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「ドルの上昇で金は反落、原油は堅調さを維持」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「ドルの上昇で金は反落、原油は堅調さを維持」

2017/5/19
金相場は下落。ドルの反発を受けて、前日の大幅な上げによるショートの利益確定の動きが進んだ。
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金相場は下落。ドルの反発を受けて、前日の大幅な上げによるショートの利益確定の動きが進んだ。前日はトランプ大統領がロシアの米大統領選介入疑惑をめぐる捜査に干渉しようとしたとの報道に敏感に反応し、金相場は急伸し、英国のEU離脱決定時以来の上げ幅を記録していた。しかし、この日は前日の株価の急落に対する反動や、主要経済指標が堅調だったことがドルの買い戻しにつながり、金相場の上値を抑える動きにつながったといえる。

今回の戻りは1,265ドルまでであり、その後1,245ドルまで下げており、見事にチャートポイント内での動きになっている点は興味深い。市場はトランプ大統領を取り巻く環境に反応しやすい地合いにあり、この材料を目先は注視することになるだろう。

1,245ドルで下げ止まり、反発するようなことになれば、トランプ大統領の周辺はさらに騒がしくなっていることであろう。

一方、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、インドの金輸入が1~3月期の急増から再び急激な減少に転じるとの見通しを示している。新税制の導入や輸入規制などが影響するとみている。また、17年通年の輸入量は524トンだった前年とほぼ変わらないとみている。

7月1日に全国統一の物品サービス税が導入されるが、宝飾業者が在庫補充に走ったことから、1~3月期の金輸入量は253トンと、前年同期比で倍増している。これを考慮すれば、今年残りの輸入量は271トン程度となり、四半期平均では90トン程度に急減することになる。新税導入に加え、当局から認可を受けていない業者の金輸入を禁じる規則により、未精錬の金の輸入が制限されることから、通年での需要は前年と変わらずの650から750トンになるとみられている。

インドの需要が回復しないようだと、需給面からの金相場の押し上げはあまり期待できないことになる。高値では買わない中国の動向も含め、これらの動きを注視したい。

非鉄相場は小幅な下げ。一時急落する場面もあったが、安値からは大幅に値を戻している。前日のトランプ大統領をめぐる数々の疑惑の浮上で政権の先行きに不透明感が強まり、金融市場が不安定化した動きを受けて、非鉄相場にも売りが出た。しかし、その後は買戻しが入り、大きく値を戻している。

辛うじて崩れる手前で推移しているが、不安定さは否めない。明確な反発基調に入るには、市場を取り巻く不透明感が払しょくされる必要があろう。ニッケルはフィリピンの鉱山の増産観測を背景に上値が重く、鉛は直近安値を下回っており、きわめて弱い動きにある。

一方、中国の4月の主要70都市の新築住宅価格は平均で前月比0.7%上昇した。3月の0.6%から伸びが加速した。前年比では10.7%上昇し、3月の11.3%から伸びが鈍化した。

都市別では北京市の住宅価格が前年比16.0%上昇。3月は19.0%上昇だった。上海市は前年比13.2%上昇で、3月の16.8%上昇から低下している。

原油は続伸。主要産油国が協調減産の延長に支持を表明していることが好感された。OPECとロシアなどの非加盟産油国は25日にウィーンで会合を開催し、日量180万バレルの協調減産の来年3月末まで延長を決定する方針である。

ロシアの産油最大手ロスネフチのセチンCEOは、「OPECとの減産合意を順守する」としている。またアルジェリアのボータルファ・エネルギー相は「ロシアとサウジアラビアの減産延長提案に大半の国が賛同している」としている。減産期限の延長は既定路線であろう。

一方で問題は減産量が現状のままでよいのかという議論がある。しかし、現在の減産を継続すれば、米国のシェールオイルが多少の増産となった場合でも、世界の石油在庫は着実に減少する。この点を市場は全く織り込んでいないといえる。

WTI原油は49ドル台を維持し、上昇へ再加速する可能性を残している。49.50ドルを超え、重要なポイントである50.30ドルをさらに超えるようだと、基調は一気に上向きに変わるだろう。

5月末からの米国のガソリン需要期の開始をきっかけに原油相場は上昇しやすくなる。25日のOPEC総会が転換点になる可能性も十分にあるだろう。

一方、インドの4月の原油輸入は、イラク産が初めて日量100万バレルを超え、サウジアラビア産を抜いて首位となった。前年同月から8%、前月からは3割ほど増加した計算になるという。

サウジは通常、インド向け原油供給国として首位となっているが、同国からの4月の輸入量は日量約75万バレルと、前年同月比8%減、前月比で5%減となっている。サウジからの輸入減少は、OPECの協調減産が1月に開始され、サウジ産の供給が減少したことに加え、価格が上昇したことも一因となっているもようである。

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