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【展望】対米関係・台湾問題の行方は?2026年中国の8テーマ

2025/12/25 7:30

 2026年がもうすぐ訪れようとしています。「2026年の中国」を見据える上で、今の時点で押さえておくべき、経済、米中、台湾、政治、日中などの八つのテーマを解説します。ご参照ください。

目次
  1. 注目ポイント(1) デフレと不動産不況の行方
  2. 注目ポイント(2) 「内需拡大」戦略の効果
  3. 注目ポイント(3) 中国株の盛り上がり
  4. 注目ポイント(4) 米中関税協議の着地点
  5. 注目ポイント(5) トランプ大統領の訪中と習近平国家主席の訪米
  6. 注目ポイント(6) 台湾問題
  7. 注目ポイント(7) 習近平国家主席の権力基盤
  8. 注目ポイント(8) 日中対立

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の加藤 嘉一が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
【展望】対米関係・台湾問題の行方は?2026年中国の8テーマ

注目ポイント(1) デフレと不動産不況の行方

 まずは経済の分野からいきたいと思います。

 近年の中国経済を見て、語る上で、構造的問題として欠かせないのがデフレと不動産不況でしょう。不動産に関して、2025年1~11月の不動産開発投資は前年同期比15.9%減となり、下落の幅が最も大きくなっています。

 私は2024年末に、2025年を通じて、不動産不況を抜け出せるかどうかが一つの注目点だと指摘しました。しかし、不況から抜け出すどころか、さらに悪化している、あるいは泥沼に陥っていると言わざるを得ません。

 中国政府としては、(1)不動産市場を回復させつつ、(2)不動産業界への依存度を減らし、(3)不動産に取って代わる可能性のある複数の業界(AI、デジタル、グリーンなど)を育成していきたいと考えているでしょう。そのプロセスには複数年を要すると思われます。従って、2026年も、不動産不況は続くという前提で中国経済を見ていくべきです。

 デフレに関しては、消費者物価指数(CPI)が11月に前年同月比0.7ポイント上昇となり、10月(0.2ポイント上昇)に続いて2カ月連続のプラスとなりました。一方、上海出張報告や北京出張報告でお伝えしてきたように、現場における価格のあからさまな下落や価格を巡る過当競争の激化はすさまじく、実態は統計以上に深刻という見方もできます。

 2026年も中国経済は「デフレ基調」で進む可能性が高く、景気の迷走にとっての一要因となることが予想されます。

注目ポイント(2) 「内需拡大」戦略の効果

 12月10~11日に行われた1年に1度の「中央経済工作会議」では、内需拡大が政策目標の最重要事項の一つとして取り上げられました。実際、11月の小売売上高は前年同月比1.3%増と顕著に落ち込んでいます。中国政府も公に認め、警戒しているように、中国経済は明らかに「供給過剰」と「需要不足」が並行する形で推移しているのが現状です。

 2026年3月に行われる全人代(全国人民代表大会)で李強(リー・チャン)首相が発表する予定の「政府活動報告」でも、内需拡大が一大目標として掲げられるでしょう。需要を喚起する政策がどの程度打ち出されるのか、それによって需要不足がどの程度解消されるのか、中国当局の需要不足問題に関する認識や提起がどう変化していくのかに注目したいと思います。

注目ポイント(3) 中国株の盛り上がり

 2025年の中国経済を見る上で一つ盛り上がったのが、中国株の好調ぶりでしょう。例えば、私が本稿を執筆している2025年12月24日午前時点でも、上海総合指数は4,000ポイントをやや下回る水準で推移しています。

 中国発の人工知能(AI)業界などが注目される中、2026年、中国株はどのような盛り上がりを見せるのか。2025年の好調を維持するのか、さらなる上昇が期待されるのか、あるいは何らかの突発事件をきっかけに乱高下するのか。その過程で、どのような業界、銘柄が台頭してくるのか。

 また、不動産不況に歯止めが掛からない中、中国当局も、個人も、株式市場を従来以上に重んじて、そこに対する政策支援や投資を加速させているように見受けられます。私自身は、中国の実体経済と株式市場がどのように連動するか、両者が正比例で成長するのか、あるいは何らかの乖離(かいり)現象が見られるのか、といったあたりにも注目しています。

注目ポイント(4) 米中関税協議の着地点

 2025年の中国情勢を見る上で、最も緊迫した局面の一つが、1月、第2次トランプ政権発足後の「トランプ関税」発動を受けて勃発した米中貿易戦争2.0でしょう。一時期、両国が互いに課した追加関税率は100%を超えました。

 ジュネーブ、ロンドン、ストックホルム、マドリード、クアラルンプールと計5回、第三国で行われた関税協議を経て、貿易戦争の再燃は何とか抑えられ、2026年11月までの1年間はさらなる追加関税率は課されないという合意に至っています。

 トランプ大統領にとっても2026年11月には中間選挙を控えていますから、米国経済、消費者への打撃という観点からも、中国との通商関係は穏便に済ませたいでしょう。レアアースの輸出も止められては困るはずです。

 従って、これからの1年間、さらなる協議が行われ、追加関税率を巡る進展はあるのか、あるいは合意が破棄されるような突発事件が起こるのか。注目して見ていきたいと思います。

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