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今週のマーケット:TOPIX最高値更新か、AI株復活、サナエノミクス始動

2025/12/1 14:30

 先週はグーグルのAI半導体「TPU」に対する期待感で日米AI株が急騰。銘柄選別は進んだものの、TOPIXとS&P500が史上最高値に接近しました。今週は日銀の12月利上げの有無、米国民間雇用指標の発表による急騰相場の揺り戻しに注意が必要です。一方、高市首相の積極財政によるサナエノミクスが内需株中心に日本株の本格上昇要因になりそうです。

目次
  1. 今週のトピック
  2. 今週:米国クラウド企業決算でAI株さらに上昇!?米国民間雇用指標が悪すぎると急落も!
  3. 高市政権のサナエノミクス本格始動!物価高継続で潤う内需株の本格上昇続く?
  4. AI株は「エヌビディア、オープンAI以外」が急騰!銀行、電力、建設株が高市銘柄として躍進!

今週のトピック

日付 イベント
12月1日(月) ・日銀・植田総裁が金融経済懇談会で発言
・米国の11月ISM製造業景況指数
12月2日(火) ・日銀・植田総裁が懇談会後に記者会見
12月3日(水) ・米国の11月ADP民間雇用統計、11月ISM非製造業景況指数
・米国でセールスフォース(CRM)スノーフレイク(SNOW)が2025年8-10月期決算発表
12月4日(木) ・米国で11月チャレンジャー人員削減数
12月5日(金) ・米国の9月個人消費支出・価格指数、12月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値
  • 米国で重要な民間の景気・雇用指標が発表。来週12月10日(水)終了の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待で日米の株価は上昇基調が続く!?
  • 先週、グーグルの親会社アルファベット(GOOG)の急騰で復活したAI株は今週も続伸!?ただし「アルファベット買い、エヌビディア(NVDA)売り」の二極化に注意
  • 日本銀行の植田和男総裁が12月1日(月)に名古屋で講演。19日(金)終了の金融政策決定会合での利上げを示唆すれば、むしろ日本株にとって追い風?
  • 米国の12月利下げ以外さしたる好材料がない中、株価急騰の揺り戻しに注意

12月1日(月)の日経平均

 前営業日比64円高の5万0,318円の続伸スタートでした。その後、日銀の植田和男総裁の発言が利上げに前向きと市場に受け止められたことで、一時1000円を超える大幅な下げとなりました。

今週:米国クラウド企業決算でAI株さらに上昇!?米国民間雇用指標が悪すぎると急落も!

 今週は高市政権の積極財政への期待感や日本売りの収束、日中関係の緊張低下もあり、大型内需株の影響力が強い東証株価指数(TOPIX)が最高値を更新してもおかしくないでしょう。

 先週TOPIXは、高市政権の政策が示唆する物価・地価の上昇や金利の高止まりから恩恵を受ける銀行株や不動産株の上昇で前週末比2.45%上昇。

 11月13日につけた終値の史上最高値3,381ポイントに肉薄しています。

 バブル崩壊が懸念された人工知能(AI)関連株も、米国グーグルの親会社アルファベットがリリースしたAIモデル「Gemini 3」の高評価で見事、復活しました。

 アルファベット クラスC(GOOG)株が前週末比6.8%高と続騰した他、日本でも半導体検査装置メーカーのアドバンテスト(6857)が12.3%高。

 日経平均株価(225種)が1,628円(3.35%)高の5万0,253円まで上昇する原動力になりました。

 ただ、アルファベット傘下のグーグルは「TPU」と呼ばれる独自のAI半導体を開発しているため、AI半導体市場をほぼ独占していたエヌビディア(NVDA)は販売シェアの低下が懸念されて1.1%安。

 日本でも、生成AIソフト「ChatGPT」運営の米国オープンAIに巨額投資を行うソフトバンクグループ(9984)が1.6%安と続落し、11月の月間下落率は前月末比37.8%に達しました。

