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日銀利上げで、住宅ローンはどこまで上がる?

2025/12/26 12:34

 日銀は、政策金利を0.5%から0.75%に引き上げると決めた。家計にとって負担の大きい住宅ローンは、いつ、どの程度上がるのか。住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営するMFS取締役CMOで住宅ローンアナリストの塩澤崇氏に聞いた。

目次
  1. 日銀が利上げ決定。住宅ローンはいつ、どの程度上がる?
  2. 日銀の利上げシナリオと、不動産価格の動向

日銀が利上げ決定。住宅ローンはいつ、どの程度上がる?

__19日の金融政策決定会合で決まったことは。

 日本銀行は政策金利を0.25%引き上げ、0.75%にすることを決めた。賃金と物価の上昇で良い経済のサイクルが回っていること、為替市場で円安が進行したことが、利上げ判断を後押しした。

__今回の利上げを受け、住宅ローンの変動金利はどのタイミングで上がるのか。

 住宅ローンには変動金利と固定金利の2種類がある。多くの人が利用する変動金利は政策金利に連動して上昇するが、金利上昇までには半年程度のタイムラグがある。

 すでに複数の金融機関が、企業向け貸出金利の指標となる短期プライムレート(短プラ)の引き上げを発表しており、今後1~2カ月の間に短プラが上昇するだろう。

 住宅ローンの「基準金利」は、短プラに一定の金利を上乗せして決まる。多くの金融機関では2026年4月に基準金利の見直しがあり、実際の毎月返済額は7月分から増えることになる。これから新しく借りる人は、4月1日以降に借りる場合、現在よりも0.25%高い金利が適用される可能性がある。

日銀利上げ~返済額アップまでの流れ

__毎月の返済額への影響はどの程度になりそうか。

 今回の利上げを受けて変動金利が0.25%上がると、心理的節目である「1%」を超えるケースが増えそうだ。仮に5,000万円を借りた場合、金利0.75%だと毎月の返済額は約13万5千円。金利1%になると約14万1千円と、月約6千円増える計算になる。

3,000万~1億5,000万円までの、35年ローンの毎月返済額(0.75%の場合と1.00%の場合)

※金利上昇があっても5年間は毎月返済額を変えない「5年ルール」や、返済額の増加幅を25%以内に抑える「125%ルール」を設定している金融機関が多いが、このシミュレーションではこれを考慮していない。

__住宅ローンの固定金利への影響は。

 住宅ローンの固定金利は、政策金利そのものではなく、長期金利の動向に左右される。足元では、将来の金利上昇を織り込む動きが強まり、長期金利の指標である新発10年物国債利回りが2%を超えている状況だ。 住宅ローンの固定金利で代表的な「フラット35」は、12月の新規貸出金利が1.97%だが、長期金利の上昇を受け、年明け1月には2%を超える水準になりそうだ。

新発10年物国債利回りのチャート

日銀の利上げシナリオと、不動産価格の動向

__向こう2~3年の、日銀の利上げ見通しは。

 私の基本シナリオとしては、今後も年2回のペースで利上げが続き、政策金利は2026年度に1.25%、2027年度には1.5%くらいになる、と予想している。

2025~2027年度の政策金利(予想)

 足元では実質賃金がマイナスの状態が続いているが、2026年度には賃金上昇率が物価上昇率を上回り、実質賃金がプラスに転じると想定。2027年度にはターミナルレート(利上げの最終到達点)に達するとみている。

 ただし、この見通しは、各国の政策金利が利下げ方向に進むことを前提としている。欧米でインフレ懸念が再燃し、再び利上げに動くことがあれば、日本との金利差が拡大し、日銀は円安を止めるために利上げペースを速める可能性もある。各国の政策金利の動向には注意が必要だ。

__金利上昇は不動産価格にどう影響する。

 基本的に、金利の上昇は不動産価格にとってマイナス要因だが、実際には不動産価格の上昇が続いている。夫婦で借りる「ペアローン」や50年の「超長期」で借りるローンなど、住宅ローンの進化によって高い不動産でも購入しやすくなっているためだ。お金を借りやすくなることで、予算が上がり、さらに不動産価格も上昇する、というサイクルが回っている。

 当社の試算では、年収500万円の人がペアローンなどを活用して2025年に購入できる物件価格は約4,400万円。賃上げや借入人数、年収倍率の増加など、住宅ローン環境が変わることで、10年後には約1.7倍の7,700万円まで手が届く可能性がある。

 ただし、米国経済の失速による株式市場の下落や、予期せぬ金融引き締めがあれば、不動産価格は上がりにくくなる。また、人口減少が続く地方や郊外は不動産価格が下がる可能性も十分あるだろう。今後は不動産価格の二極化が大きく進むと予想している。

2025年と2035年の不動産価格の試算
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