎重に行われる見通しであることが示され、金利のつかない金にとってはポジティブな材料と判断されたようである。

1,247ドルでサポートされて反発しており、いまだにレンジ内での推移が続いている。1,265ドルを明確に上抜けない限り、次のステージに移ることはできない。

一方で、トランプ政権の不透明感や北朝鮮情勢などの地政学的リスクも払しょくされておらず、安全資産である金の下値は堅く推移しやすい地合いにある。

非鉄相場はやや軟調な動き。

アルミは1,950ドルで打たれる一方、銅は一時5,600ドル近くまで急落した。ただし、引けでは5,700ドルを維持しており、基調は維持されている。ただし、5,800ドルを明確に上抜けないと、次の展開はない。

一方でニッケルが急落しており、再び9,200ドルを割り込んでいる。まだまだ上値を追うには時間が必要なのかもしれない。鉛・亜鉛も上値が重い。

一方、ムーディーズが中国の格付けを「AA3」から「A1」に引き下げた。これで、フィッチの中国格付けである、07年11月以来の「A+」と同水準になった。S&Pの中国格付けは1段階高い「AA-」となっている。ただし、見通しは16年3月以降「ネガティブ」に引き下げられている。S&Pは今年1月に格付けと見通しを確認したが、その際にリスクの高まりを指摘していた。

中国のソブリン格付けが引き下げられるのは25年ぶりであり、3大格付け会社はこの7年間は格付けを変更していない。格下げが中国にとってマイナスとなる可能性がある。非鉄相場への影響についてもよく見ておきたい。

原油は小幅反落。

上昇基調は維持されているが、WTI原油は52ドルがやや重くなっている。米ガソリン在庫の減少が予想より小幅だったことが上値を抑えたようである。また、25日にウィーンで開催されるOPEC総会待ちの状況となっている。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計では、原油在庫は7週連続で減少。製油業者の原油精製が過去最高水準に達している。原油在庫は19日までの週で440万バレル減となり、市場予想の240万バレル減を大幅に上回った。一方でガソリン在庫の減少は78万7,000バレル減と、市場予想の120万バレル減を下回った。

一方、米国内の産油量は日量932万バレルと、前週から1万バレル増加している。市場の関心は本日のOPEC加盟・非加盟の産油国による会合に向かっている。世界的な原油供給過剰を圧縮するため、減産合意を延長するとの観測が広がっている。

OPECと非加盟産油国の協調減産の実施状況を点検する閣僚級の監視委員会がウィーンのOPEC本部で開催され、6月末に期限を迎える減産を9カ月間延長するよう勧告した。声明では「現在の市場動向や世界的な在庫の水準に留意し、生産調整の延長が必要との結論に達した」とした上で、「延長期間は当初予定していた6カ月よりも長くすべきだ」と指摘し、7月1日から9カ月間とすることを求めた。

さらに、4月の減産の達成度は目標の102%となり、前月から4%ポイント上昇したとした。クウェートのマールゾウク石油相は、「OPEC加盟国と非加盟産油国は、協調減産幅の拡大もしくは減産の1年延長で合意することもあり得る」との見解を示した。

サウジアラビアは需給バランスの改善を速め、原油価格が50ドル割れの水準に逆戻りすることを避けるため、当初計画していた減産の6カ月延長ではなく9カ月延長を支持している。一方、OPEC加盟国のイラク、アルジェリアと非加盟国のロシアも9カ月延長を支持すると表明している。減産幅の拡大が決まれば、市場にはサプライズだが、その可能性は依然として低いとみられている。

一方、イランのザンギャネ石油相は、「OPECは減産協議を継続するものの、継続期間について加盟国間で意見が分かれている」との見方を示している。ただし、「加盟国と非加盟産油国は、決められた延長期間に従うことが重要」としている。

また、ロシアのノバク・エネルギー相は、OPEC加盟・非加盟国の主要産油国が協調減産を18年6月までさらに1年間延長する可能性について協議するとしている。同相は「勧告は現在の割り当て維持」とし、「期間は9カ月だが、さらに18年6月まで3カ月間延長する可能性について協議する」としている。

9カ月間の減産延長はすでに織り込まれているが、これが1年間になる場合や、減産幅が拡大されれば、市場にとってはサプライズとなる。半年間の延長でも世界の石油在庫の解消はかなり進むが、これが9カ月あるいは12カ月延長や、さらに減産幅がさらに拡大されるとなれば、在庫調整はさらに進むことになり、原油相場には相応のインパクトがあるだろう。