 今週、米国ではAIサービスの導入が進むクラウド企業の決算発表が相次ぎます。

 具体的には、日本時間12月3日(水)朝にクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)、4日(木)朝にセールスフォース(CRM)スノーフレイク(SNOW)が決算発表。

 顧客管理システムで世界最大手のセールスフォースなどがAIサービス導入で業績をどれぐらい伸ばしているかは、株式市場で高まるAIビジネスの収益性懸念に対する「直接回答」になりそうです。

 今週は全米供給管理協会(ISM)の11月製造業・非製造業景況指数や米国給与計算代行会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の11月民間雇用統計も発表されます。

 米国政府機関閉鎖の中、リアルタイムで米国経済の動向を発表している両指標は米国の景気後退の深刻さを探る重要指標なだけに、市場の関心を集めるでしょう。

 日頃あまり注目されることはありませんが、4日(木)、米国の再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表する11月の人員削減数も雇用悪化を測る指標です。

 先月10月の人員削減数は前月比175%増で、22年ぶりの高水準まで悪化しているだけに注目を集めそうです。

 一方、本来は毎月第1金曜日に発表される米国の雇用統計は政府機関閉鎖の影響で5日(金)には行われず、11月分が16日(火)に発表予定です。

 5日には発表が遅れていた9月の個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)が発表されます。

 最重要視される、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年同月比2.8%の伸びに小幅減速する予想です。

高市政権のサナエノミクス本格始動!物価高継続で潤う内需株の本格上昇続く?

 今週は1日(月)午前中に名古屋市の金融経済懇談会で日本銀行の植田和男総裁がすでに講演を行い、2日(火)には記者会見も予定されています。

 植田総裁は11月21日の衆議院財務金融委員会で円安が「輸入物価を押し上げる」と明言し、円安の過度な進行も利上げの判断材料になると示唆。

 植田総裁の円安けん制発言もあって、先週のドル/円レート終値は1ドル=156円10銭台と小幅な円高方向で終了しました。

 今週、植田総裁が12月利上げに関してさらに踏み込んだ発言をするようなら、為替の円安トレンドが小休止するかもしれません。

 円高や日銀の12月利上げは本来、株価にとって逆風です。

 しかし、先週も債券市場では長期国債の指標である10年国債の利回りが一時1.825%に達するなど、高市政権下の財政赤字拡大を懸念した債券安が続いています。

 それに急速な円安が加わると「日本売り」が問題視されるだけに、円安トレンドの小休止はむしろ株価にとって好材料かもしれません。

 高市早苗首相は先週18.3兆円に達する2025年度の補正予算案を閣議決定し、その多くを物価高対策に振り向けています。

 その一方で物価高の元凶といえる円安や日銀の金融緩和継続には寛容です。

 高市首相は「今はインフレの状態にあるが、まだデフレを脱却したとはいえない」と国会でも発言し、デフレ脱却宣言を「目指す」姿勢です。

 円安・低金利で民間企業の業績向上を支援するとともに、物価高に関しては電気・ガス代支援や「おこめ券」配布など、政府によるバラマキ気味の援助で乗り切るのが高市政権の基本方針といえるでしょう。

 それは年率3%前後の物価上昇率を当面は許容するということ。

 物価高を値上げでカバーできる内需株、金利の上昇で収益拡大が見込める銀行株などには追い風が吹いています。

 今週は高市政権の国土強靭化(きょうじんか)政策や造船業の再生復活支援で恩恵を受けそうな建設・造船株、日銀の利上げ以上に地価高騰が追い風になる不動産株に注目です。

 また高市政権の原発容認方針を受けて、新潟・柏崎刈羽原発、北海道・泊原発が相次いで再稼働に向けて動き出すなど、東京電力ホールディングス(9501)をはじめとした電力株にも長期的な上昇が見込めそうです。

 ただ、物価変動を除いた9月の実質賃金は前年同月比1.4%減で9カ月連続マイナス。

 物価高に賃金上昇が追い付かない状況が続いています。

 物価上昇のアクセルとブレーキを同時に踏むような高市首相の経済手腕に対する期待と不安が広がりそうです。

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